友人との距離が近づくと、意地悪な態度を取ってしまう~罪悪感のパターンから抜け出そう~

いじめた側の心の癒しについてとりあげます。

 

「友人との距離が近づいてくると、相手を遠ざけてしまう」、しかも、「相手を嫌いになって意地悪な態度を取ってしまう」というパターンは、人間関係を自ら壊しにいっているようなものです。繰り返すたびに罪悪感が強化されて心が苦しくなっていきます。

どうしてこのようなパターンになってしまうのか、その心理をヒステリックで過干渉な母親との癒着の観点から紐解きます。気づけば周りに友人がいなくなってしまった、ということにならないように、このパターンから抜け出すためにできることを考えていきます。

母子癒着をしていた当時の自分の心理や状況を理解し、受け止めてあげること、そして自分を徹底的に許して罪悪感から解放してあげることがポイントとなります。

◎リクエストを頂きました◎
=======================================
いじめた側の心の癒やし方について教えて下さい。また、人間関係に問題を抱えるパターンから抜け出すにはどのようにしたらよいでしょうか。
私は、小学校、大学、社会人になってからも友人(主に同性の女性)と関係が近くなると、嫌って意地悪な態度をとってしまうようです。周りの人たちは、私と仲良くしたいと思ってくれているのにもかかわらず、です。

最近、「私は自分自身を、迷惑な存在だと思っている」かもしれないことに気づきました。ヒステリックで過干渉な母のもとに育ち、幼い頃から精神的に母を助けてきました。小学校の時友人をいじめた原因は、母が私に「ママ、◯◯ちゃんのお母さん嫌い」などと言っていたことがあり、私がその友人をいじめるようになった記憶が蘇りました。

いじめてしまった数多くの友人たちには、申し訳ない気持ちでいっぱいです。こんな私でも、「あの時はしょうがなかった」と考えて、癒されることはできるのでしょうか。
(一部、編集させていただいています)
=======================================

リクエストありがとうございます。
担当させていただく高見綾です。どうぞ、よろしくお願いします。

「友人との距離が近づいてくると、相手を遠ざけてしまう」、しかも、「相手を嫌いになって意地悪な態度を取ってしまう」というパターンは、人間関係を自ら壊しにいっているようなもの。繰り返すたびに心が苦しくなっていきますよね。気づいたら誰も周りにいなくなってしまった、ということのないよう、どうしてこのようなパターンになってしまうのか、その心理を紐解き、このパターンから抜け出すためにできることを考えていきたいと思います。

◆ヒステリックで過干渉なお母さんの元で育つと、癒着の問題が出てくることがあります。

癒着とは、誰かと自分の境目がわからなくなってしまい、相手の感じている感情を自分のものと感じてしまったり、相手を一人の人間として認められずに自分として扱ってしまう状態のことをいいます。

小さい頃から「あれしなさい、これしなさい」と言われ、母親の意に沿わないことをするとヒステリックになって収まりがつかなくなるなどがあれば、子供は次第に、母親の顔色を伺うようになり、自分の意思をもつことが難しくなります。

さらに、「なんでこんなこともできないの!」などと怒られたりしていると、子供は「私なんて何もできない」「お母さんに迷惑をかけてしまう存在」だと認識してしまうことがあります。

過干渉の裏側には、母親なりに子供を愛していたり心配だからという気持ちがあることが多く、そういったことは子供なりに感じるものです。だからこそ理不尽なことを言われたとしても、一生懸命にお母さんを精神的に助けてあげようとしてきたのでしょう。しかし幼い子供が、大人を助けるというのは難しいものです。一生懸命やっても力不足を感じることが多いでしょう。

ご相談にありますように、お母さんが、「〇〇ちゃんのママ嫌い」と言ったことで、嫌いという感情があたかも自分のものであるかのように感じたり、「お母さんを守らねば」と思って、その子をいじめてしまった可能性もあると思います。しかし、人をいじめるという行為は、その時はわからなくても、いい気分のするものではありません。後々、私は人を傷つけてしまったという罪の意識を背負うことになるのです。

そうした罪悪感があるので、友人との距離が近くなってくると、当時の罪悪感が蘇ってくるのだと思います。「人を傷つけた私は、また誰かを傷つけてしまうかもしれない」とか「こんなにひどい私だから、これがバレたら責められてしまうのではないか」といった感覚を覚えるようになります。

このような罪悪感を感じるのは苦しいことですから、距離が近づかなくてもいいように、相手を嫌って意地悪な態度を取る、という表現になって出てきているのです。

◆私自身は、過去にいじめられた側の経験があるのですが、満たされていて気分のいい人は、人をいじめることはないと思っています。

意地悪をしてしまうのは、それなりの理由があるものです。

確かに、誰か人を傷つけてしまった過去はなくなりません。でも私たちは誰もが、多かれ少なかれ誰かに迷惑をかけたり、誰かを傷つけたりして生きていると思うのです。当時の自分が置かれた環境や心理を理解し、ありのままを受け止めてみましょう。インナーチャイルドワークという心理療法で、当時の自分の気持ちにとことん寄り添ってあげると効果的です。

「お友達を傷つけてしまったのだから、私は許されるはずがない」と考えていると、自分の罪悪感を強化してしまいます。「自分は毒である」というこの意識は、また別の人を傷つけ、遠ざけてしまう要因になります。自分と仲良くしたいと思ってくれる友人たちに同じことをしないように、どうか徹底的に自分を許してみようと思ってみてください。

自分を許すためには、親に感謝をすることも大変有効な方法です。感謝なんてできないと思うかもしれませんが、親に感謝することで、親との間に適切な距離感が生まれます。癒着でべったりくっついてしまった心理的な距離を、適切な距離に離すためにも感謝は有効な方法なのです。

まず自分を許し、罪悪感から解放してあげることが、友人たちの幸福にもつながります。そして、それが自分自身もまた楽になっていく道でもあります。自分のためにも、周りの友人のためにも自分を許し、大切な友人を大切に扱う、そんな人間関係を選択してみようと思ってみてくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

高見 綾

大学卒業後、民間企業の経理・財務業務に従事。自身の悩みを解決するために心理学を学び始める。 人生がうまくいくためには特定の法則があることに気づき、多くの人のサポートを行う。 自己改革及び恋愛・結婚を含む人間関係全般のカウンセリングを得意とする。著書に『ゆずらない力』(すばる舎)がある。