セルフカウンセリングが上手くいかないのはどうして?~本当に取り組む必要のある努力はそこではないのかもしれない~

「心に本当に引っかかっている一番大きなこと」を知るにはどうすればいいか?

ということでリクエストをいただきました。
じっくりと自分の内面を見つめることで、自分を変えて行くこともできる自己分析やセルフセラピーに取り組む方も少なくないと思います。いい心掛けですね。
しかし、それが自分では上手くいかないときや自分の中に答えが見つからないときは、今現在、自分が執着しているのは何なのかに気づくためにも、そのやり方から少し離れてみることが必要なのかもしれません。
今回は、ひとりでがんばることの意外な落とし穴について、解説します。

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◎リクエストを頂きました◎
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心理学講座や相談事例集、いつも読ませていただいております。
「心に本当に引っかかっている一番大きなこと」を知るにはどうすればいいか、というテーマをリクエストします。
昨年精神的な不調で仕事を数ヶ月休み、色々とこちらのサイトも参考にしながら考えました。
現在は復帰したのですが本調子ではなく、なぜかまったくと言っていいほどやる気が出ません。
・家族のこと
・仕事でいじめられた経験
・それによる職場自体への不信感
・ずっとやりたかったのにそちらに進めなかった夢
と色々思い浮かぶのですが、今の仕事を続けると考えたときにやる気が出ない原因、一番邪魔になっているものが分からないのです。
勿論、どれかひとつが解決すればいいというものではなく複合的な要因だと思いますが、ウェイトの大きいものをどうやって特定したらいいのか、またはどれがどの方向に邪魔をしているのかが分かる方法はないでしょうか。
よろしくお願いします。
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リクエストをありがとうございます。
今回、担当させていただく熊谷佐知恵です。どうぞ、よろしくお願いします。

●行き詰ったときは別の方法を試してみる

きっと何でもそうですが、自己流で行き詰ってしまったのなら、今回、あなたがそうしてくれたように、専門家に聞いてみる、相談してみるのが一番のお勧めです。

なぜならば、自己探求型の悩み(浸りこみ)は、ひとりでがんばる癖や悩みを抱え込んでしまう癖をもともとお持ちの方が少なくないからです。

一人でやるのが当たり前だったり、自分ではわからないということを認めたくなかったり、「誰も助けてくれなかった」というような痛みが癒えていない場合、誰かに相談するなんて、とことん自分を追い詰めたり、追い詰められたりしたときでないと、できないチャレンジなのかもしれません。

特に人間関係にあきらめがある人にとっては、誰かに助けを求めること自体に抵抗があったり、思いもつかなかったなどという場合もあるでしょう。

でも、何かに行き詰った時は、これまでとは異なるやり方や方法にチャレンジしてみる、というのがとても大切な切り替えになります。

 

さて、ここからは、思考と感情について少しお話をさせていただきますね。

●思考と感情

わたしたちが考えていることと感じていることは、必ずしも同じではありません。
ですからそこにはいろんな葛藤や矛盾が生じてしまうこともあるんですね。

また、感情レベルで知りたい答えを探そうとする時に、何かと何かを比較検討しているとしたら、それは感情ではなく思考を働かしているので、見つからない、わからない、ということがあるのではないかと思います。

そして、わたしたちが答えのないことを考え出すときというのは、実は不安や怖れが強くあるときなんです。なぜかというと、考えているときは、その不安や怖れを感じなくて済むからなんですね。

●直感を使う

では「心に引っかかっている一番大きなこと」を知るにはどうすればいい?かというと、論理的な思考を使うよりも直感を使って自分に訪ねて答えを受け取る方法があります。

その際は「今、わたしが知る必要があること」に限定してみるのもひとつです。

もっと具体的に今の問題解決の糸口を探すなら、感情の種類を限定して
「仕事を続けると考えた時に感じている不安や怖れがあるとしたら、それはどんなこと?」と自分に聞いてみるのもいいでしょう。

 

実際、カウンセリングでは過去についてお伺いすることは多いです。しかし、ここで早合点して欲しくないのですが、カウンセラーが過去についてお話を伺うのは、過去に原因を探すことが目的なのではなくて、今の悩みや問題の解決に必要な答えやヒントを過去の関連するエピソードを通して、クライアントさん自身に気づいていただくためなんです。

●自分が活き活きと職場で働くことを許してみよう

たとえそれがどんな経験であったとしても、あなたがこれまでに体験してきたことは尊いことです。ですから、自分の中に何か問題や邪魔なものがあるという視点で、あなた自身を見ないであげて欲しいのです。

さらに言うならば、「邪魔者扱いされて傷ついた」経験があるとか、「自分はここにいてはいけないんじゃないか?」と居心地の悪さを感じているとか、本当は辛かった経験をたくさんして傷ついているのに、そのような経験をしてしまったことで、ご自身を責めていたり許せていないということはないでしょうか?

なぜなら、原因探しは、やる気が湧いてくる情報ではなくて、あなたの大切な“今
”という時間を使って、あなたが自信を失くすような情報を過去の記憶の中から集めてしまっているような状態だからです。

また、問題探しや原因探しをしている時というのは、それそのものが心理的な罠にはまっているような状態で、あなたが今、本当にやる必要があることを止めている時とも言えるのかもしれません。

●やる気が欲しいなら、原因探しよりも大切なことがある

それがなんであれ「自分の中に問題の原因がある」とする認識は苦しいものです。

「今、わたしは何を感じているのだろう?」と自分に問いかけたときに、苦しいという感情や感覚を認めることができたなら、「こんなに苦しいのは、いつの間にか自分で自分をこんなにもいじめていたんだな~」と気づいて、その浸りこみをやめることが一番の抜け道になるかもしれません。

一方、人間関係で傷ついたままの気持ちが、結果的に自ら人を避ける問題を作り出してはいないでしょうか?

本当は今、あなたにして欲しいのは、人とつながることへのチャレンジです。

セルフセラピーで感情を自分で解放することはできます。
だけど、人が持っている「誰かとつながりたい」という深い欲求は、トラウマを越えて、実際に経験的に取り組んでみなければ、深くて温かいものであるということはわからないままでいることも多いのです。

人とちゃんと向き合うこと。本音で話せる人間関係をつくっていくこと。
ときには、誤解や喧嘩やすれ違いもあるかもしれないけど、それでも、人間関係は自分の内面の鏡だと思って、そろそろ関係の中で学び体験してみる、というのはいかがでしょうか。

ひとりでは叶えられない誰かと一緒に叶えていく夢を見つけてみてはいかがでしょうか?

自分のために、そして誰かのために自分を役立てて誇りを持って生きれるようになったとき、自然とやる気が湧いているのを感じられるのかもしれませんよ。

(完)

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About Author

熊谷 佐知恵

恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。