周囲の人の要望に振り回されてしまう~無価値感を癒して自分のモノサシを持とう~

できない人、と思われたくない私

「この仕事をやってほしい」と頼まれて、本当は対応する時間がないのに、できない人だと思われるのが嫌で引き受けてしまった経験はないでしょうか。
どんどん引き受けているとハードワークに陥ってしまいます。できないと思われたくない気持ちには無価値観感が潜んでいます。
この悩みを抱える人はみな頑張り屋さんです。今まで頑張ってきた自分をとことん認めてあげましょう。
周囲の人に振り回されないためには、どこまで頑張りたいのか、何がしたいのかといった自分なりのモノサシを持つことがポイントです。

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今回心理学講座を担当させていただく高見綾です。どうぞ、よろしくお願いします。

「できない人」だと思われたくなくて、周囲の人から頼まれた仕事を断らずにどんどん引き受けていると、いずれキャパを超えてハードワークとなり、疲弊してしまいます。

こういった人は、「要望されたことはできるだけ引き受けて頑張りたい」と思っていることが多く、もともと頑張り屋さんです。しかし、自分では「私は頑張っていない」「もっと頑張れるはずなのに」と思っていることがほとんどなのです。

◆「できない人だと思われたくない」気持ちには、無価値感が潜んでいる

周囲の要望に応じた仕事量をこなすことができなかったり、求められているレベルに達していないと感じた時、自分が仕事ができないような気がして辛く感じる人は少なくありません。

業務時間内は分刻みのスケジュールでプレッシャーを感じていたり、残業や休日出勤などをこなすなどして、客観的に見ても、ものすごく頑張って働いている場合であっても、本人はそう思えていないこともあります。

ハードワークになりやすい人は、「できない人だと思われたくない」という気持ちを持つことが多く、「仕事ができない自分には価値がない」「頑張れない私はダメだ」「役に立たないと居場所がない」などと思って自分を追い込んでしまいがちです。

親が「仕事はバリバリやって当然」とか、「頑張ることは当たり前」という考え方をしていたり、子供の頃から全然褒められなかったというような場合には、このような無価値感が生まれやすくなる傾向にあります。

◆頑張っている自分をとことん認めてあげよう

こうした悩みを抱える人は、頑張り屋さんが圧倒的に多いです。ものすごく頑張っているのに、「私はまだまだだ」と感じているところに、しんどくなる原因があるのです。

それが「もっともっと頑張りたい」「仕事ができるようになりたい」という純粋な向上心からくるものであれば問題ありません。そのような場合はむしろ楽しいと感じると思うのですね。

しかし、無価値感が根底にあると、どれだけ頑張っても足りない感覚が埋まることはないのです。いつまで経っても満足できないので、もっと頑張って疲弊するという無限ループに入ってしまいます。

「自分には価値がない」という感覚は誤解から生じています。まずは自分をとことん肯定していくことが、無限ループから抜け出すための方法です。現在の自分がどれほど頑張っているのか、また過去もどれだけ頑張ってきたのかを、しっかりと見つめて承認してあげましょう。「私って案外よくやってるかもしれない」と思えたらOKです。

自分を承認しようと思っても、子供の頃に親から言われた厳しい言葉が思い出されるなどして、「こんなこともできないの?」という、もう一人の自分からのツッコミが入ることもあります。もう一人の自分の声はエゴの声ですので、めげずに「いやいや、私はよく頑張ってきたんだ!」と堂々と胸を張ってくださいね。

自分を責めても何の解決にもなりません。現在の自分を肯定してあげることでしか、今が満たされることはないのです。

◆自分のモノサシを持つと、周囲の人に振り回されなくなる

「果たして自分はどれほど頑張れているのか?」と不安に思う人もいるかもしれません。無価値感が強いと、周囲の人に「私頑張ってますよね?」と確認して、承認してもらいたくなるものです。もし上司が「君はよく頑張っているね」と毎回言ってくれていたら、少しは安心できるかもしれませんが、いつも承認してくれる人が近くにいるという人ばかりではないですよね。

周囲の人からどう思われているかが気になったり、要望に振り回されてしまうときは、自分なりの価値判断基準となるモノサシが弱いときです。人から「よく頑張ってるね」「すごいね」と認められるためにハードワークをしてしまうといった人もいます。

自分が頑張れているかどうかも、自分で判断していいのです。もちろん会社などの組織で働いているのであれば、会社からの要望もありますし、ある程度協力して進めていくところは必要です。しかし自分がベストを尽くしているかどうかの判断は、他の誰かが決めてくれるものではありません。

自分がどこまで頑張りたいと思っているのか、仕事を通じて何を実現したいのか、それらについて定期的に振り返って考えてみることがおすすめです。あくまでも主体は自分に置いて「私がやりたいからやっているんだ」と考えられるようになると、必要以上に他人に振り回されることは少なくなります。自分の頑張りを認めてとことん肯定していきましょう。

参考になりましたら幸いです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

高見 綾

大学卒業後、民間企業の経理・財務業務に従事。自身の悩みを解決するために心理学を学び始める。 人生がうまくいくためには特定の法則があることに気づき、多くの人のサポートを行う。 自己改革及び恋愛・結婚を含む人間関係全般のカウンセリングを得意とする。著書に『ゆずらない力』(すばる舎)がある。