自立的な人を助ける方法~ゆるぎない自分を与える~

私たちが感じる、人の分類の一つに依存的な人と自立的な人がいます。

依存的な人は、人になんとかしてもらおうという行動傾向があり、重たい感じを受けます。
一方、自立的な人は、自分で何でもしてしまおうという行動傾向があり、とても強い感じを受けたり、冷たい感じを受けたりします。
依存的な人は人に頼る傾向が強く、自分に差し伸べられた手につかまる事はもちろんのこと、サポートしてくれそうな人に近づいてきます。

しかし自立的な人は、人に頼ることが嫌いなので手を差し伸べてもなかなかその手をつかもうとしません。
自立的な人は、依存して傷ついた経験から、依存を嫌い、誰かに頼ったり、今までの自分のやり方を変えるのが怖いのです。
このような自立的な人をサポートするには、どしんとした安心感や一歩も引き下がらない本気さで接することが必要です。

◎リクエストを頂きました◎
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わたしは、弱さを隠して、或いは抑圧して頑張っている人が男女問わず好きで、そういう人を癒したいという気持ちがいつもあります。
それなのに、そういう人とは縁があっても距離があり、逆に依存的で精神的に脆い人に執着されます。
癒したいと想っている相手も私に癒しを求めているように思えるので、この、癒したいという思いは変えなくていいとも思うのですが、結果として、癒したい相手じゃない人(自立した方がいいと思える人)ばかり引き寄せてしまいます。
どうしたらこれらのミスマッチをなくしていけるのかアドバイス頂けたら幸いです。
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私たちが感じる、人の分類の一つに、依存的な人、自立的な人というものがあります。
前者は、人になんとかしてもらおうという行動傾向があり、重たい感じを受けます。
後者は、自分で何でもしてしまおうという行動傾向があり、とても強い感じを受けたり、冷たい感じを受けたりします。

私たちは子供の頃は何も一人でできません。親に食事を与えてもらうなど、親に面倒を見てもらうことで生きてきました。
しかし、躾が始まる頃になると今まで面倒を見てくれていた親の態度がガラリと変わって自分で何でもやらされるように感じます。

それはまるで今まで親から受けていた愛情が与えられなくなったようで、愛情を取り戻したいと思って親に褒められるような行動をしがちになります。
この例は親との関係の中での依存ですが、この例に限らず、誰かから何かを与えてもらいたいと意識的に、あるいは無意識的に行動するのが依存の状態です。

しがみつかれた感じになるので、重たい感じがするのです。
一方、自立はこの依存状態を経た後、誰かに依存してもどうせ何ももらえない、誰も自分を助けてくれないという事を感じて誰かに頼ることなく、自分のやり方で物事を進めようとします。
依存して傷ついた経験から、依存を嫌い、誰かに頼ったり、自分のやり方を変えるのが怖いのです。

依存的な人から自立の人を見ると、自分一人で何でもできたり、自分のやり方を持っていたりして、私に何か与えてくれるのではないかと思い、依存の対象となります。
一方、自立の人は依存を嫌って自立になったのですから、依存的な人は嫌いなタイプに映ります。
ところが、実は自立的な人の心の中にも未消化になっている依存的な部分が隠れています。自立の人はこの部分に陥る事がとても怖いのです。だから敢えて依存にならないように頑張ってしまうのですね。

このように、依存的な人は人に頼る傾向が強く、自分に差し伸べられた手につかまる事はもちろんのこと、サポートしてくれそうな人に近づいてきます。
しかし自立的な人は、人に頼ることが嫌いなので手を差し伸べてもなかなかその手をつかもうとしません。

いただいたリクエストに書かれていることは、正にこの状態を現しているのです。
では、どのようにすれば自立的な人をサポートすることができるのでしょうか?

それには先ず、自立的な人が本当に苦しい状況に至って自らが助けを求めたいと思うことが必要です。
しかし、私たち人間は環境に慣れるようにできているので、苦しい状況が続いていても麻痺してしまっていて、周りから見るほど本人はその苦しさを自覚していないことがとても多いのです。

次に、自立的な人が苦しくなって自分を変えたい、誰かに助けて欲しいと思うようになった場合を考えます。この状況がリクエストに書かれた“相手も私に癒しを求めているように思えるので”という状況に近い状況かと思います。

しかし、この段階でも自立的な人は一歩を踏み出すのが怖いものです。従って、サポートする側が生半可な接し方ではなかなか一歩が踏み出せません。
ここは、サポートする側も腰を据えて、腹を決めて、本気で相手と接する必要があります。
自立の人が誰かを頼るという事は、例えば、火事になったビルの何階かにいて、追いつめられて下に飛び降りる、そして下で誰かに受け止めてもらうような感じなのです。

受け止めてくれる人が本当に信頼できると思わない限り、飛び降りることはできないのです。
従って、躊躇しながら「本当に受け止められる?」「本当に大丈夫か?」と何度も聞き返すような、試すような状況を作り出します。

ここで、サポートする側が少しでも怯むと、「ほらやっぱり」ともう助けを求めなくなってしまいます。
どしんとした安心感、一歩も下がらないぞという本気の度合いが相手にエネルギーとして伝わり、ようやく差し伸べた手を握り返してくれるのです。
言わば、ゆるぎない自分を与えることなのです。

ところで、ゆるぎない自分になると、その光に惹かれて、自立的な人も依存的な人も両方集まってきます。それは、とても大きな存在として魅力溢れる人になるからです。

誰に愛の手を差し伸べるか、それはあなたの選択でいいのです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。