執着からの解放~信頼しているものを見直そう~

執着に捕らわれているとき、とても苦しい思いをしますよね。

出来ることなら、そこから早く解放されて楽になりたいと思うのに、執着からなかなか抜け出せないと感じることがあります。
そんなとき、私たちの心の中にある欲しいものに対しての否定的な信頼が存在します。
そして、欲しいものに対しての否定的な信頼が執着を作るもの正体です。

欲しいものに対してどんなことを信頼するかで、目の前の現実にも違いが出てきますし、執着が出てくるか否かも決まっていきます。
今回の心理学講座では、執着と私たちが信頼しているものとの関係性と手放しとは違った執着からの解放をご紹介します。

◎リクエストを頂きました◎
===================================
私は「人から愛してもらえなければ意味がない」と思ってしまいます。
私は人に自分から声をかけたり誘ったりしますが、内心では「本当の人気者であれば、
誰かから声をかけてもらえるものなのに・・・。私には声をかけてくれる人もいない」と感じ、
とても苦しいのです。
今は心理学に出会い、「自分から愛する事」の重要性を学んではいますが、
「人から愛されること」「人望を集めること」への執着が捨てられません。どうしたらラクになれるでしょうか。
===================================

リクエストいただき、ありがとうございます。
執着を持ち続けることは、しんどいですね。できることなら、いち早く解放されたいものです。
今日は、リクエストを基に執着と信頼の関係と執着から解放されるためのアプローチをご紹介します。

○ 執着はどこか生まれるの??

執着とは、執着しているものや事柄に対して、
(それが真実かどうかは置いておいて)私には「手にすることが出来ない」と感じていることから生まれます。

今回のリクエストを例に挙げてみると、
「私は人から愛されることが出来ない」
「人望を集めることが出来ない」
と感じていることから執着が生まれている訳です。

例えば、
おつき合いしていた彼と別れたとしましょう。
おつき合いしている頃にごく自然にあなたのそばにあったものがなくなっていることに気づきます。
そして、
「私のことをあんなに愛してくれる彼は、他にいない。」
と思ったとしましょう。
そうすると、「彼を手放したくない」、「彼から離れたくない」と思い、執着が生まれます。
「彼以上に私を愛してくれる人はいない。」という思いが強ければ強いほど、執着も強まります。

同じ状況下であったとしても、「彼以上に私を愛してくれる人がいる」と思うことができたとしたら、あなたは別れた彼に執着するでしょうか?
答えは、「No」ですよね。

このように執着しているとき、私たちは「手に入らないもの」を信頼し、「(いずれ)手に入るもの」として信頼出来るときは、執着せずにいられるのです。

○ 執着を作っている信頼を見直す

日々の生活の中で、私たちは何かしらの信頼と共に生きています。
「人のことを信頼できない」と思っている方でも、「信頼できる人はいない」ということを信頼している訳です。
執着しているとき、私たちは「手に入れたいものが手に入らないこと」に対して絶大なる信頼を置いています。
そして、「手に入らないこと」に対する信頼が強ければ強いほど、手に入れたいものに対しての執着は強固になります。
執着するのが苦しいのは、執着の元になっている「手に入れたいものが手に入らない」という思いを強く認識し、「手に入れたいものが手に入らないこと」に対して葛藤や諦め、悲しみや寂しさなどを感じるからなんです。

執着から解放されて楽になるには、あなたの中にある執着の元になっている欲しいものに対しての否定的な信頼を見直し、認識することが必要です。
私たちは、自分の中にあるものを認識したときに、認識したものをどうしたいかという感じることができ、認識したものを変化させることに対して初めて意欲をもつ機会を得ることができるのです。

あなたの中にある欲しいものに対しての否定的な信頼は、どのようなものがあるでしょうか?

○ 否定的な信頼を崩す~○○かもしれないのススメ~

私たちは、私たちが信頼しているものを現実に作りだします。

例えば、
A子さんが「私は愛されない」という否定的な信頼を持っていたとしましょう。
ある?み会で一緒になったBさん(男性)から、

「A子さんは、話しやすくてかわいらしいですね。
また、一緒に呑みましょう!!」

と誘われたとします。
Bさんから好意的なお誘いを受けたとしても、Aさんは「私は、愛されない」ことを信頼していますから、肯定的に受取ることが出来ません。

「きっとお世辞よね。」
「誰にでも、言っているんでしょう。」

などと思い、Bさんのお誘いをのらりくらりとかわします。
次第に、BさんはAさんにその気はないんだなと思い、Aさんを誘うことを諦めてしまいました。
結果、AさんはBさんから誘われなくなった状況を見て「やっぱり、私は愛されないのね。」と落ち込んでしまいました。

**

Aさんは、「愛されない」と信頼していることから、無意識にそれに合った「愛させない」態度をとり、結果「愛されない」という状況が実現されてしまった訳です。
このように、私たちは信頼しているものに沿った態度を取り、それに合った現実を作りだしているのです。

執着の元となる否定的なことに対する信頼を肯定的な信頼に変化させることが出来ると、執着せずにいられます。
しかし、私たちの中にある否定的なことに対する信頼を肯定的な信頼に変化させることは、
今まで「私は愛されない」と信頼していた人が「私は愛される」と信頼するものを180度方向転換するようなものですから、一気にシフトチェンジするのは、なかなか難しいものです。

そこで、

否定的な信頼に対して、「肯定的な信頼+かもしれない」

という新たな視点を加えることをお勧めします。

例えば、

「私は愛されない」⇔「(もしかしたら、)私は愛されている+かもしれない」

といった感じで視野を広げます。
そうすると、例え「もしかしたら、○○かもしれない」という仮説であったとしても、逆の肯定的な視点が加わった分だけ、肯定的な情報をキャッチすることできるようになり、否定的な信頼だけではなくなるので、肯定的なものを信頼する糸口を見つけることが出来ます。

執着の基になる否定的な信頼を見直してみませんか?

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。