偉大なる自分との闘い~素晴らしい自分に変わる為に~

問題を解決する為には、問題対自分の戦いだけではなく、自分対自分との闘いが待っています。

● 問題解決をする為には、嫌だけどしなきゃいけないこともある ●

面談カウンセリングで、Aさんからこんな相談を受けました。

「会社の人間関係で上手く行かないことが多くて、なんでなんでしょうね?」

「なんか、原因ってあるかもしれないですね。原因を見つけていきましょ
うね。」

そんな話から始まったカウンセリングを進めていくと、
会社の人間で、少し威圧的で、頑固なタイプの先輩や上司とばかり、
上手くいっていないことが分かってきました。

少し威圧的で、頑固なタイプの先輩や上司に意見されるとカチンときて
反発心がでるそうです。
その反発心が仕事の原動力になることもあるのですが、
反発される先輩や上司にとっては、可愛い後輩や可愛い部下とは思われず、
態度のでかい奴として見られることが多いそうです。

態度がでかい奴としてあつかわれると、当然可愛がられず、
先輩や上司も、Aさんにえらそうな態度をとったり、
些細なミスでも揚げ足をとるようにAさんを叱り付けることが多く、
Aさんも、そのことでますます先輩や上司に反発心を強めていきました。

Aさんの先輩や上司との問題は、
先輩や上司に反発心→先輩や上司も反発するAさんを可愛がらない→先輩や
上司に反発心→先輩や上司も反発するAさんを可愛がらない→先輩や・・・
このメビウスの輪のような悪循環をグルグルと回っているようでした。

「なんとか、この悪循環を断ち切らないとしんどいですね。
そうしないと上司とのトラブルも多くなりますものね。」
そんな話をしながら、さらに問題引き起こす原因を探していきました。

すると更にこんなこともわかってきました。
Aさんは男性の先輩や上司に対しては反発心がでてくるのですが、
しかし、同じ威圧的なタイプでも女性の先輩や上司の場合は、
それほど反発心がでることもなく、「はい、わかりました。」と
素直に聞けるそうです。
言われていることは同じなのに、男性だと反発心がでて、
女性に言われると素直に聞けるそうです。

いくつか問題の鍵となるヒントが見つかったので、僕はAさんに一つ質問
をしてみました。

「先輩や上司というと目上ですから、目上で、男性で、少し威圧的で頑固
なタイプ、とうのは会社に入ってから苦手なタイプでしょうか?
それとも会社に入る前からですか?」

「たぶん、会社にはいる前からですね。」

「じゃあ、あなたの周りで、会社に入る前からの知り合いで、
目上で、男性で、少し威圧的で、頑固なタイプで、あなたが苦手として
たり、反発心を持っていたりする人っていますか?」

「います。親父がまさしくそのタイプです。」

「お父さんのことは、どう思いますか?」

「どうとも思いませんが・・・少しむかつくこともありますね。
小言とか言われると、親父の言っていることは間違ってるぞって証明して
やりたくなります。」

「それって、お父さんと先輩、上司という対象は違いますが、
でてくる感情的なパターンは一緒じゃありませんか?」

「あっ!・・・・・ほんまですね、一緒ですね。」

それから僕はAさんにお父さんのことについて質問をいくつかさせてもらいました。
聞いていくうちに、いろいろなことが分かってきました。
Aさんは、お父さんのことを「どうとも思いませんが・・・」と言ってま
したが、どうとも思っていないわけではなく、Aさんとお父さんとの間に
は強い確執があるようでした。

僕はAさんに、
お父さんとの間に問題があると、お父さんへの反発心というフィルターを
通して目上の男性を見てしまうので、目上の男性にお父さんに持つ反発心
がでてくる投影の心理のお話や、
反発心を持つ自分がお父さんに押さえつけられるように、
上司からも自分は押さえつけられるのではないかという感覚がしてしまう
という投影の心理が起きるという説明をしました。

更にこんな話もしました。
会社では上司といえば男性が多かったり、女性は結婚して退職していく方
もいるので、どうしても男性社会になったりするので、お父さんとの間に
問題があるとキャリアに対して問題がでてくることが多くなることを、
Aさんに説明しました。

その話をすると、Aさんは、事実キャリアの方にも影響が出ていますと
話してくれました。
Aさんは上司にやっかみがられて、上司が取り仕切っている重要な
プロジェクトからはずされたり、自分の意見が上司に却下されることが
多かったりと、出世という面に影響がでているようです。

先輩、上司への反発心からくる人間関係の問題、
そのことからくるキャリアの問題を解決するべく、
お父さんとの確執の問題を解決する必要があることや、
腹を立てているお父さんを許すことがいることをAさんに説明しました。

すると
「あの、クソ親父を許す、そんなん死んでも嫌ですわー。」
というお答えが帰ってきました。

確執というくらいですから、そう簡単にお父さんを許そうと思えないかも
しれません。Aさんの言い分はもっともだと思います。
でも、それがあると、会社での人間関係の問題、キャリアの問題がおきや
すくなっているようですよと説明しました。

「そうですよね、おしゃるとうりなんですよね、まったくそのとうり・・
仕事はちゃんとしていても上司から認められないなんてバカらしいですし
ねー、んんん・・・・・でもな、それだけはできんな・・・」

● 心の中で起きている闘い ●

「んんん・・・・・でもな、それだけはできんな・・」と言っているAさん。
Aさんの心の中では、一体どんなことが起こっているのでしょうか?

Aさんの心の中では、お父さんとの確執があり、あの大嫌いな父親を許そ
うか許さまいかの葛藤があるようですね。
その原因はAさんとお父さんとの闘いです。

一見するとAさんとお父さんとの闘いに見えるのですが、実はそれだけ
はありません。

お父さんとの確執の問題を解決することができない
お父さんを許すのは嫌だと言っているということは、言い換えればこういう
ことが心理的に起きています。

「えっ、俺が・・・・
あの親父との確執を解決するですって・・・・
無理、無理、とんでもないそんなことは俺にはできっこないって。
親父を許す・・・・
無理、無理、そんな自分にはなれっこないって。
そんなことができる偉大な自分にはなれるはずがないって。」

ということが心理的に起きているんですね。
この状況をのりこえられるような自分になることが求められているのですが、
自分にはなれないと言っているわけです。

ということは、Aさん対お父さんとの問題だけではなくて、
今のAさんのままでいたいというマインド 対
この状況をのりこえられるような自分に成長したいというマインド
との闘いにもなるわけです。

Aさんは自分自身と闘う必要があるわけですね。

● 自分のバージョンアップに挑戦 ●

問題を乗り越える、解決する為には、
今のやり方では乗り越えれなかったり、解決できなかったりします。

今のやり方では、今の答えがでてくる訳ですから・・・・

では、ちがう答えをだすには、ちがうやり方、ちがう考え方が必要に
なるわけですね。
例えば、Aさんのお父さんを許すというのは、お父さんへの接し方が
今でと違うやりかたや、考え方になるわけですよね。

そんな、ちがうやり方や、ちがう考え方を取り入れられるような
自分にバージョンアップすることが求められることになります。

でも、私たちには、いろんな理由や、こだわりから、
バージョンアップすることに抵抗がでてきます。
抵抗がでる気持ちは僕も分かります。

でも「私はバージョンアップはいたしません」と言っている限り
問題が解決しないことも確かです。

最初から、上手くできなくてもいいんです。
完璧にバージョンアップできなくでもいいんです。
まずは、問題が解決できる自分にバージョンアップしてみよう。
そこに意欲を向けてみましょう。
挑戦してみましょう。
そうすれば、問題が解決できる自分に近づいていくことができるでしょう。

(文中に出させてもらった例は、Aさんの承諾を得て掲載させて
いただいております。)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。