恐れの心理学~リスク回避能力と防衛によって手に入る物~

恐れという感情は私たちの役に立つ為に備わっている能力であると同時に、私たちを押し止め る力にもなっているようです。そして、その恐れを超えていくことで素敵なもの手に入れられるようです。

今回は恐れという心理についてのお話です。

私たちは「恐い」と感じると、何かをすることに躊躇してしまったり、臆病に
なったりすることがありますね。

また、不安(恐れ)から、ネガティブなことを、いっぱい想像してしまい、
その想像で心身ともにクタクタになってしまうこともあります。

恐れという感情は、そんな、やっかいなものであると同時に、良いところもあ
ります。

恐れというのは、危機管理に関しての能力を持っています。

私たちは痛いとか、嫌な思いとかは、当然嫌ですからなるべく避けたいもので
す。恐れという感情はこの“避ける”ということに関して一役買います。

例えば、あなたが天ぷらを揚げていたとしましょう。
「よぅーし、今日は特大のえび天だー!」と張り切って揚げていたところ・・・

「ぅ熱っちぃ!!!」 と、油が跳ねて火傷をしてしまう。

すると、次から天ぷらを作る時は、油が跳ねないように、火傷をしないよう
に慎重になることでしょう。だって火傷するのは嫌ですから。

油が跳ねたら火傷をすると学習するだけではなく、“恐い”という感情と結び
つくと、火傷に気をつけることに対し、より敏感になります。

敏感なおかげで、天ぷらを作ることに慎重になりすぎたり、苦手意識を持つ
かもしれませんが、火傷をすることが少なくなるでしょうね。

物理的な痛みと同じように、心理的な痛みも同じように、痛い思いをしないよ
うに敏感になります。

例えば、天ぷらでの火傷ではなく、男女関係で火傷をしたとしたら、
次は男女関係で火傷をしないようにと気をつけるよう、心は敏感になるでしょう。

軽い火傷よりも、大火傷であるほど、この気をつけるレベルも高くなりがちです。
また、火傷の回数が多いほど、先ほどと同様にレベルが上がっていきます。

天ぷらの例えと一緒で、男女関係は苦手になったり、安心できにくい物になる
かもしれませんが、男女関係で火傷をすることは少なくなるでしょう。

ということは・・・・
恐れと心理は、もう傷つきたくないという防衛に役に立つ物になります。

しかし、逆に言うと火傷をしない代わりに、何かが苦手になったり、安心でき
なかったりするという状態や、状況を招きやすいものでもあります。

●防衛の心理が作る物

前述のように恐れという感情は、痛い目にあわないように、嫌な目にあわない
ようにリスク回避能力としての役目を持ちます。

リスク回避は良いことなのですが、リスク回避の力が強すぎると問題がでてく
ることもあります。

例えば、商売をする時はお店に商品を出しますよね。

でも、商品を出すと万引きされちゃうかもしれません。

万引きされちゃうかもというリスクを完璧に回避する方法があるとしたら、
どんな方法があると思いますか?

そう!
商品をお店に出さないこと。

でも、商品を置いてないんと商売には、ならないですよね。(笑)

万引きされない代わりに、商品を売るという目的が達成できなくなってしまい
ます。

例えば、恋愛でリスク回避の力が働くと・・・

こちらが好きになりすぎて、相手に嫌われると傷つくから好きになりすぎない
でおこうと、好きになることに心がセーブをかけることがあります。
でも、好きという思いにセーブをかける度合いだけ恋愛はつまらなくなります。

また、付き合っても「この人大丈夫かなぁ・・・?」
「安心してても、浮気とかされて裏切られるかもしれないしなぁ・・・」
とオープンになれず、いつも防御の姿勢で恋愛をしてしまうかもしれません。
その人自身を見ず、恐ればかりを見てしまうかもしれません。

これだと、相手が愛してくれても、その愛を十分に受け取れなくなりますね。

傷つかない代わりに、愛という欲しいものが十分手に入らなくなってしまいます。
傷つかない代わりに欲しい物が手に入っていない状況を招くわけです。

●恐れを超えて欲しい物を手に入れよう

恐れからくるリスク回避力が強いと、傷つかないようにする計画を次々に思い
つくようです。

それは意識できるレベルもありますし、意識できない心のい深いところで起こ
ることもあります。

例えばあなたが○○が欲しい(例:彼(彼女)が欲しい、オープンになれる関
係が欲しい)と思っているのにもかかわらず、手に入っていないという状況が
ある時は、もしかしたら心の中の恐れが邪魔をしてるのかもしれません。

傷つかない代わりに欲しい物が手に入っていない状況を招いているのも困りま
すよね。

そんな時は、自分の心と向かって、心の中の恐れを探っていくといいかもしれ
ません。

例えば、

“○○が欲しいと思っているのにもかかわらず、手に入ってないことに関して、
もし仮に恐れが関係しているとしたら、どんな恐れがあるんだろう?”

と、こんな風に自分に問いかけて心の中を見つめていくんです。

そうして、自分が持っている恐れが見つけかれば、欲しい物を手に入れること
に、一歩近づけるかもしれませんから。

知らず知らずのうちに恐れという感情からリスクを回避するような思考・行動
を取っていたんだと気づくことができると、知らず知らずしていたことが、今
度からは意識できます。

これだけでも、だいぶん違う物です。

そして、自分の中の恐れが見つかれば、「私、恐かったんだなぁ」と感じて受
け止めてあげましょう。

感情は十分に感じて、受け止めていくと癒されていきますから。

カウンセリングでも、欲しい状況を手に入れやすくする為に、心の中を見つめ
恐れや、恐れができる原因を癒していくことが多々あります。

癒された度合いだけ、リスク回避の力が緩み、欲しい物が手に入り安くなり
ますから。

恐れがあるんだなぁと感じて受け止めた上で、欲しい物を手に入れる為に、
恐れに向かっていこうと思う勇気を持ってみるのもいいと思います。

すると、更に恐れといういう感情が緩和されていきますから。

向かっていこうすると、恐いという感覚(ネガティブな感覚)から、
未開の地に足を踏み入れて冒険する時のようなワクワクするような感覚
(ポジティブな感覚)に変わることもあります。

恐れに向かっていく時は、今までの自分から脱出して、更に大きく広がれる
チャンスでもあります。また一つ新しい自分に出会えるかもしれませんね。

欲しい物が手に入っていないなぁ・・・という時は、ちょっと立ち止まって、
“恐れ”という感情が邪魔をしていないかなぁと自分の心の中をチェックして
みてください。

もし、恐れが邪魔していたら、その恐れを受け止めて、向かっていった度合い
だけ、欲しい物が近づいてくるでしょう。

恐れを超えて、欲しい物手に入れる方向に心の力が強くなっていくと素敵ですね。

心の中を見つめる時に一人では難しいなーと感じた時は、僕たちにご相談いた
だければ幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。