感謝の心理学~「ありがとう」は癒しの言葉~

「ありがとう」の様々の効果のご紹介と、「ありがとう」を使ってみた時に、ありがちな罠をご紹介します。

●「ありがとう」の癒しの力●

感謝には癒しの力があります。

感謝には“許し”の成分が含まれていますので、感謝をすると、怒りの感情が
和らいでいきます。

人は感謝している時って、怒っていないと思いませんか?
怒りながら感謝をするというのは難しいものです。
そう!感謝している時は、人は怒りのモードから抜けられているのです。

ですから、イライラや、むかつきなどの、怒りという感情のわだかまりが
ある人との関係性の改善をしたいと思う時は、特に“感謝をしてみよう”と、
意識的に思ってみることをお勧めします。
できたら言葉に出して「ありがとう」を使ってみてください。

許しの成分が効いて、感情のわだかまりが溶けていくでしょうから。

また、感謝するには、相手の良いところを見ないと感謝はできませんよね。
感謝をすると、相手を良く捉えていくようになります。
すると、相手の好感度が、どんどん上がってきます。

特に仲たがいをしている時は、相手の粗を探しがちになりますが、
感謝をしようと意識すると、粗を探す意識から、良いところを探す意識に
切り替えるのに役立つことでしょう。

●「ありがとう」の受け取る効果●

感謝には受け取るという効果があります。

受け取るという効果があるので、「ありがとう」という言葉を使うと、
心が満たされやすくなります。

心を満たして、自分の心を良い状態にしておくのに、素晴らしい効果があります。

受け取るのが苦手なタイプのかたは、「ありがとう」の受け取る効果を上手く
利用するつもりで、意識的に「ありがとう」という言葉を使ってみると良いか
もしれませんね。

心から受け取って、「ありがとう」と言えなくてもOKです。
まずは形から入って、徐々に受け取れるようになるつもりで練習してみてください。

すると、徐々に身に付いてきて、受け取り上手になっていくでしょうから。

●「ありがとう」を伝え続けてみよう●

僕が、カウンセラーになる、ずっと前の話です。

僕は自分を癒すために、あるワークショップに参加しました。

そこで、ロールプレイという手法を使って、感謝をしてみたい人に感謝をすると
いう実習がありました。

感謝をしてみたい人を思い浮かべて、ワークショップで同じグループになった
人に、思い浮かべた人の役になってもらい、その役の人に向かって感謝の気持
ちを言葉に出して伝えるという実習でした。

僕は、『そういえば、母親に面と向かって、“ありがとう”と、あまり行った
ことがないなぁ・・・』と思ったので、ちょっとチャレンジしてみようと思い
ワークショップで同じグループになった人に、「すいません母親役になってい
ただけませんか?」とお願いし、感謝をする実習にチャレンジしました。

母親になってもらった方と向かい合わせになり、言葉に出して
「お母さん、ありがとう」と伝えてみたところに、心が暖かくなり、
涙がポロリ、ポロリとこぼれてきました。それは癒しの涙でした。

初めは、ちょっとチャレンジしてみようと思ったくらいの気持ちでしたが、
実際に言葉に出してみたところ、思った以上に感情が揺さぶられて、
気を抜いている隙に、うっかり癒されてしまったのでした(笑)

僕が参加していたワークショップでは、ワークショップが終わると恒例の打ち
上げがあり、いつも喜んで参加している僕ですが、うっかり癒されてしまい心
が開いていた僕は「よし!お母さんに実際伝えてみよう!」そう思いました。

いつも楽しみにしている打ち上げも断って、足早に一人暮らしの自宅に帰った
のを覚えています。

受話器を取り、勇気を出してプッシュボタンを押しました。

「プルルル・・・」呼び出し音がなっている間、母親が出たらなんて切り出そ
うか考えながらドキドキしていました。心臓は爆発寸前でした。

「はい、もしもし」母親が出ました。
「あっ・・、もしもし、元気?」不自然さ極まりないギクシャクとした話し方で、
まずは挨拶をしました。

そして頃合いを見計らって、伝えたいと思っていた言葉を伝えることにしました。
勇気を振り絞って声にだしました。

「お母さん、今まで、育ててくれてありがとうね」

ここまでは、良い話と思いませんか?

・・・ですよねぇ。

しかし、うっかり心が開いていたのは僕だけだったのです。
僕は、ワークショップに参加して、心が開いていましたが、母親は通常の生活
を送っていたのです。

僕の頭の中では、「お母さん、今まで育ててくれてありがとう」と伝えられた、
母親の反応は感動のシーンになるような反応のはずだったのですが、実際の母
親の反応は、「は、はぁ、うん」とイマイチの反応でした。

まあ、そんなものかと思いつつ、伝えられたことに満足することにして、
電話を切りました。

そして事件は五分後に起こったのでした!!!

ジリジリジリーンと、大きな音で鳴る電話

受話器を取ると、受話器の向こうの相手は母親でした。
切羽詰まったような声で、母親は、僕に、こう言いました。

「裕輝!なにかあったの?」

僕が、何か思いつめて電話をかけたとでも思ったのでしょうか?(笑)

人によれば、「え!どうしたの?熱でもあるの?」とか、
「なにか高いものでも買ったのか?」と言う反応だったりします。

こんな反応だと、せっかく開いた心の扉を、パタン、パタンと閉めて、
台風が来た時のように、窓に板を×点にして釘を打ち付けて、
「もう二度と心なんか開くもんか!」と言いたくなりますね(笑)

しかし、イマイチの反応が示すのは、どういうことかというと、
今まで、あまり感謝を伝えていなかったので、相手がビックリしたということです!

あまり感謝を伝えてなかったので、急に伝えられて相手がビックリしているわ
けですね。僕も、それだけ伝えてなかったのかもしれませんね。

もし、あなたが勇気を出して「ありがとう」と伝えたのにも拘わらず、
相手の反応がイマイチだった時のテーマは、「もう二度と心なんか開くもんか!」
ではなく、相手がビックリして受け取れなかったんだなぁ、ということを受け止め
ることです。

そして、ビックリしないように、相手に慣れを作ってあげることがテーマになります。

そして慣れができて、相手が受け取れる準備ができるようになるまで伝え続け
てみましょう。

3ヶ月くらいは、イマイチの反応が返ってくるのを覚悟して伝え続けてみてください。

少しずつ少しずつ、伝えられることに慣れが出てきて受け取って貰えるように
なるでしょうから。

伝え続けて、受け取って貰えた時は本当に嬉しいです。

「ありがとう」と感謝をされて、嫌な気分になる人はいませんから、
感謝を伝えてくれた、相手からのあなたへの印象は、間違いなく良いものとなります。
そして多くの場合は、相手も、あなたに感謝をしだすのです。

●「ありがとう」を、たくさん使ってみよう●

ありがとう という言葉は聞く方も気持ちがいいですが、言う方も気持ちが良く
なりますね。

気持ちが良いと、相手も自分も、気分が良く過ごすことができます。

言う方も、言われる方も、お互いに気分が良いと仲良くなれます。
ですから、良い関係が作れるわけです。

とても簡単な法則ですね。
しかし、そうは分かっていても、ついつい言い忘れてしまうことってありませんか?
そう考えると、結構、難しいのかもしれません。

ですから、最初は意識して「ありがとう」という言葉を、たくさん使ってみよ
うと思ってみるといいと思います。

僕の経験上の目安のようなものですが、
「ありがとう」を意識的に3ヶ月続けて使っていると、意識することに慣れが
でてきます。もう3ヶ月続けると癖になってきます。
もう3ヶ月続けると、とても自然に「ありがとう」と言葉にでてることでしょう。

よろしければ、お試しくださいませ。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。