ネガティブコミュニケーションの秘訣

誰かにネガティブな事を伝えるのはとても勇気が要りますね。

でも、そうかといってずっと我慢しているのはとても辛いものです。
ネガティブコミュニケーションをうまくやる秘訣は、先ずは相手を怖れない事です。怖れてしまうと、相手にその怖れが伝わって反撃される事があります。次に素直な自分の気持ちを伝える事です。

素直な気持ちは相手に伝わりやすくなります。また、話の中に相手の価値(良いところ)を織り交ぜて話をすると、相手は自分が受け入れられている感じを持ち、話を受け入れやすくなります。また、相手の価値を見ているときは、自分の心も温かくなって、話が穏やかになり伝わりや易くなります。

そして最後に、話した後は相手を信じる事です。相手に不信感を持っていると相手にそれが伝わり、相手のネガティブな感情を呼び起こしてしまいます。また、相手を信頼する事は、自分を信頼する事でもあり、そんな話をした自分を責めないことに繋がります。

◎リクエストを頂きました◎
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近所に、いいなりにならないとひどい陰口をたたく人がいます。
彼女の子供は我が家で、口に含んだジュースを絨毯に吐き出したり、粉々にしたお菓子を絨毯にこすりつけたり、テーブルの上のものをなぎ払ったり、暴力三昧して暴れ放題しますが、彼女は実家に戻った感じで知らん顔です。

子供を叱った私を睨み付けることもあります。
腹が立ちますが、彼女がちょっかいを出してきますし、付き合いをしていかなければなりません。
こんな人と、どんな風に付き合っていけばいいでしょうか?
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誰かにネガティブな事を伝えるって、とても勇気が要りますよね。
いただいたリクエストのように、陰口を叩かれたり、睨まれたり、自分が攻撃されて傷つくのではないかと怖くなってしまいます。
でも、そうかといってずっと我慢しているのはとても辛いものです。

今回は、ネガティブコミュニケーションをうまく行う方法について考えてみたいと思います。

秘訣その1 相手を怖れないこと

例えば、人に愛された事がない野良犬がいたとします。
「シッ、あっちに行け」といつも人から邪険に扱われていたとします。
その野良犬は人から攻撃を受けると思っていますから、人を見たら「うぅぅ~、うぅぅ~」と唸って睨みつけます。その野良犬もとても怖いのですね。
さて、こんな野良犬を見て、あなたはどんな感じがするでしょうか?
あなたもやっぱり怖くなってしまいませんか?
そうなのです。怖れは相手にも移ってしまうのです。相手も怖くなってしまうのです。
ネガティブコミュニケーションをする時には、相手から反撃を受けるのではないかと怖くなる気持ちが出てきますね。そうすると自分の怖れが相手に伝わって、相手も怖くなりついつい反撃してしまうのです。
それを避けるためには、先ず自分が相手を怖れないことですね。

では、どうしたら自分の怖れを取り除けないまでも小さくする事ができるのでしょうか?

例えば、同じホラー映画のワンシーンを見ても、平気な人もいれば、凄く怖がる人もいますね。人の外側にある状況は同じでも、その人その人によって怖いかどうかは異なります。
この事からも、怖れは一見外からやってくるように見えますが実は自分の内側にしか存在しないことが分かると思います。

では、どうやってその怖れを小さくしていけばいいのでしょうか?
それはなぜ怖いか、どうなってしまう事を怖れているのかを自分でどんどん感じていく事です。怖れには殆どの場合感じたくない核になる感情や体験があり、それに自分が囚われることによって尾ひれがつき、段々脹らんでいっていることがわかってきます。怖れと向き合ってそれを感じてみると、不思議なことに怖れはどんどん小さくなっていきます。

秘訣その2 素直な気持ちで伝える

ネガティブコミュニケーションで一番やってはいけない事が、正論を持ち出す事、すなわち自分の正しさを証明しようとする事です。
これを相手側から見れば、「あなたが悪い」と決めつけられているように感じます。
そうすると、「認めたくない」という気持ちが強く働いてしまって、結果的に逆効果になってしまいます。

ネガティブコミュニケーションの目的は、私の正しさを主張することでもなく、相手に勝つことでもありません。あくまで、私の気持ちを伝える事にあるのです。そしてそれを分かってもらう事にあるのです。
その為には、素直な自分の気持ちを伝えることです。
その場では相手に理解してもらえないかも知れません。しかし、素直な気持ちはやがて伝わるものです。

秘訣その3 相手の価値を織り交ぜて話をする

どんな人でも、その人なりのよい部分が必ずたくさんあります。
相手から被害を被っている時はとかく相手の悪い部分しか見えなくなってしまいがちですが、でもその人と接する中でその人の良い面というのは必ず感じた事があるはずです。
できればそれを話の中に織り交ぜながら伝えると、より効果的にこちらの気持ちが伝わります。

これには2つの側面があります。
1つは、相手の気持ちを緩める効果です。
ネガティブな事を伝えられる側の人は、怒られているような感じを持ったり、拒絶されているような感じがしたりします。自分が受け入れられていない感じを持つのですね。

しかし、そこに自分の価値を認めてもらっている感覚や自分のことを分かってもらっている感覚があると、自分が受け入れられている感じになります。
そうすると「う~ん、私の事を分かってくれているこの人の言うことに耳を貸しても良いかなぁ」という気持ちになります。伝えたことが受け入れやすくなるのですね。

もう1つは、自分の気持ちを緩める効果です。
人の悪い部分を見ている時は、自分も何となく不快になります。
不快を感じると、心は緊張してしまいますね。
緊張した状態で話をすると、話自体がとても固くなってしまいます。

そうすると、相手にこちらの気持ちが伝わりにくくなりますね。
しかし、相手の良い部分を見ている時は、自分の気持ちが温かくなりますね。
自分の気持ちが温かくなると、心は緩みます。
この状態で話をすると、話自体が丸い感じがして穏やかになります。穏やかな話は伝えた事が伝わりやすくなりますね。

秘訣その4 話した後は相手を信頼する

話が終わった後は相手を信頼しましょう。
もし相手に対して疑いがあると、相手にその気持ちが伝わって相手のネガティブな感情を呼び起こしてしまいます。

相手が「わかった、そうしようかな」と思っていたとしても、疑いを持たれていたらそうしたくは無くなりますよね。
そして、相手を信頼するということは、実は自分自身を信頼することでもあります。
相手に向ける不信は、実は「あんな話をして良かったのだろうか?」という自身への疑いでもあるのです。
相手がどう感じてどのような行動を取るかは、この時点ではもう自分の問題ではなく、相手の問題になっています。

自分を責めずに、ネガティブコミュニケーションができた自分に拍手を送ってあげましょう。
少なくとも、問題となっていた不快感は小さくなっていると思います。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。