無意識からのメッセージ~睡眠中の夢が教えてくれるもの(2)~

私たちが眠っている時というのは、起きている時の意識の部分が休んでいて、普段はなかなか自覚することのない潜在意識や無意識の層にアクセスしやすい状態になっています。

繰り返し何度もみる夢というのは、とても象徴的な印象が残りやすく、起きた後でも「また同じ夢を見ていた」とはっきり自覚できるようになるのです。
そして、夢に登場する人物や出来事は、実在する(した)ものと一致しているほど、とても印象深く残るものです。

しかし夢解析では、夢に登場する人物や出来事は、すべて一人称であり自分自身に起こっているものの象徴として読み解きます。
夢解析には、ご本人がそれを表現する時のフレーズにとっても重要な意味を持ちますので、そのまま引用させていただいておりますが、みなさん方にとってもご自身でよくみる夢に当てはめてみてみると、潜在意識からのメッセージをご自分なりに理解できるものではないかと思います。

◎リクエストを頂きました◎
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結婚10年目。一昨年待望の子宝にも恵まれ、夫も真面目で優しい人で、裕福ではありませんが幸せに暮らせていると思っています。私は毎晩夢をカラーで見ていてよく覚えている方なのですが、よくみる夢は初恋の人の夢です。その人の事が好きで好きで仕方ないのに、相手はそんな私の気持ちを知りながら、一応付き合っているのに適当にあしらわれている。。というものです。この夢は形を変えながらも、もう15年近く定期的に見続けています。そして、90%常に私が追いかけている形で、好きという気持ちと辛いという気持ちが混合している形です。

実際にはその彼とは一年付き合って高校進学と共に別れ、その後も数年は友人として付き合っていましたが、最終的には、私自身の気持ちの中には裏切られたというか、自身を否定されたような気持ちが残った状態でした。でも、現在こうして結婚もして幸せに暮らしていると思っているのに、いつまでもこうした夢をみるのはどうしてなのでしょうか?見て目覚めた後、昔の事を思い出して辛くなる時もあります。私の両親は私が7歳の時に離婚しているのですが、家族を守ってくれなかった父との関係からも、こういった同じ夢を見続けることへ何か影響があるのか・・といつも考えてしまいます。同じような夢を見続けることの意味、夢への影響など、心理学的にはどういったことなのか教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。

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●同じような夢を見続ける意味

私たちの長い人生の体験の中には、自分がどう望んでも、今はもうこれ以上、続けることができない、諦めなければならないと思うような出来事が訪れることがあります。

そのような時に感じる感情は、成就されないまま未完了な感情として、潜在意識や無意識に抑圧されています。

表面意識では忘れてしまった、あるいはなくなったかのように思われますが、実は保留状態となって、ある一定の時期に潜在意識や無意識に閉じ込められているのです。

これを心理学用語では「抑圧」と表現しますが、感情というインデックスのついたブラックボックスのようなものが、私たちの中には備わっているようなのです。

そして、夢の中で繰り返し何度も出てくるモノというのは、いったん保留状態になっていたシンボルたちが、その夢に象徴される出来事や感情体験となって現れます。

それは、完了の時を迎える準備が整っていることを示す(意味する)こともあれば、今、それらに象徴される課題に取り組む必要があることを教えてくれています。

●夢の中のシンボルの扱い方

夢に登場する人物や出来事は、すべて一人称であると考えます。

今回いただいたリクエストに基づき解説すると、好きな人を追いかけているのも追いかけられているのも“私”ということになります。

もう少し詳しく解析するなら、自分のことが好きで好きでたまらないのに、一方で、自分のことを適当にあしらってしまうことがある、ということを示しているのではないか、というように考えられるのです。

そして、混合している形と表現してくださったように、その時に内面的な葛藤として感じている感情が、実は好きという気持ちと辛いという気持ちになるのではないかと思います。

また、自覚(知覚)された夢の90%が、好きと感じる自分がもう一方を追い掛けている、のだとしたら、自己受容が進んでいるというようにも考えられそうですね(笑)

●夢が差し示す課題の見分け方

たいてい未完了な課題というのは、未完了な感情がその存在を示してくれています。
未完了な感情というのも、たいていネガティブに表現される感情です。

裏切り・自己否定、そして、直感的にこの夢から父親との関係を思い出されていることから、ルーツはその辺りにありそうですね。

ご両親の離婚がきっかけで、父親と離れて暮らしていた。
結果として父は家族を守ってくれなかった。
私は守られていなかったと今でも思っている。

もしかすると、そのことをきっかけに自己否定が始まっていたのかもしれません。

●課題に取り組む

子供のころ、両親の間で起こった出来事は、子供の目線でみたら本当に悲しい出来事だったに違いありません。

では、大人になった今の自分からみたら、その出来事はどう見えるでしょうか?
どう感じられるでしょうか?

こんな風に考えると、今まで気づかなかった問題の側面に新たな洞察が生まれるのではないでしょうか。

そして、ご家族やパートナーを得て幸せな今だからこそ、“父親から守ってもらえなかった私”から“大切な家族に囲まれ幸せな私”と自己概念を肯定的に書き換える時(チャンス)がきているのではないかと思うのです。

そうすると、今回の夢解析では“自己受容”あるいは“自分への許可”という課題の本質が浮かび上がってきそうですね。

許せないでいた問題は、許すことで解放されます。

許しには二つの方向性のアプローチが必要で、そのひとつが、許せないでいた人。
もうひとつが、自分への許しとなります。

気になる夢を見た!という時には、みなさんもまず、こんな風にご自身で文章に書き出してから、自分の内面から発せられている今の課題としてトレースしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

熊谷 佐知恵

恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。