恨みの心理学~自分の人生を生きる~

今回のテーマは恨みです。

出来ることなら恨みはもちたくないものですね。
恨みを抱くことは、激しい感情を伴うものであり、人を呪わば穴二つということわざがあるように、恨んだ相手だけではなく、恨む側の私たちにとってもすごく苦しいものとなっていきます。

恨みをもつことで達成される目的もあるのですが、恨みを持つことが私たちを幸せにすることはないため、リスクが高く決して効果的とは言える方法ではなさそうです。

今回の心理学講座では、恨みの感情はどこからやってくるのか、また何故恨みを持つことが私たちを苦しめるのかなどといった、恨みの力学から、恨んでいる相手を許すとは違った切り口から恨みの手放するためのヒントをお届けします。

◎リクエストを頂きました◎
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私は自ら貧乏くじを引くくせがあり、後で何年もたってからそれが恨み言として頭の中から離れません。
小学生時代に「あんたが居るから父親と離婚できずこんなに我慢しているんだ」と母親に言われて育ってきました。

私に物心がついた頃から、両親は言葉のない冷戦状態にあり、父親への不満をもらし父親を無視するように暗に命令される環境で育ちました。

子供の頃は、母親の自己憐憫の感情に巻き込まれ同調していましたが、成人し、父親に事実関係を確認し父親の人柄を1つずつ知り今では少しだけ歩み寄れる関係になりました。

冷え切った夫婦仲の事情を考えると母親のやりきれない思いやどうにもならない気持ちを外に出さずにはいられなかった事情はわかります。

しかし、私に蓄積された怒りは許容量を越えて怒りを感じるとカラダが痛くなり母親の何気ない愚痴の電話に耐えられず涙が出てきてしまいます。私の恨み言を手放せるようヒントをいただけないでしょうか?
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リクエストいただき、ありがとうございます。
頂いたリクエストを基に、恨みをテーマに講座を進めていきたいと思います。

恨みとは、どこから生まれるのでしょうか?
恨みを持っているとき、人それぞれに事情はありますが、私たちは、どこかで自分に無理や犠牲をしていて、私はこう在りたいとかどうしたいかという思いがありながらも、「私」を生きることが出来ていません。

恨みとは、私はこう在りたいとか、どうしたいという思いがありながらも、「私」を生きることが出来ないことに対する痛みや怒りから、「あなたのせいで私たちは傷ついた」という状況を使って相手を責めている状態をいいます。

恨みから解放されるために、「自分の人生を生きる」ということが一つのテーマになります。
自分の人生を生きるためには、恨みが始まったときの私がどう在りたかったのか、どうしたかったのかいう自分の心の中にあった当時の本当の思いに気づくことが必要です。

なぜなら、その思いが達成されないことが痛みとなり、自分の人生を生きるということに対する諦めを感じたことから、恨むことが始まっているからです。

自分の心の中にある達成されなかった本当の思いに気づき受け容れてあげることができれば、心境に変化も訪れるのですが、達成されなかった思いに気づくということは、自分の中にある痛み(=達成されなかった思い)と向き合うことになりますから、とても勇気が要ります。

また、人に対して恨みを持っているとき、私たちの心はとても強い怒りや悲しみ、寂しさ、悔しさ、惨めさなどの感情が鬱積していますから、私たち自分の本当の思いには気づきにくい状況にあります。

そして、私たちの中にある達成されなかった思いをケアすることよりも、果たせなかった思いや傷ついたことに対して相手を責めることに注力してしまいます。

また、私たちは恨みを持ったり、人を責めたりすることで、自分が悪いように感じて、自分を責めたり、自己嫌悪したりするので、心はさらにパンパンになって悪循環になっていきます。

ここで気づいていただきたいのは、私たちが恨みを持っているとき、私たちは自分も痛みを持ちながら、

「こんなに傷ついたのは、あなたのせいだ!!」

というように相手を責めているということです。
これが何を意味するのかというと、人に対して恨みを持ち続けるということは、自分の痛みを持ち続けることを意味しています。

私たちは相手を恨むことで恨む相手だけではなく、恨んでいる私たち自身を傷つけ続けるのです。
恨みは、私たちのことを決して幸せにはしてくれません。

恨みを持ち続けること…それは私たちが本当に望んでいることなのでしょうか?
違いますよね。
望んでいることと違うことに気づくことができれば、私たちは違う選択をすることができるようになります。

恨みを手放すには、

・恨みを作る種となる痛みをケアしてあげること
・自分の本当に望んでいることを知ること
・自分が本当に望んでいることを選択していくこと ・・・などが必要となっていきます。

私たちが自分の本当に望んでいることに気づくには、恨みを持つことで心の中に鬱積した感情や思いをありのままに受け容れることや、周りの人に受け止めてもらうことで心の中に溜まった感情を流していくことが必要です。そうすると、溜まった感情が流された心には、ゆとりが生まれますから、自分の本当の思いに気づきやすくなります。

そして、自分の本当に望むものに耳を傾けて、望んでいることや自分を大切にすること(=自愛)を選択していくことが自分の人生を生きることになり、そうしていくことで痛みと恨みのループからの解放し手放していくことに繋がっていきます。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。