無口なだけで損をするのはなぜ?~警戒仮説と感情の力学のお話~

無口であることは悪いことではありませんが、一方で「感情表現をしない」ということでもあり、相手にあなたの考えや気持ちが伝わらない状態でもあるんですね。こんなとき人はあなたに対して怖れを感じるもの。心理学で「警戒仮説」と呼ぶ心理作用が働き、あなたはどうしても警戒されてしまいます。

また、あなたが何かしらの理由で自己否定や罪悪感が強い状態であると、対人関係などで周囲の人々の怒りや否定を引き受けてしまう心理作用が働くことがあります。
あなたが自分を許し、自己否定や罪悪感を手放すことができたとき、心は自由になり、あなたが周囲から怒りや否定を引き寄せなくても済むようになっていきます。

◎リクエストを頂きました◎
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心理学講座をいつも参考にさせていただいています。
無口で対人関係で損をしている人に対する講座をリクエストしたいです。
いつも対人関係で自分は緊張して雑談がうまくできなくて無口になってしまい複数の人数が集まると仲間外れになってしまい軽く扱われてしまいます。逆によくしゃべる人が人望を集めます。

無口は損だと感じています。特にひどいことをしているわけではないのに無口というだけでどうして嫌われたり損な立場になってしまうのか知りたいです。無口な人はきっと同じような思いを経験されたことがあると思います。
講座で取り上げていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。
(一部編集させていただきました)
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無口は悪いこと?

ただ無口であるというだけで人から阻害されたり軽く扱われるとすればとても悲しいことですよね。もちろん無口であることって悪いことではありませんから。

それに無口だから人に嫌われるとも限ったことではないのです。例えばとても無口だけれどその佇まいに好感を持たれる俳優さんもいらっしゃいますからね。

ただ、無口であることは「感情表現をしない」ということでもある。そう考えていくといただいたリクエストのような損な立場になってしまう理由が浮かび上がってくるんですね。

心理学では、人はできるだけ驚異を感じたり、嫌だを感じるものと関わると不快に感じることが多いため、未然にそれを防ごうとする心理が働くと言われています。これを「警戒仮説」と呼びます。

これを例えるならば、バラエティ番組の企画にある「箱の中身は何だろな?」によく似ています。箱の中が見えないように隠されていて、その箱に手を突っ込み中身に触って当てるゲーム。箱の中身がわからないからこそ、箱に手を突っ込むことを躊躇し警戒するわけです。そしてとても怖い。たとえ箱の中にはコンニャクのような触っても安全なものが置かれていたとしても、です。

無口であることは、相手に対してあなたが「何を感じ考えているのか分からない」という心理的メッセージを送ることにもつながります。だから相手から警戒されますし、積極的に関わろうとは考えにくくなる。相手にとって恐れを感じる対象になりやすいのですね。

そして私たちは驚異や恐れを感じるものに対して攻撃性を持ちやすくなりますから、時としてあなたに悪意が無くても無口であるだけで攻撃されたり、批判されることが起こりやすくなると考えられます。

こんな時は、もう少し自分を表現することを考えてみるといいでしょう。言葉じゃなくてもいいんです。文字でも絵画でも趣味でもなんでもいい。あなたが何を好み、考え感じているのか?が相手に伝わると、あなたは警戒されることが少なくなっていきますよ。

■怒りや攻撃を引き受ける理由

また別の見方をしてみましょう。心理的に「罪悪感」という感情を必要以上に抱えていると、周囲から攻撃されたり、怒りを向けられることが増えていくんですね。

「罪悪感」という感情は「私が悪い・罪だ」という感覚をもたらします。何かしらの理由であなたの自己否定や罪悪感が強い状態であると、対人関係などで周囲の人々の怒りや否定を引き受けてしまう心理作用が働くのです。

人の感情というものは「より強く引きつけられる方向に流れる」習性があるんですよ。どこか磁石と似ているんです。磁石でもより「磁力の強いもの」の方が砂鉄を引き寄せくっつけますよね。

この磁力が「人が抱えている感情」だとすれば、あなたが抱えている感情が強ければ強いほど「その場にある同じ感情」を引き寄せる力は強まります。

日常生活の中で、あなたやあなたを取り巻く人々は、いろいろな感情を感じ抱えながら生きています。喜び・悲しみ・自信・不安・罪悪感・充実感などいろいろです。

その中で、例えば「罪悪感を強く感じている人」があなただとすると、あなたの日常生活の中にある「罪悪感」という感情は「より強い罪悪感を抱えている」あなたの方向に流れるのです。どこか「他人の感情までをも引き受けている」状態です。

逆に、友人がより強い「喜び」を感じているとすれば、その喜びという感情はその友人に向かってより多く流れていきます。

だから、あなたが人と関わっている時、一人でいる時よりも強い心苦しさや辛さを感じているはずなのです。もちろんあなたが意識的には望んでいないことであっても、です。

しかし、この感情の法則を逆手に取れば、あなたが罪悪感を手放し、ポジティブなマインドになればなるほど、同じものが引き寄せられるということ。自分を責めたり、自分を酷く扱うことをやめた度合いだけ、よりいいものが手に入るというわけです。

人に嫌われる、軽く扱われるという経験はとても辛いこと。時には自信をなくしたり、自分がどこか悪いもののような感覚を覚えることだってあるでしょう。しかしそれは真実ではありません。感情レベルではただネガティブな感情を引き受けすぎているにすぎず、あなたの価値は不変で、そのままで十分なのです。

もちろんあなたが強い罪悪感を感じていることには「理由」があります。そしてその理由は未だあなたの心の中に眠っていて、ずっとあなたを縛り付けています。

あなたがその理由に気づき、自分を許し罪悪感を手放すことができたとき、心は自由になり、より自分を表現できるようになれます。そうなるとあなたが引き寄せる感情も変わり、世界が徐々に変わっていくのですね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。