言動に違和感のある人との接し方~相手の欲しいものをあげてみよう~

違和感のある言動を取る人には、心の深い部分に大きな傷を抱えています

この傷は、小さい頃に刻み込まれた(刻み込んだ)ものなのです。
そしてその心の傷の奥にはその人が“欲しい何か”が隠れています。
その“欲しい何か”が手に入ればその人の心の傷が癒され、違和感のある言動は無くなっていきます。そして、その人が本質的の持っている光の部分が現れてくるのです。
その人が“欲しい何か”をあなたがあげることが、その人との接し方になります。

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◎リクエストを頂きました◎
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姉は、支配欲が強く激しい人です。
幼少の頃から思い通りにならないと何をするかわからないところがありました。
先日も呆れて困り果てました。私の子に私の悪口を言います。
子が親子ゲンカをきっかけに姉の家に泊まる様になり帰らなくなりました。
そのうち、姉から生活金額の請求がはじまりました。
警察署も呆れて「変わった人ですね、生活が大変ならお子さんを返せば良いのに…。日常茶飯事ある家庭の親子ゲンカに口を挟み、兄弟であっても他所様の家庭には口を挟まないのに…。」
と呆れていました。(区役所の家事室、児童相談所も呆れていました)無理難題を言う姉の対処法をご教示お願いいたします。
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お姉さんの行動は通常の方の行動とは異なり、違和感がありますね。
こちらの先入観や観念、ルールに囚われた見方が原因で人の行動に違和感を覚えることもありますが、そうでない場合、違和感のある言動を取る人には、必ずといっていいほど心の深い部分に大きな傷を抱えています。
この傷、多くの場合は小さい頃に刻み込まれたものなのです。いえ、自分の心ですから、自分で“刻み込んだ”といった方が適切かもしれません。

余談ですが、私たちカウンセラーがカウンセリングをする時のアンテナの一つが違和感です。
その人の言葉遣いや行動パターン、お話の内容から違和感を覚えるところを入り口に、その人が抱える心の問題を探っていったりします。

さて、では先ず、お姉さんの心の中に何があり、どうしてそのような行動を取られるのかを紐解いていきましょう。
人が、誰かの悪口を言う時は、その人の心の中に“善・悪”の判断、裁きがあります。
だから「あの人はできていない」とか「そんな考え方では駄目だ」とあたかも自分自身が裁判官か神様にでもなったような感じで裁くのですね。
その人の価値判断の基準が「善・悪」と裁きにあるわけですから、他人のみならず、自分自身も人を裁くのと同じ剣で裁いている訳です。
世の中には完璧な人間などいませんから、この剣を振り回しているということは、自分自身も傷だらけになっているということです。
人は、誰かを裁いている間は、自分を裁かなくて済みます。誰かを攻撃している間は、自分を攻撃しなくて済みます。
誰かに攻撃されるのと同様に、自分を攻撃するととても不快になりますね。しかも、自分を攻撃する時には、人を攻撃する時以上に容赦なく罵声を浴びせますから、相当に傷つきます。自己否定の権化のようなものです。

自己否定は、自分を信じることができない状態ですから、自信もない状態になります。
お姉さんは全く自信のない方というわけです。
人は、自信が無いと、人から認めてもらおうとします。自分で自分が認められない訳ですから、誰かから認めてもらうことで自分は価値がある人間なんだと自己承認しようとするわけです。
人から認めてもらうためには、人の役にたたなければならないと思うわけです。
人を助けたり、人に何らかの形で役に立つような行動をしようとします。

お姉さんは、お子さんを“助ける”という行動を取ることで、お子さんから認められたり、自分は正しい行動をしている、自分は良い行動をしていると自分に言い聞かせて自分の価値を見出そうとされているのです。自分の価値を見出す事に一生懸命な訳ですから、自分がとっている行動がどのような影響を及ぼすかなどということにまで気が回りません。

そして、人に認めてもらおうとする行動は、自分が本当にやりたいことではないので、そのうちに辛くなってきます。がまんしてやらされている感じ、犠牲的な感じがします。
「どうして私がこんなことをやらなければいけないのよ!バカバカしい」という怒りが湧いてくるのですね。
そうすると、今度は自分が勝手に取った行動にも関わらず、その辛さを埋める代償として何らかの形で要求が始まります。
リクエストのケースでは、生活金額の請求という一見合理的な要求です。
これは、自分からお子さんを返すと言うと、自分がとった元々の行動を否定することになりかねないので、自信を失う結果となり、その選択肢はありません。
あくまで、自分の行動は正当化されなければならないのです。
客観的に考えると、お子さんをたしなめて家に帰す方がより合理性が高いはずなのですが、周りの状況や自分の行動が及ぼす影響が見えていない、見ようとしていないのですね。

お姉さんの行動は、お姉さんの潜在意識からの行動なので、お姉さんが頭で論理的に考えてとられている行動ではありません。
なぜか、いつも上手くいかない、なぜかそうなってしまうというお姉さんが持っているパターンから来る行動なのです。
自分の痛みを見て行動している人、このケースの場合は自信が無く人に認めてもらいたいと思うお姉さんの心になりますが、客観的に見ると違和感を覚える行動をとりがちになるのですね。

では、そのような人と関わらなくてはならない場合は、どのように対処すればいいのでしょうか?
もちろん、関わらなくてもいいのであれば、関わらないというのも一つの選択肢ではあるのですが、どうしても関わらなければならない場合についてお話ししますと、相手が一番欲しいものをこちらから差し出してあげることなのです。

リクエストいただいた内容の場合、お姉さんは承認して欲しい、認めて欲しいというのが一番欲しいものですね。お子さんの生活資金も手に入れたいでしょうが、それが一番ではありません。
何か理不尽な気持ちや、負けたような気持ちになってしまうかもしれませんが、ここは子供の喧嘩をするのではなくて、大人の自分を受け容れ、相手のことを理解して相手を承認してあげることから始めてみられるのがいいのではないかと思います。

具体的には、相手のいいところを見て伝えたり、感謝の気持ちを伝えたりということになります。
ここからは相手が変化するプロセスになりますので、相手をコントロールしようとせずに、焦らずにじっくりと向き合っていく必要があります。
人は誰しも自分が変化していくことはとても怖いものです。
それまでの自分の生き方や、やり方を否定しなければいけないような気持ち、負けるような感覚になられる場合もとても多く見受けられます。
様々な抵抗が出てくるので、相手の人が変化できるかどうかも定かではありませんし、変化にどれぐらいの時間がかかるか見通しも立たないというのが正直なところです。

でも、どうしても関わっていかなければならないのであれば、チャレンジしてみることをお薦めします。
その中で、相手の問題ではない、自分の問題も湧き上がってくるでしょうから、ここは自分自身の問題とも向き合って、自分が成長する一つのチャンスになります。
言い換えるならば、私が何をどこまで許容できるか、人としての器をどれぐらい大きくできるかの試練、チャンスなのですね。
リクエストを頂いた方は、お子様がいらっしゃるのでよくお分かりかと思いますが、お子様を育てながら、実は自分自身が大きく成長させられたと感じられたのではないでしょうか。これは、お姉さまを子ども扱いするという意味ではありません。人と人との関わりは、自分を成長させるということです。

さて、リクエストで気になる点がひとつ。
お子様との関係性はいかがなのでしょうか?
お姉さまの家に行かれたお子様とは、その後しっかりと向き合われているのでしょうか?
お子様は、お姉様の家に行くことで、何を訴えられているのでしょうか?
そして、なぜ家に戻って来られないのでしょうか?
ここは、本気でお子様と向き合ういいチャンスかもしれませんね。

最後に、お姉様は、真実の姿という意味で、人が喜ぶ姿を見たい方です。何か、役に立ちたいと思っている方です。
ただ、今ある動機が、言動に違和感を覚えさせる状態になっているのです。言動を歪めているだけなのです。
なぜならば、本質的に人を助けたい気持ちや、人に喜んでほしいという気持ちが無いと、仮にでもそのような行動はできないからです。
その動機・・・すなわち、承認を得たい、自信を持ちたいという動機が変化していけば、とても親切で、愛情深く、接していて心地よい方になられる可能性が大きいことを申し添えておきます。

(完)

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大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。
どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。