物忘れ、うっかりミスが多い

相談者名
あや
初めまして。結婚してから10年ぶりに仕事を始めて、3ヶ月になります。覚える事が沢山あり、速さも要求されますがキツい叱られ方をしながらも、最近やっと何とかやっていけるようになりました。しかし、今週から次の段階の新しい仕事になり、
(前からの繋がりのある作業です)せっかく少し楽になってきた精神がまたスタートに戻った気分でまた苦しい日々が始まりました。ずっと怒られながらやっとここまで出来るようになったのに、また1から振り出し戻った気分で気力が続かないのか、自分でもおかしいんじゃないかと思うほどバカなうっかりミスや物忘れが激しくなって、また怒られ、自信を全く失い、人の目が怖くて萎縮する毎日です。仕事を辞めてしまえば楽になるだろうと思いながらも、辞める勇気がありません。どうかアドバイスをお願いいたします。
カウンセラー
大塚亘
あやさん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

あやさんの文章を拝見して、あやさんがとても頑張っていらっしゃることが伝わってきました。

まず、どんなお仕事でも、はじめは経験ゼロですよね。誰であっても、どんなお仕事でも、
みんな、はじめはゼロからスタートしますよね。

経験がないのですから、はじめは上手く出来なくて当然だと思います。ですから、私が
上司なら、怒るのではなく、仕事を覚えてもらえるように、何度も説明するとか、
少しずつ覚えてきたら、その都度ほめてあげるとか、新入社員が働きやすいような環境を
作ろうと心がけます。

仮に、本当に素質がなくて、この仕事はどう考えても向いていないと分かったとしても、
私なら、怒るのではなく、他の仕事を任せるなど、他の方法を考えると思います。

あやさんは、怒られるのは自分が仕事に不慣れだからだ、自分が良くないからだ、
と思われているかもしれませんが、むしろ、私は、怒る上司や、怒るという指導をしている
会社に、問題があると思うのです。

あやさんがダメなのではなく、会社のほうに問題があるかもしれない、という視点は、
必ず持っておいていただきたいと思います。

あやさんが素晴らしいのは、そんな会社に勤めながら、しっかりと3か月で一定の仕事を
覚えることができたということですね。それは、とても素晴らしいことなのではないで
しょうか。

うっかりミスがあると書いてくださいましたが、私は、あやさんはむしろ仕事ができる方だと
思いますよ。

さて、少し想像してみてくださいね。ある方、仮にBさんとしましょうか。
Bさんが、あやさんと同じ会社に入社したとします。そして、同じように怒るという指導を
上司が始めたと思ってみてくださいね。

そして、Bさんはこう思いました。

「経験のない仕事をはじめたわけだから、できないのは当たり前だよね。それなのに、
なぜ怒られなきゃいけないのだろう」

「普通に丁寧に教えてくれる上司だって、この世にはたくさんいるよね。それなのに、
なぜこの上司は、怒ってばかりなのだろう」

「仕事はもちろん覚えたいけれど、毎日のように理不尽に怒られてばかりだと、やる気を
なくしたって仕方ないよ。この会社は、自分が働くにふさわしい価値のある会社ではない
かもしれないな。辞めたほうがいいのかもしれないな。」

さて、どうでしょうか。あやさんが、怒られながら頑張ってこられた時のお気持ちと、
Bさんの気持ちは、少し違うと思いませんでしょうか。

あやさんには、怒られながら頑張ってこられたときに、

「私が不慣れでダメだから、怒られても仕方ない」

というお気持ちはなかったでしょうか。

しかし、Bさんの気持ちには、「自分がダメなんだ」という気持ちが、全くないんですね。

ですから、理不尽に怒られることに素直に疑問を持ち、Bさん自身ではなく、「怒る上司」や、
「怒る人間を管理職としている会社」に疑問を持つのです。

あやさんが書いてくださった文章の中に、「人の目が怖くて萎縮する」というところが
ありますよね。私は、ここがとても気になります。人の目が怖いのは、会社の中だけ
でしょうか。それとも、会社以外でもそうでしょうか。

また、今の会社に入社してから人目が怖くなったのでしょうか、それとも、もともと
そういうところがあったのでしょうか。

これは私の想像ですので、もしかしたら間違っているかもしれませんが、私の想像では、
あやさんには、以前から人目が気になるというところがあったのかもしれません。

一般的にいいますと、「人目が怖い、気になる」というのは、

「人から責められる、否定される、攻撃される」

という心理であることが多いです。

そして、なぜ人から責められると思ってしまうかといいますと、

「自己否定、自己嫌悪」であることが多いですね。つまり、

「自分はダメだから責められるにふさわしい」

と思っていると、周りの人はなんにも思っていないのに、攻撃してくる人に見えて
しまうのです。そして、人が怖くなったり、人目が気になったりしてしまうことがあります。

もし彼に私の想像が的外れでないとすると、あやさんの中には、以前から「自己嫌悪」や
「自己否定」があったということになります。そして、もしそうだとしたら、そもそも、

あやさんは以前から素晴らしい人間なので、自己否定していたことが誤解だった

ということなんですね。

実際、3か月で一定の仕事を覚えることができたわけです。理不尽に怒られて働きづらい
環境なのに、あやさんはしっかりと成果を上げてきたわけです。とても素晴らしいことだと
思いませんか?

これが、先ほど私が、「あやさんは、むしろ仕事ができる方だと思いますよ」と書かせて
いただいた根拠なのです。

私の想像通りに、あやさんに「自己否定」や「自己嫌悪」があったとしたら、その誤解を
解いていくことにより、うっかりミスや物忘れは少なくなっていくと思います。

そして、あやさんではなく、怒る上司や会社が問題だったんだ、という視点を持ちながら、
今の会社で働き続けてもいいでしょう。

また、この会社は自分が働くにふさわしくない、と思われたとしたら、もちろん辞めて
いいと思います。素晴らしい価値のある、あやさんにふさわしい会社は、他にたくさん
あると思いますよ。

もし、「自己否定」や「自己嫌悪」があったとして、その誤解を解くのが難しそうだと
したら、ぜひカウンセリングを使ってみてくださいね。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー