未消化の感情がもたらすもの~繰り返しのパターン~

私たちは、小さい頃に満足できなかった“未消化の感情”に行動が左右される事がよくあります。
人生や行動のパターンは、根本的にはそれを作り出している感情的な原因があり、自分の認知パターンと相まって心理パターンを作り出し、それが影響している場合がとても多いのです。

私たちの人生や行動のパターンを変化させるには、この感情的な原因である未消化の感情を消化する、もしくは認知を変化させる方法と、行動を直接変化させる方法があります。
いずれの方法も自分と向き合う事が必要になり、自分でなくなってしまうような怖れや、負けるような感じになる場合がとても多くなります。

ただ、今のままのパターンを引きずってそのままいく方がいいのか、それともパターンを変えて人生を変化させる方がいいのかは、その人自身の選択です。
本編では、リクエストをいただいた方の例を取りあげ、その原因と対処方法を述べています。

◎リクエストを頂きました◎
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私はいわゆる助けたい症候群です。
元彼は母親と似た家庭環境で育った人で、とても苦しい恋愛でした。
元彼と別れてからも好きになる人はみんな何らかの「助けてあげたい」部分を持っている人だということに気づきました。

私はきっと母親を助けられなかった代わりに元彼を助けようとし、それも出来なくて、今はそんな彼の代わりに新しい助けて君を探してしまうのかな思います。
色々なカウンセラーの方が書かれている講座の中に、
「助け終わったら、それで安心して離れられる」という心理になる方が多いとよく書いてあるのですが、私にはそうは思えません。

助けてあげたから、代わりに唯一無二の彼からの愛情が、一生ほしい!と思ってしまいます。
これって、なぜなんでしょうか。

私は幼少期、妹よりも母にかまってもらえなかったように思っているのですが、そういう「大事な人を独り占めしたい」という気持ちが織り交じっているからなんでしょうか。
(一部リクエストを編集させていただきました)
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私達は、小さい頃に満足できなかった“未消化の感情”に行動が左右される事がよくあります。

成長すると、その出来事の記憶は潜在意識下に隠れてしまい、未消化の感情のみが潜在意識からふつふつと湧き上がってくる事があります。

そうすると、「どうして私はいつもこうなる(する)んだろう?」と思うような、正に何かに操られでもしているかのように同じ事を繰り返す事になってしまいます。

例えば、同じように苦労する恋人ばかりを選んでしまう、同じような出来事が起こって恋人と上手くいかなくなる、誰かに迷惑を掛けられる、成功を目前にするとそれを壊してしまうような行動をとる、お金にいつも苦労する、そしてそれらが複合しているケースなどがあります。

人生における繰り返しのパターンや行動のパターンは、根本的にはそれを作り出している感情的な原因があり、自分の捉え方や価値観、固定観念やルールといった様々な認知と相まって心理パターンを作り出し、それが影響している場合がとても多いのです。

私たちの人生や行動のパターンを変化させるには、この感情的な原因である未消化の感情を消化する、もしくは捉え方や価値観を変化させる認知的な方法と、行動を直接変化させる方法があります。

いずれの方法も自分と向き合う事が必要になり、自分でなくなってしまうような怖れや、負けるような感じになる場合がとても多くなります。

ただ、今のままのパターンを引きずってそのままいく方がいいのか、それともパターンを変えて人生を変化させる方がいいのかは、その人自身の選択であり、それには「絶対に人生を変えるぞ!」という決意が必要になります。

さて、リクエストをいただいた内容に沿って少し考えてみたいと思います。

私たちは幼少期の頃、純粋に親の笑顔を見たいと思います。

幼少期の子供が描く母親や父親の顔のほとんどは笑顔になっていますね。
しかし、実際の生活では様々な問題を抱えて笑顔ではない親も沢山います。

また、親によっては子供に愚痴をこぼし、子供がその聞き役になることもあります。
親は悪気があってそうしている訳ではないのですが、子供の心にはそれが染みこみます。
そうすると、子供は親が笑顔になるように何とかしたい、力になりたいと思うのです。

しかし、子供の力ゆえ、そのほとんどは成功しません。
失敗感や無力感にもとづく自責の念が生まれ、感情的な部分が残って潜在意識へと落ちていきます。

助けたい症候群は、この失敗感を達成感に変えたい、あるいは無力感を否定して自責の念を払拭したい、自分を認めたいという潜在意識の中の思いが、ことあるごとに影響して、それが出来るような状況を選択するものです。

リクエストをお寄せ頂いた方は、先ずはこの心のパターンが影響していると考えられます。
この部分の影響だけであれば、誰かを助けて目的が成功するか、よほど酷い目にあってもうこりごりだと思うかで、助けたい症候群から脱出することができます。

また、私たちは小さい頃、親に愛して欲しいと思います。それは人間の本能的なものと考えても良いと思います。
そのために、子供なりに様々なことを考え、愛してもらえるような行動をとります。
一方、幼少期の頃の子供の意識の中で、親の存在は絶対的であり、神様にも匹敵します。

従って、「親が愛してくれないのは私に問題があるからだ」と思ったりします。

実際は自分の問題では無いのかも知れませんが、そう思い込んでしまうのです。
そうすると、そこから良い子になるための、自分を殺した“がまん”が始まります。

しかし、親も人間ですから都合というものがあって、思ったように認めてくれなかったり、褒めてくれなかったりします。
そうすると、ますます自分は愛されない子供、自分は悪い子供という事を感じて潜在意識にそれを落としていきます。

事実かどうかは置いておくとして、特に兄弟姉妹の方が親により愛されていると感じると、兄弟姉妹や親に対するコンプレックス(感情の渦)が潜在意識に残ります。

このコンプレックスは兄弟姉妹間の競争を生み、親に対する批判という形になる一方、「私を認めて欲しい」「私を愛して欲しい」「私には愛される価値があることを証明したい」という欲求(ニーズ)を生みます。
この欲求は、それが満たされるまで心理パターンとして現れます。

リクエストをお寄せ頂いた方は、助けたい症候群と親に対するニーズを同時に持っておられて、求める彼氏に常に「親」を投影している(映し出している)形となり、求める彼氏は助けたいと思う部分があり、唯一無二の彼からの愛情を一生欲しいと思われているのです。

すなわち、子供の頃に果たせなかった事に捉われ、常に彼氏の中に親の存在を見ているという事になるでしょうか。

この様な状態を感情の側面から抜け出すには、親を助けられないことが自分の責任であるという捉え方を訂正すること、自分の価値を誰かに認めてもらうのではなく、自分自身で認められるようにアファメーションや自己肯定を行い潜在意識に根気よく働きかけることが必要となります。

ところで、気になることが1つ。当たり前ですが、彼は、男性ですね。
リクエストにはお父様の事が全く触れられていませんでしたが、お父様との関係性について見てみると、意外な新しい発見があるかも知れません。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。