結婚前に話し合って起きたいこと(1)~話し合うことの大切さ~

「結婚は勢い」って言いますよね。でも、勢いで突っ走って後悔することも少なくないようです。「こんなはずじゃなかった」という思いを結婚初日に思われてる方も多いと思うのです。

お互い違う環境で育ってきたわけですから、違って当たり前なんですよね。だから、自分の思いをきちんと伝えること、話し合うことでその違いを乗り越え、理解し、信頼関係を築くことがとても大切なのです。

結婚・夫婦・離婚に関するカウンセリングを多数担当させていただいてきました。
その中で結婚前に知っておけば良かった・・・話し合っておいて良かった・・・という事例にもよく出会います。

そこで今回は結婚前に二人できちんと向き合っておきたい、いくつかのテーマについてご紹介し、結婚後、幸せな家庭を作るための参考にして頂ければと思います。

既に結婚生活を始められた方にとっては「もっと早く知りたかったよ・・・」と嘆かれる部分もあろうかと思います。
しかし、これらのテーマは結婚してから本番を迎えるものばかり。
もう手遅れだと思わずに、今できるところから自分なりに考え、パートナーと話し合いをしてみてはいかがでしょうか?
それだけでもきっと関係性が変わることと思います。

「結婚は勢い」って聞きませんか?

恋愛でもお見合いでも、お互い結婚を意識したらそのまま突っ走るのがいいみたいなニュアンスで聞かれます。
これは結婚について考え始めると怖くて尻込みしたり、逃げてしまったりする心理を付いた言葉だと思うのですが、だからと言って勢いが付き過ぎて「思っていたのと全然違う!」というのも残念ですよね。

特に「結婚式」はとても華やかな気分になれる場所ですから、ドレスや料理、演出、席順など、目の前のことに捉われるあまり、その後の生活についてはほとんど何も考えてなかった・・・なんてお話を伺います。

また、付き合っているときに「結婚すれば何とかなるだろう」と思っているものは、結婚後も何ともならないことが多いですね!
また、結婚すると態度が変わる人がいますが、それも付き合っている間に見抜けた可能性もあったかもしれません。

私も27歳で結婚する時は、深く結婚について考えたことはありませんでした。一緒に生活もしていましたし、そのまま何とかなるんちゃう?くらいの軽い気持ち。
しかし、いざ結婚してみると思っていたことと違うことがいくつも出てきました。

お互いに「居場所」が出来て安心したのか、相手に甘えることが増えました。「これくらいやってくれよ」と妻なんだから、夫なんだから、という意識が出てきてケンカが激しくなりましたし、私たちはよくお金のことで揉めました。独身時代は別々のお財布でしたが、結婚して1つの財布で家計を賄うようになると、お金を使いすぎたり、足りなかったり、といった問題が続出したんですね。

そうした揉め事を乗り越えつつ今に至るのですが、カウンセリングをしながらも、そう言えば自分たちは・・・と振り返ることも少なくありませんね。

キリスト教の教会で挙式を挙げる場合、「婚前カウンセリング」を受けることが義務付けられているところもあります。
私たちはカトリックの教会で挙式しましたので、事前に神父さんから結婚についての勉強会に参加しなければいけませんでした。内容はすっかり忘れてしまいましたが、そうした会に参加することで「あ、結婚するんだ」という意識が高まったのを覚えています。

だから、何らかの形で勉強会でもカウンセリングでもいいので、結婚前に何らかの機会を持つことは大切ではないでしょうか。

話し合うことの大切さ

さて、離婚原因のランキングを見ると圧倒的多数で「性格の不一致・価値観の違い」だそうです。
分からなくもないですよね。お互い違う環境で育ってきた者同士ですし、男と女です。同じところを見つける方が難しいくらいだと思います。

結婚してから「あいつのあんなところがむかつく」という場合も、その多くは付き合っているときから「なんとなく気付いていた」んじゃないでしょうか?
それを「ま、いいや」と看過していたものが、だんだん目を瞑れなくなり、大きくなる、そんなところかもしれません。

カウンセリングでもこのテーマは本当に多いです。
離婚の直接的な原因になることもありますし、表面上はお金の問題なんだけど、そもそもはあいつの性格が気に入らない、みたいな伏線を伴う場合もあります。

もちろん、付き合っている間に相手のすべての性格を見抜くのは不可能だと思いますが、様々な話し合いを通じてお互いを理解しようとする姿勢を作ることは大切だと思います。
とかく日本人は話し合うのが苦手な国民だと言われます。

もともと男性はコミュニケーションが苦手で黙り込んだり、怒ってしまったり、話し合いが成立しないこともありますし、女性は自分の感情を話すことについては長けていますが筋道を立てて話をすることは苦手な方も多く、男女の会話の多くにすれ違いが生まれます。

しかし、結婚が決まる頃は「お互いいい関係を築こう」というモチベーションがかなり高い時期。だから、少々すれ違いが生じていても、お互い頑張って修正しよう、という意欲が高い時期なんですね。

だから、この頃はとにかく言いたいことを言いましょう、とアドバイスすることが多いです。
ケンカになってもいいんです。いや、むしろ、ケンカができるくらい相手に対して真剣になって欲しいんです。

何度も言いますが、お互い違う環境で育ってきた者同士です。ぶつかるのが当たり前。「私たち、全然ケンカしないんです」というカップルの場合、よほどのことが無い限り、どちらかが我慢しているケースが多いと思います。

そうして、ケンカを怖れずに話し合いを続けることで、相手をより理解することができます。
「口では悪いこと言ってるけど、中身はけっこう素直」
「すぐに意地を張るけど、実際は甘えん坊」
「強がってばかりいるけれど、本当はすごく怖がり」
みたいにね。

そんな相手を“大切にしよう”という意識があると、
「本当に言いたいことはきっと違うはず。」
「素直に甘えればいいのにね。」
「私がちゃんとサポートしてあげよう」
みたいな“愛”を示すことができます。

また、結婚前に「話し合うことが二人にとっての当たり前」くらいになっていると、結婚した後も、何か問題があったときにも向き合うことが可能になります。
これが一番のポイントなんですよね。

もちろん、ケンカをしたり、言いたいことを言えば「別れ」や「婚約解消」に至る可能性も無くはありません。
しかし、我慢して「結婚」を目指していても、その後は持ちません。何十年も我慢し続けますか?いつか爆発してしまいます。

だから、一生ものと思って「何でも言いたいことを言い、伝えたいことを伝える」ことはあなたの結婚への覚悟を高めてくれるでしょう。
お互いにその意志を持てば、早くも絆が深く結ばれることになります。
素敵なことだと思いませんか?

この記事を書いたカウンセラー

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