ゆるしと自己受容 ~心の傷は恩恵に変わる~

私たちは皆、「自分は被害者なんだ」という自己イメージや過去へのしがみつきを乗り越える力を持っています。被害者でも加害者でもなく、その出来事をどう「見る」のか。あなたがそれに対してどう向き合っていくのかが全てです。

実際、物事にはいろいろな面がありますね。全体像が見えた時、本当に深いレベルで過去から完全に自由になり、解放されるのです。

私たちは自分自身と向き合う過程において、「感情」という制御不能な生き物を受容してゆきます。そしてやがては、人生最良の友、「恩恵」として感受性をフルに使うことが出来るようになるのです。

今回は虐待にあったご依頼者の方からのリクエストにお応えして、「ゆるし」について、それから感情についてのお話をさせていただきます。

人生最大の問題に本当に向き合うと、才能の泉が湧きだします。諦めないで、そこまでたどり着いてみませんか。

◎リクエストを頂きました◎
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わたしは虐待を受けて育ちました。
母は精神を病んでいたことで突然ヒステリーを起こし、精神的にも肉体的にも傷つけられた子供時代でした。

今は、私も大人になり、当時の母の苦しみも理解できるようになったことと、母から虐待したことについて謝罪を受けたことで、母のことを恨む気持ちは持っていません。

ですが、ふとした瞬間に母から虐待されたことをフラッシュバックのように思い出し、 怒りのような悲しみのような捉えようのない感情が沸き出し、母を罵倒してわめき散らしたくなるマグマのような感情が溢れてくるときがあります。

これはやはり理性では母を許しても、本能では許せないと思っているということなんでしょうか。
こういった怒りにどう対処したらいいのか、心から母を許すことはできるのか、どうかご教示頂けませんでしょうか。

毎日たくさんのリクエストがあることと思いますが、心理カウンセラーの先生の目に留めて頂ければ幸いに存じます。
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リクエストをありがとうございます。今回お答えさせていただく多田陽香です。どうぞよろしくお願いします。

辛い過去を乗り越えたと思っていたのに、何かの拍子に思い出したり、つい身体が反応したりすることは、多くの方が経験していると思います。

私たちが表面意識で理解出来ることと、潜在意識や無意識のレベルで起きていることにはギャップがあるのが普通です。

完全に解放されることや、真に自由になるまでの道中において、私たちは自分自身の心と向き合い、その正体を「見る」ことをやっていきます。

湧いてくる感情に対して、どのように「判断」をするのか?

「痛み」から自分と家族を見るのではなく、また違う見方をすることが出来たら・・どうなると思いますか?

 

自分自身をゆるすこと

「ゆるし」は、やろうと思って叶うものではありません。
本当のゆるしは無意識のレベルで起きることだからです。
知らない間に終わっている、手放されている・・そんな感覚でゆるしは起きるのです。

私たちに出来ることは、今の自分の心理状態と向き合い、不完全な自分自身と仲良くし、あるがままを受容してゆくことです。

頭の中で浮かぶ人は「お母さん」や、その他「ゆるせない人物」かもしれませんが、
意識のもっとも深い層まで見ていくと、私たちは、実は自分自身のことしか責めていないのです。

自分に意識を向けることが一番速い方法なのです。

まずは、「まだあの人を許せない・・」と感じている自分にOKを出すこと、それをやっていきましょう。

 

虐待は、心を抑圧した結果である

虐待やDVなどの行為は、溜まった感情の吐き出し方がわからなくなった結果です。また精神異常も、感情の抑圧や緊張と密接な関係があります。

虐待をしてしまう人の心理状態は、切羽詰まっているのです。
助けがありません。孤立無援に感じる瞬間があるのですね。

「一体何処に自分の地獄を受け入れて守ってくれる場所があるのか?いや、どこにもない。」絶望感と破壊衝動、死の誘惑でいっぱいなのです。

私たちの心はコントロール出来るようで、実際はまったく出来ません。
抑圧したツケは後から払わねばならないのです。

私たちが一時的に隠しおおせたと思っていても、長い目で見ると周りの大切な人たちに重荷を負わせてしまうのです。こうして連鎖が生まれます。

感情を受け止めてもらうことがなかった子は、感情を飲み込んで生きてゆきます。
そうなると、呑み込んできた感情はやがて怪物のように手が付けられなくなり、感情に触れるものを皆、傷つけてしまうでしょう。

感情が怖くなるのです。自然さを止めてしまうのです。

そして我慢強くあることが癖になっていて辞められないという人は、親密感を持つことが難しくなります。
自分自身の気持ちと遠いので、その分だけ他の誰とも遠いのです。

今からでも、日々の気持ちを大切にしてゆくことが重要です。例えちょっとのことであっても。

いい子・いい人でいることよりも、本当の気持ちと向き合うこと。
もう一人の弱っている自分と話をしてみることが、将来の心の健康を守ってくれるのです。

 

女性性のリーダーシップ

心の痛みや問題の原因は、つながりの不足、感情の受容の不足です。
つながりは女性側から与えるとうまくいきます。

男性よりも女性の方が右脳と左脳のリンゲージがしっかりしていて、感情を大切にして現実に生かすことが出来るよう設計されているのです。

家庭内で女性(性)サイドが小さくなって引きこもったり、感性を抑圧してしまったりすると、そのお家では「役割」の要素が強くなり、真のつながりや心の平和から遠ざかってしまいます。

女性性がうまく機能していない家庭環境においては、チーム全員が心の傷を負うのです。

女性性の価値を認めることが出来れば、とてもうまくゆくのです。
偽りの権力や、ワンマン的なやり方は、女性性によって教育されなければいずれ悲劇を生むでしょう。

お母さんが幸せでいる、お家の太陽である・・これにまさる家庭の平和と幸福はないのです。

 

才能はもっとも不足しているところにある

お母さんから虐待を受けて育った人は、男性・女性に関わらず、母性が強い人が多いようです。いいお母さんの才能があるのです。

敏感で、感受性・受容性が素晴らしく、時に超越的なヒーラーになったりすることもあるようです。

女性性豊かな人は、男性社会・世界に対して、多くのことを与えることが出来ます。

その才能を使っていきましょう。
与えることによって、受け取れるようになると、自分の個人的な体験には囚われなくなります。

虐待をした「誰か」よりも、虐待が起きる「メカニズム」や「システム」そのもののほうに興味を持つようになるでしょう。

出来事の被害者として感情的になるのではなく、「メカニズム」の破壊のため、いわば”悪霊退散”のために、あなたの感情のパワーを使うことも出来るのです。

それもまた女性性のリーダーシップであり、あなたの感受性が光となってチーム全体を守るのです。

感情のパワーは時々私たちを怖がらせますが、それをどのように行使するのかが大切。
判断せずに受容することが出来た度合だけ、それはかけがえのない恩恵となるのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

多田 陽香

対人関係、恋愛、個性、才能、感情の問題など、様々なお悩みに対応するベテランカウンセラー。 深い意識を熟知し、問題を根本解決へと導く。 世界各国で長年にわたり精神世界を学ぶ一方、大手芸能事務所の番組制作協力をワンクール担当する等、豊かな感受性を生かしてカウンセリング生活を楽しんでいる。