息子との旅 ~体験は自信を生み出すのです~

 今年の夏休み、息子と二人で7泊8日の「男二人旅」に出かけました。
息子の自転車と私の自転車を愛用のキャンピングカーに乗せ、車中泊中心の気ままな「旅」。私の実家のある徳島に立ち寄り、瀬戸大橋を渡って、山口から九州に渡り、最後は別府から大阪に向かう「さんふらわぁ」という大型フェリーに乗るという大まかな予定を立て、途中で寄る予定にしていた「スペースワールド」のホテルと帰りのフェリーだけは予約しておいたものの、それ以外は、泊まるところも特に決めずにでかけました。
 私も息子もこんなに長い時間、二人だけで過ごしたことはありません。出かける前、ワクワクと同時に少し心細げな息子。「ママも一緒じゃないの?」と不安そうに言ったりもしていました。
 私は、といえば、息子に何を見せてやろう?何を体験させてやろう?と出発前の1ヶ月、インターネットとにらめっこの日々。
 そして、旅は始まりました。
 最初に訪れたのは「秋芳洞」。ここには、冒険コースというのがあったので、そちらにも挑戦。怖がりながらもちょっとした崖を登りました。
初めての鍾乳洞に、ドキドキしながら少し緊張していた息子は、この「冒険」をクリアーして、自慢げな顔で「秋芳洞」を後にしました。
 次に立ち寄ったのは「スペースワールド」。私としては、宇宙に興味を持ってもらいたいなぁという期待があったのですが、息子は「プール」がお気に入り。1泊2日の大半をプールで過ごし、すっかり日焼けしてたくましい姿に・・。
 そして、今回の旅で、私が息子を連れて行ってやりたい!!と思っていた、阿蘇山に向かいました。
ここは、わたしが子どもの頃、私の父が私をつれて来てくれた思い出の場所。今回の旅の原点は「子どもの頃の父との旅」だったのかもしれません。父と二人の旅の中で、父に一人前扱いされたことは、その後の私の「自信」になったんだなぁ・・と、息子と旅をしながら、そんなことを思いました。
 阿蘇の火口の大きさに驚く息子。普段、都会で暮らしている息子にとって、見るもの全てが「驚き」の連続のようでした。
阿蘇からの帰り、山頂から下の県道まで、息子は自転車で下りました。
その息子の後ろをキャンピングカーで追走しながら、後ろ姿のたくましさに息子の成長を感じました。
去年の今頃は自転車に乗ることもできなかった息子が、颯爽と自転車で山を下っていくのですから・・
 サービスエリアに車を止め、車中泊をしているときのことです。
「パパ、見て、すっごい星。」「大阪ではこんなに見えない!!」とはしゃぐ息子の声に、空を見上げると満点の星空が広がっていました。
「百聞は一見にしかず」といいますが、実際に自分の目でみて、触れて、体を動かして・・と体験することは、想像以上に息子の心に響いたようでした。
 帰りのフェリー、疲れてすぐに眠るだろうと思っていた息子ですが、初めて大勢の見知らぬ人のいる場所で眠ることになったせいか、夜中になっても、全く眠ることができずにいました。
(ツーリストというクラス・いわゆる雑魚寝)息子のことを気にしながらもウトウトしていた私に、明け方になって、息子の声が・・・
「パパ、お風呂行ってくる」
そう言って息子は一人で船内のお風呂に一人で入りに行きました。
どこに行くにも、「パパついてきて」と言ってばかりの息子の、この行動に、ただただ驚くばかりの私。たった一人でそんな行動ができるようになるとは!!息子の成長をもっとも感じた瞬間でした。
 旅に出る前の息子は、新しいことには後向きで、なかなかチャレンジしようとしませんでした。
ゆっくり成長するタイプの息子は、保育園や学校の生活の中で、「出来ない自分」をいっぱい感じて、すっかり自信をなくしていたのです。
でも、今回の旅で、いろんなことを体験するようになってから少しずつ前向きになってきました。
もちろんチャレンジは成功ばかりではなく、失敗することもありましたが、失敗してもやり直せばいいことや、やり遂げたときの喜びを旅の中で学んでいったようです。
 自信をなくしているとき、私達は失敗を怖れて、新しいことにチャレンジできなくなります。
でも、簡単なことでもいいので、何かにチャレンジしてみると、「できた」という達成感や自信を感じることができます。
 「自信は経験からしか作られない」とも言います。
逆にいえば、体験することで自信をつけることもできるのです。
 みなさんも、ほんの少し勇気を出して、簡単なチャレンジをしてみませんか?あたらしいあなたに出会えるかもしれませんよ。
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