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Lecture.894

癒着を理解し、手放す 〜私の人生を生きるために〜

講師:浅野寿和

「癒着」とは、私と誰かとの境目がわからなくなってしまい、相手の感じている感情を自分のものと感じていたり、相手を一人の人間として認識できずにまるで自分のことのように感じたり、時には扱ってしまう状態のことを言います。いわゆる「しがみつき」のことです。癒着を表す比喩としてよく用いられるのが「まるで二人が接着剤でくっ付けてしまっているような状態」というもの。
癒着のあるところでは、どこか自分の気持ちや、望み、生き方やその価値観などが、「自分でもよくわからなくなる」のです。それゆえに、誰か(例えば家族や両親、特に母親)の目を意識しすぎて、自分のとりたい行動をとれずにいたり、言いたいことを伝えることが難しくなる、などの生きづらさを作ることが少なくありません。だからこそ、あなたの人生のために、癒着を理解し手放すことは大きな癒しになります。

Keywords
癒着 罪悪感 怖れ 理解 感謝

◎リクエストを頂きました◎
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私は今母と二人暮らしです。私は母が、重荷です。昔から苦労の話しかしなかった、私らを否定し、褒めなかった。優しいし誠実な人でもあるんですが。あと、私は母の苦しそうな所、気弱になるところを見ると、妙な不安があり、どうにかなりそうです。
私、自分の人生を生きたいです、自分の思う幸せな暮らし方をしたいです。
母は私に癒着している、私も母に癒着している、と思います。
他人のように、考えてみればいいのでしょうか?何が、抜け出すカギなんでしょうか?
(一部内容を編集させていただきました)
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■「癒着」とは、私と誰かとの境目がわからなくなってしまい、相手の感じている感情を自分のものと感じていたり、相手を一人の人間として認識できずにまるで自分のことのように感じたり、時には扱ってしまう状態のことを言います。言い換えるならば「しがみつき」とも表現できるかと思います。

そこで癒着を表す比喩としてよく用いられるのが「まるで二人が接着剤でくっ付けてしまっているような状態」というもの。

癒着のあるところでは、どこか自分の気持ちや、望み、生き方やその価値観などが、「自分でもよくわからなくなる」のです。それゆえに、誰か(例えば家族や両親、特に母親)の目を意識しすぎて、自分のとりたい行動をとれずにいたり、言いたいことを伝えることが難しくなる、などの生きづらさを作ることが少なくありません。

よって、私達カウンセラーは、この癒着が心理的な理由で起きている問題があるとしたら、その癒着を解消し手放すことをおすすめすることが多いものです。

ただ、そもそもこの癒着はなかなか手放せず、問題が慢性化することも少なくないのですね。


■癒着を作る感情としては、罪悪感(〇〇すると悪い気がする)、怖れ(〇〇にしがみついていないと怖い)、孤独感(誰もいなくなるような気がする)など様々な感情が挙げられます。

よって、なかなか「癒着している」事に気づいても「癒着を手放す」となると、ココロが苦しくなったり、ひどい罪悪感やそれゆえの葛藤を感じたり、不安、漠然とした怖れを感じることもしばしば起こります。

少し想像してみてください。

あなたがもし何かしら「しがみつかなければ不安だ」と感じているとて、そのしがみつきを手放したらどうなると感じるでしょうか。

そしてあなたの周囲に、「そんなに不安なら、しがみついていいよ」とあなたに伝える人がいたならば、あなたはそのしがみつきをやめるでしょうか?

きっとやめないのです。

つまり癒着を維持することは、自分が不安を感じないための補償行為(埋め合わせの行動)となっている事例も散見されます。

そしてそこに癒着する理由が生じます。

典型的な例としては「家族(親)を見捨てるようで、家から出られない」。見捨てるわけではないのですけれど、そう感じてしまうところが、癒着の問題の厄介な部分です。しかしその思いの根っこには「自分が不安」「自分が罪悪感を感じる」といった部分が隠れていることが多いものです。だから家族や親を信頼するという発想が生まれないんですね。


■さて、よく癒着があるところで、私達が何故か選択する行動の一つに、「人を嫌う・無関心になろうとする」というものがあります。

「あの人を嫌いになれば、他人のように思えば、距離が取れる」と思うからですね。

しかし、実際は家族や親に対する恨みつらみやわだかまりを抱えていることも多々あり、その思いが癒着をさらに強める理由にもなるんです。

例えば、ちゃんと愛してくれなかった、大切にしてくれなかった、私の事情を理解してくれなかった、私が思う理想の親ではなかった・・・そんな親に対して負の感情を持ち、時には恨みつらみを抱えていれば、「癒着を作る感情」が強まるからですね。

だからこそ、あなたの中に「本当は愛してほしい」「理解してほしい」という思いが残り、親と距離を取ったとしても、また別の人に対して癒着してしまうこともよくある話で、結果的に何かに対するしがみつきがなくなるわけではありません。

だから、ちゃんと癒着を理解し、卒業することが、あなたを自由に、楽にすることにつながりますね。


■では、癒着やしがみつきを手放すために必要なことはなんでしょうか?

一つは、あなたの中にあるわだかまりを解消することです。癒着を作る原因となっている「不安・罪悪感・怖れ」などを感じている自分を見つけて、解放していくこと。

代表例が、いわゆるインナーチャイルド的なイメージで、その内面にいる私と対話をしたり、イメージを使って触れ合い繋がることです。不安などを感じている自分を責めず、まず私を見つけて肯定してみることですね。それが感情やわだかまりの解放につながることも少なくありません。


一つは、理解です。人は常に完璧でいられるわけではありません。相手がわたしを愛してくれなかったという被害者意識を一旦横において、相手がなぜ私を愛せなかったのか?理解できなかったのか?を理解していくことです。

逆に、あなたを愛せなかった人をいつまでもあなたが責めていると、あなたが「あの人のようにはならない」と自らに無理や制限を強いたり、自らに「理想」をあてはめて締め上げていくようになりますので、あなたの生きづらさが増すことも多いもの。この理解はあなたのためになされるものだと思ってみるといいでしょう。


一つは、感謝です。感謝は相手だけでなく自分を許す行為でもあります。理解した相手の事情を元に、あなたがその相手に伝えたいことをちゃんと表現することです。特に感謝をする行為は、あなたがあなた自身を負の感情から解き放ち、癒着の理由となっている感情を手放していくことにもつながります。


これらは「私がよりよく生きるために」行うと良いことで、いわゆる道徳的な観点だけで行うとわだかまりが消えないこともあります。もしあなたが癒着・しがみつきを手放したいと思われるなら、自分を解放するために実践してみてください。

すると、あなたのココロが「誰かのせい(影響)」ではなく、「自分として生きる」方向を捉えやすくなっていくでしょう。そして、癒着を手放したとき、あなたは自分自身の心に大きな自由を感じられるでしょう。

ぜひ諦めず手放しのプロセスを歩んでいただければ、と思います。

(完)


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