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Lecture.886

葛藤がなくならないのは本当の気持ちに気づけてないから?〜完璧主義に気をつけて自分を認めてあげるアプローチ〜

講師:池尾昌紀

私たちが普段、考えたり、感じているというのは、自覚できている表面意識でのことで、自分で自覚していない気持ちが心の奥にあることがあります。
私たちの心が苦しい時の一つは「わからない」ことなので、心の奥にある気持ちに気づくだけでも楽になれますし、気づけばそれを変えるための行動に移すこともできるようになります。
しかし、心の奥にある気持ちに気づくことが、全ての解決方法ではありません。
今感じている気持ち、そのままの自分を認めてあげることも大切な方法です。
気持ちが沈んだり、落ち込んだり、憂鬱になったり、葛藤したり。人である以上、こうしたネガティブな気持ちになるのは自然なこと。まずはこうした気持ちを認めてあげましょう。
次に、今までがんばってきた、努力してきた自分を認めて、褒めてあげます。そこには必ずベストを尽くした自分がいます。
できなかった自分に目を奪われると完璧主義に陥りやすくなり、自分を認められなくなることに気をつけて、自分の価値をみてあげることが気持ちを楽にしていきます。

Keywords
葛藤 ありのまま 完璧主義 自己価値 自己承認 

◎リクエストを頂きました◎
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「きくまる」の池尾カウンセラーのお話がユーモラスで腑に落ちることが多くお世話になっております。その中で「表面で感じてる気持ちと本当の気持ちは違うから葛藤が起こる」とありました。

十年来カウンセリングサービスさんの心理学はじめ、色々な方法で自分の声を聞いてきました。結果的に心が柔軟になり人とも心の繋がりを持てるようになり、最愛のパートナーや自分の感性でやれる仕事と出会い、幸福な今を送れています。

しかし気持ちが沈みやすいところは変わらずで、それは、「自分のことをわかっているようで、わかっていない」せいなのでしょうか?
「自分の本音を知ると葛藤がなくなり楽になる」ということをうまくイメージ出来ないのです。

最近の私の場合、SNSで友人の子供の写真や、映像や街で幸せな家族の様子を見聞きすると憂鬱になります。
つい最近まで仕事第一でそんなことは感じませんでした。
それまで切り捨ててきた将来や家族への願望が出てきたのかな?本当は仕事くらいに欲してるのかな?と思うようになりました。
自覚はあるのに、葛藤は相変わらずなのです。
ということは、その気持ちは表面的なことで、その下にさらに本当の気持ちがあるのでしょうか?
(一部リクエストを編集させていただきました。)
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私たちが普段、考えたり、感じているというのは、自覚できている表面意識でのことで、自分で自覚していない気持ちが心の奥にあることがあります。

その代表的なものが「怒り」の感情。
例えば、夫が浮気をした!と怒っている時。
誰に相談しても夫が悪い!わけですし、自分でも相手が悪いのだから怒っていい!と自覚しながら怒っています。
しかし、どれだけ友人が一緒に怒ってくれても、夫が平謝りに謝っても、心のモヤモヤが取れない時があります。

これは、夫を怒っている気持ちの下に、本当の気持ち「夫が浮気をした原因は、自分が悪かったのではないか」という自己攻撃が隠れている場合があるからなのです。

一番の苦しみは夫への怒りではなくて、この自己攻撃だったりします。
そうした場合は、この自分を責めている気持ちに気がつかないと苦しみはなくなりません。

自分を責めてるんだ!と気がつくことで、夫を責めてるだけではなくならなかった苦しみの理由がわかり、それだけでも楽になるのです。

◎夫婦の怒りについての詳細は以下の記事をご覧ください。

>>>夫婦における怒りの心理学
(http://www.counselingservice.jp/lecture/lec777-1.html)

こうして自分の本当の気持ちを知ることで楽になることもありますが、別のやり方、今の自分を認めてあげることが有効な場合もあります。

人である以上、どれほど癒しが深くなっても、ネガティブな気持ちはなくなりません。

「葛藤すること」「気分が落ち込むこと」は人として当たり前のこと、と認めてあげること。

そして、ネガティブな側面を見るのではなく、今、ベストを尽くして自分の内面と向き合っている自分を認め、褒めてあげることが大切な視点になります。

ご相談の事例で言えば、今までの努力とたくさんの気づきの上で、今、幸せであるという事実が、素晴らしい成果であること、ここまでがんばった自分を認めてあげてください。
しかも、ここまで自分に向き合ってきて、今もそれを続けているのです。これは本当に素晴らしいことです。

葛藤や落ち込むのは人として自然なこと。自分の努力と成果を認めてあげること。まずはいつもここに戻っていこうと思ってみてください。

そして、今、憂鬱になる気持ちを自分の内面に求めるやり方ではなく、そのままを感じてあげる、認めてあげるやり方でやってみてください。

このやり方で、今の葛藤や憂鬱さは減っていきます。

なぜなら、これらのやり方は「今の自分の価値を認めて、自分にオッケーを出してあげられている」からです。

「気づきを得る」という点で、自分の内面と向き合うやり方はとても大切なものです。しかし、時に、完璧主義になってしまっている可能性があることにも注意が必要になります。

完璧主義にはまってしまうと、少しでもできていないことで自分を苦しめてしまい、せっかくいいやり方をしていても逆効果になることもあります。

ベストを尽くしている自分、自分にオッケーを出してあげることは、自分らしさを認めてあげていることになるのです。
うまくやれることも、やれないことも、どちらも大切な自分。

そう思えた時が、自分らしさ、ありのままの自分でいられる時なのですね。

もし完璧主義にはまってしまっているのだとしたら、そこには自分の価値を正しく認識できず下げてしまっている可能性があります。

自分には価値がない、と思っていると、自分はしっかりしないとダメになる、とか、できていないと認めてもらえない、という思いから完璧主義になってしまうからなんですね。

そうであるならば、自分に価値をみてあげることが大切なアプローチになります。

自己価値を正しく感じることはとても難しいことなので、他の人に教えてもらうことが有効です。パートナーや信頼できる友人などに自分のいいところを聞いて教えてもらい、それを自覚してみようと思ってみてください。

何よりも、先ほど書かせていただいた「自分にオッケーを出してあげる」アプローチが自分に価値をみてあげられるやり方になります。

必要を感じられるのであれば、なぜ自分に価値をみてあげられなくなったのか、その理由を過去や生い立ちに求めてみてください。

その過程の中で、今まで自分では気がつかなかった本当の思いに気がつき、楽になることもあります。

でも結局のところ、この時、気づくのは「自分の価値」です。

葛藤とはある意味、この自己価値に気がつけていないことで起こることであり、自分の本音を知るとは自分の本質を知る、つまり、愛情や優しさや温かさを持っていることを知ること、ともいえるでしょう。

自分の価値に気がつけば、葛藤をする自分を認められ、そのままの自分を認められ、人生はとても楽に幸せになっていけます。

実は、ご相談くださった方が取り組んできたことは、こうした自己価値回復への道でもあったはずです。

自分の努力と成果を認め、さらに自分の価値を知っていこうと思ってみてください。

(完)


関連する講座へのリンク集
777-1.夫婦における怒りの心理学(1)
648.「面倒臭い」のは「自分に厳しすぎるから」〜あなたは完璧主義かもしれない〜
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