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Lecture.764-2

ココロの「弱さ・欠点」の扱い方(2)〜弱さは親密感を呼びこむツール〜

講師:浅野寿和

私達にとって自分の弱さは忌み嫌われがちですが、あまりに隠すと実はあなた自身のことを正しく伝えないどころか、逆に疑われてしまったり、いい印象をモタれないことがあります。それぐらい私達にとって弱さは当たり前に存在するもので一方的に否定し嫌うものではないんです。弱さは逆に魅力の大切な一つの要素。強さと弱さのバランスで私達の心はできていますし、弱さがあるから人はその弱さを愛することができます。そう考えると弱さは時に人に安心感や親密感を与えるものなんですね。

Keywords
弱さ 分離 怖れ 親密感 あなたらしさ 

■さて、前回お伝えしていました「自己アピールをしすぎて面接がうまくいかなくなっていた」Aさんの事例。

僕がご提案した方法はこんな感じでした。

「スイカに塩、じゃないですけど、あなたの素晴らしいトコロ+自分の課題やテーマもお話になってもいいかもしれませんよ」

その方は面接がうまくいかない分だけ必死に強気で自己アピールされますし、誰よりもやる気や情熱を全面に押し出して「一生懸命頑張ります!」といつもお伝えになられていたようです。

でも、それがAさんの状況にとっては逆効果だったようなんですね。


例えば、Aさんが誰かと話し合い、相手に興味や評価をもらおうと思った時。

相手がAさんと同じ意見や興味を持っている場合は、Aさんの「自分を全面に押し出すアピール方法」はとても有効なんです。

だから、相手方がAさんをよく知っていたり、Aさんに強く興味を持っているなら既に面接はパスしているはずですよね。

が、そうではないとすると、Aさんはもっと別の自己アピール方法をしたほうがいいということなんですよね。

どうもAさんにとっての面接って、相手方はAさんの長所や強みも知りたかったのでしょうが、逆にAさんの人柄なども知りたかったのかな?と思うんです。Aさんがどれだけ自分を客観視できるか?という部分を含めて、相手に違和感なく分かりやすくAさんのことを相手に伝える必要があったんです。

もちろんこの自分を全面にアピールする方法が良かれと思いAさんが行ったこと。

ただ、特に人と人との間であまり相手のことがよく分からない状況では、「強さと弱さ」の両面を見せるほうが相手にとってその人がよく分かり、親密感を感じてもらいやすいという傾向があるんです。

どこかAさんの素晴らしさの一面だけ伝えてしまい、Aさんをよりバランスよく伝えていなかったようなんです。

そうだとすれば、とてももったいないことですよね。


■私達には強さがあるように、弱さがあって普通です。

では、そもそも私達の弱さってなんのためにあるのでしょう?

私達の学ぶ心理学では「弱さ」って魅力の一つだと考えています。

特に、「弱い」「丸い」「柔らかい」って、私達にとって安心感や親密感を感じさせるものでもあります。何より人に脅威を感じさせない要素の一つです。

例えば極端な例で言えば「赤ちゃん」。もう見るからに弱いですよね。一人で生きていけないほどに弱く何もできません。でも可愛いんです。ただそこにいるだけで人を笑顔にし、いい気分にさせる力をもっていますよね。

また、弱さとは「あなたを誰かに愛させるためにあるもの」とも考えられます。弱いから愛される。あなたがただ強さだけで出来ている人ならば、あなたにとって人は必要なく、あなたを愛する人もあなたを愛することができません。お互いの強さがぶつかって競争になるか、愛することに無意味感を感じてしまいます。

ただ、例えば「弱さを嫌って自立して生きている人」にとって、弱さは「忌み嫌うべきもの」「駄目になる理由」になってしまうことがあって、そういった人から私達は弱さを指摘され責められることがあるかもしれませんが、それすなわち「弱いからダメ」というわけではなさそうです。

例えば、仕事でいい加減な仕事をして責められたり、うまくいかないことで叱責を受けるとすれば、それは弱さというよりも、その仕事の結果を見ていろいろな指摘されているわけなんですが、あなたも相手もお互いに弱さを行けないもの、嫌いなものだとしていると、当たり前のように「弱いからダメなんだ」という認識がそこで共有されてしまうものです。

また私達は子供時代にもこういった弱さを指摘され否定されるような経験を します。その一例がしつけでもあり、どこか今の自分(弱い・何もできない) 自分では愛されない、欲しい物も手に入らない・・・などと感じやすいもの。

もちろんこう思い頑張ることも一人で生きていくために必要なことなんですが、大人になってからもこの発想ばかりに囚われてしまうと、自分の欠点や弱さばかりに意識が行ってしまい、あなたの魅力を発揮できないどころか、あなたの魅力の要素を隠してしまうことにもなりかねないんですよね。

例えば、自分の弱さを嫌うがあまり、人の弱さが許せなくなったり、人に過剰に厳しくなり、対人関係がうまくいかなくなったり、自分の努力ほどの評価や人望が得にくくなるといった事も起きますし。

あなたが弱さを必死に嫌っていると、弱い自分を責める事が多くなり、感情的には「怒り」や「攻撃性」を持っている状態になることが多いので、人から「怖い」「近づきいくい」「難しい人」といった印象を持たれることもあって、なかなかあなたの真実や良い部分が伝わりにくくなるなんてケースもあるようです。

ここで大切なことは「強い=良い」「弱い=悪い」という観念を手放すこと。

どちらが良くてどちらが悪いということではない、と、もう一度新しい観念を作ることなのですね。

そうやって意識を変えながら心のバランスをとることが、より良い自己表現や楽な生き方につながっていきます。

>>>『ココロの「弱さ・欠点」の扱い方(3)〜弱さを受け入れているようで受け入れていない状態〜』に続く


関連する講座へのリンク集
183.弱さを受け入れて手に入るもの〜優しさの成長〜
288.自立の人にとっての“受け取る”〜本当の意味で受け取る為に〜
555-4.信頼の心理学(4)〜強さ、そして、プロセスへの信頼〜
717.無理をすることから生まれる弊害〜隠している自分を愛でよう〜
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