私達人間は、頭でわかっていても、出来ないことがあります。
そんな時は、心に何らかのやりたくない、出来ない理由があるのです。心の声を無視して、頭で考えていることを実行しようとしても、心の方が頭よりもパワフルなので、考えているようにはできないということが起こるのです。そんな時は、思考で心を納得させよう、抑え込もうとするのではなく、一旦心の声に耳を傾けてあげることが大切です。
そうすることによって、自分に必要なものや、自分が好きだと感じているものを発見することができます。その上で、思考によって、それを手に入れる方法を考えると、頭と心が一致して、事を簡単にすすめていくことができるようになります。起こっていることを、ダメな事だと否定するのではなく、受け止めた上で、心の声に耳を傾けてみましょう。
◎リクエストを頂きました◎
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 結婚して10年、同じ年の主人と私と9歳の娘と5歳の息子の4人家族、共働きの兼業ママです。
実はこの半年くらいまえに特別に意識してしまう男性が現れてしまいました。
 年齢は私の半分くらいの男性です。
頭ではそんな感情を持ってはいけないとわかっているし、自分で頭がおかしくなったのかとも思います。
 けれど、打ち消そうとしても彼のことばかり考えてしまいます。
 彼とどうこうなりたいと考えているわけではありませんし、そんなことはあり得ないことは百も承知です。
 ただ、彼と話をしたりすることがとても楽しく幸せを感じます。
最初は一時の気の迷いで、時がたてば、彼への気持ちも薄らぐのかと思っていました。
 理論や理屈が大好きな私が、理屈で説明できない感情に陥ってしまっています。
 自分の頭と心がコントロールできません。
 頭で否定しても心が彼に惹かれてしまっています。
 心理的にはどのようなことなのか、知りたいと思い投稿させて頂きました。
(一部リクエストを編集させていただきました。)
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私達が、何かに惹かれていくとき、頭で考えて惹かれていくのではなく、心が惹かれていきます。
 その心の動きを、頭で何とかしようとしても、なかなか難しいものです。
リクエスト下さったかたも、頭(思考)と心(感情)が、別々のことを感じているので、とても苦しい状態になっておられるようです。
思考では、「家庭があるのに、年下の男性に心が惹かれるなんて、私はおかしくなってしまったのかもしれない」と考えます。
 しかし心では「彼といると楽しい、話をするだけで幸せ」と感じます。
 もっと単純に表すと、思考では「彼を好きになってはいけない」と考え、感情は「彼を好き」と感じているわけです。
思考と感情がまったく逆の状態になっているので、混乱してしまいます。
思考で考えることは、一般的な常識、正しい間違っている、ということを基準に考えるので、すごくまっとうなことになります。
 ですが、感情というのは、常識や、正しい間違っているなどを、まったく無視したところにあるものですから、まっとうでないことも多々あるのです。
例えば、ピーマンは栄養価が高いから、食べた方が良いと考えるのが思考で、ピーマンは嫌いと感じるのが感情なのです。
 感情が嫌いだと主張するピーマンを、栄養価が高いからと食べようと頑張った方も、たくさんいらっしゃるでしょう。
 好き嫌いなく食べることは、健康の為にも大切なことですから、とても良いことだと思います。
 ですが、その時にものすごく苦痛を感じたのではないでしょか。
栄養価が高いから食べた方が良いことは、わかっています。
 わかっているのだけれど、だからピーマンを好きになるということは、できなかったと思います。
 何とか食べられるようになるのが、精一杯だったのではないでしょうか。
このように、感情で感じていることを、思考でコントロールしようとしても、なかなか難しいものなのです。
他にもありますよね。
 頭ではやらな方がいいと思っていても、ついやってしまうこと。
 反対に、やった方がいいと思っていても、できないこともあります。
 私達人間は、思考の生き物と思われがちですが、本当は感情の方がパワフルなのです。
 なので、頭ではダメだと思っていることを、どうしても止められないということが起こります。
家庭があるし、パートナーのことも好き。
 心惹かれる人と、結婚したいとか、一緒に暮らしたいと思ってはいないのだけど、相手への想いを止めることができない。
 そんな時は、思考ではなく、感情が相手を求めているのです。
 だからと言って、浮気しましょう。と言うのではないのです。
まずは、相手に心惹かれる気持ちを認めることが大切です。
 一般的におかしいとされることかもしれないけれど、普通はありえないことかもしれないけれど、相手に心が惹かれていることは、事実なのです。
 自分の中に、相手を魅力的だと感じる気持ちがあること、自分の心が、相手を求めていることを、認めましょう。
そうすると、何を魅力的だと感じているのか、何を求めているのかがわかります。
 つまり、今のパートナーとの間に、不足しているものがわかるのです。
それは、新鮮さかもしれませんし、ドキドキ感かもしれません。
 相手の若さや、落ち着きなのかもしれません。
 自分自身が、相手といること、相手のことを考えるだけで得られる何かがあるはずなのです。
パートナーがいるのに、他の人に惹かれるというときは、その他の人が、あなたが欲しい何かを持っていたり、あなたが不足していると思っているものを満たしてくれているのです。
何かに心惹かれることは、悪いことではありません。
 それが「好き」だと、伝えてくれているわけですからね。
そして、ここからが意志の力が必要なところです。
 その必要なものを、誰との関係性で手に入れようとするかです。
現在のパートナーとの関係性で、手に入れようとするならば、二人の関係で何らかの変化が必要なはずです。
 長年一緒に居るパートナーでしたら、ドキドキ感などは、得られにくいでしょう。
 お互いが、お互いのことをよく知っていますからね。
 そうすると、現在のパートナーとの間でドキドキ感を、手に入れるには、パートナーか自分に変化がないと難しいのです。
他にも、相手の若さに心が惹かれるということもあります。
 そういう時は、もしかしたら、若い相手と接しているときだけ、あなたが若々しい気分を味わえているのかもしれません。
 普段は、家庭のことばかり考えてしまっているけれど、相手と接しているときだけ、独身の頃のような、フレッシュな気持ちになれているのかもしれません。
 もしそうならば、あなた自身が、家庭のことを少し忘れて、若々しさを取り戻すことが必要なのかもしれません。
頭では、ダメだと思っているのに、どうしても心がいうことを聞いて行くれないときは、心の声に耳を傾けてあげることが大切なのです。
 そこには、常識や、正しい間違っているなどの領域とはまったく別の感情があります。
 その心の声を、無理矢理抑え込もうとしても、思考よりも、感情の方がパワフルなので、どうしようもなくなってしまいます。
思考ではどうしようもないことが起こったら、それは心の声を聞いてあげなくてはいけない時なのです。
自分は、いったい何を必要としているのだろうか?
 何を、好きだと思っているのだろうか?
 そんなふうに、心の声を聞きとってあげて下さい。
そして、その心の声にどう応えてあげるのかを、考えてみることをおすすめします。
 心を黙らせようとしても無理です。
 抑え込もうとすればするほど、心は強くアピールしてきますから、相手を嫌いになろうとすればするほど、相手の事が気になってきてしまいます。
私達人間は、頭で考えていることと、心が訴えてくることが違っていると、とても苦しい思いをします。
 一致させてあげることができるといいのですが、その時に、頭で考えていることを、心に納得させようとしても失敗してしまいます。
 心が求めているもの、心が訴えてくることを、思考で実現させていくことができると、頭と心が一致して、抱えている苦しみから解放されていくのです。
(完)
 
 
