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Lecture.743

物を捨てられないのはナゼ?〜物に付属している感情は何なのかを理解する〜

講師:大門昌代

「もう使わないのだから捨てればいいのに」と思うようなものを、捨てられないでため込んでしまう人がいます。断捨離というのが流行っていますが、捨てることのすべてがいいわけではありません。また捨てないことのすべてがいいわけでもありません。
捨てない捨てられないにも、理由があるのです。私たちは物に対しても様々な感情をくっつけてしまうものです。その感情が二度と手に入れることができないと思っているとしたら、物に執着してしまうのです。
例えば、大切な人の形見の品などは、私たちにとっては捨てられない物の一つになるでしょう。それは、その形見の品が物ではなく、その大切な人そのものであったり、その大切な人との間で感じた感情があるからなのです。

Keywords
片付けられない 捨てられない 執着 感情 思い出 

◎リクエストを頂きました◎
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人が物を捨てない理由、物を捨てられない理由。ってどんなものがあるのでしょうか?

母は「思い出が詰まっていて捨てられない」と、ものすごくたくさん抱えています。
私は捨てる事に問題はなく、置いてるものは卒業アルバムなど、絶対意味のあるものです。
夫は「ただ捨てない。何も意味は無い」と言います。

実は夫の物が問題で、40年前に片思いしていた人からの毎年来の年賀状や30年前の高校生時代の同級生の写真(女性がほとんど)、破局を迎えた25年前の短い恋愛後に書いた日記、工具、おみやげ、ラジコンカー、衣類、などなど。
時々片付けよう(処分)と頑張るのですが、場所を入れ替えて終わるだけ。
挙句に年賀状にある女性の住所を検索したり、Facebookで相手を探し宛てて連絡したりしたので、私は怒りが爆発しました。
本人は「何も意味は無く、ただ時間をつぶしてただけ。GoogleMapやFacebookがどういう仕組みか試しただけ」と言います。私があまり怒るので、「そんなつもりは無かったのに」と年賀状も写真も日記も女性に関するものは全部捨ててしまいました。
私が、子供と家事と仕事で忙しく更年期で落ち込み易いのをどうしていいのか分からなくて、まごまごしているうちに、なんとなくFacebookをしていたと言っています。
夫は病気で子供の頃から歩けません。成長過程でいろいろ困難な事があったと思いますが、常識が違うのか男女のものの考え方なのか、すっきりしません。
彼はなぜものを捨てないのでしょう?
なぜ妻が忙しくつらい思いをしている時期に、Facebookで遊ん(?)だりしたのでしょう?
何でも良いです、教えてください。
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リクエストありがとうございます。

今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

部屋や自分のテリトリーは、自分の心の中と同じと言われることがあります。

「捨てなければ・・・」この「?しなければ」と言うのは、しなくてはいけないということでもあります。
でも、しなくてはいけないけれど、やりたくないことでもあるのです。

やりたくないことに対しては、やらない為のありとあらゆる理由を人は考えつきます。

リクエストして下さったかたのご主人には、「捨てたくない理由」がなにかあるのでしょうね。

理由はひとそれぞれです。
「もったいないから」「後で使うかもしれないから」などいろいろあるのですが、これはそのモノに執着しているともいえます。
二度と手に入らないと思っているものであれば、執着してしまいますよね。

誰かにとっては、「つまらないモノ」「役に立たないモノ」であったとしても、別の誰かにとっては、「二度と手に入らない貴重なモノ」であったとしたら、捨てるのには相当な勇気が必要となります。

そのモノ自体が二度と手に入らないと感じているというよりは、そのモノを手にしたときや、手にしていたときに感じた感情に対して、二度と手に入らないと思っていることが多いものです。

ですから、誰かにとっては、つまらない役に立たないモノであったとしても、別の人にとっては、その時感じた感情を大切にしたい、感じていたいために捨てられないということが起こるのです。

捨てられないのが物であると考えると、「必要なら、また買えばいい」「必要なときに、また手に入れればいい」と理解しづらいかもしれませんが、その物に付属しているご主人の感情としてとらえると、もしかしたら理解しやすいかもしれませんね。

何があったかはわかりませんし、ご主人がどんな経験をされてきたかもわかりませんが、それらの物を手に入れたときや、手にしていたときに感じた感情に、執着があるのでしょうね。

例えば、このリクエストくださった方のお母さんの場合ですと、「思い出が詰まっているから捨てれない物」をたくさん抱えておられるようですが、きっと楽しかった思い出が多いのかもしれませんね。
そして、その時に感じた「楽しい」という感情を、今もなお感じることができているのであれば、次から次に楽しいことがあるのだとしたら、その思い出が詰まったものに執着する必要はなくなり、捨てることも可能になるでしょう。

でも、いま楽しいという感情を感じることができないのだとしたら、そしてこれから先も感じることができないだろうと思っているのだとしたら、なかなか捨てることができなくなってしまいます。

また、捨てられない理由として、その物に自分を投影しているということもあります。
物を捨てるということは、自分が捨てられるように感じるとしたら、捨てられませんよね。
「かわいそうだ」「大切にされていないようだ」と感じて、捨てられないという人もたくさんいらっしゃいます。

それは、その物に対して、寂しくて、孤独で、助けがないと思っている自分自身を投影していることが多いのです。

私たちは、物に対しても様々な感情をもつものです。

ご主人が大切にしている物がある。捨てられない物がある。
でも、私に対してはあまり大切にしてくれているように思えない。

そうなのだとしたら、ご主人が大切にしている物に対して、嫉妬心すら持ってしまうことがあるのです。

奥様がつらい時期に、ご主人はただ遊んでいたわけではないのでしょうね。
奥様に対して、力なになれない自分や、何をしてよいかわからない自分というのを、感じるのが嫌だったのかもしれませんね。
そうすると、何かしら良い感情を感じることができる物に集中してしまい、嫌な感情から目をそらせたかっただけなのではないかと思います。
それが良いことなのか、悪いことなのかはおいておいて、意識はしていなくても、目をそらすことが目的だったとしたら、本人にとっては、「別に意味はない」ということになるでしょうね。
「ただ何となくやっていただけ」と本人が認識する行動になっていたのだと思います。

もしかしたら、深層心理では、感じたくない感情から目をそらせたいために、良い感情を思い出すことができる物に目を向けていたのかもしれませんね。

また、物を捨てられない人の心理としては、完璧主義によって、捨てられないという人もいます。
完璧主義者は、完璧にやれることしかやらないのです。

適当に物を整理するとか、完璧に片付ける、捨てるということができないのであれば、何もしないというスタンスになってしまいます。

「必要ないのだから捨てればいいのに」と、我々は自分以外の人に対しては思ってしまうものです。
でも、物が捨てられないにも理由があるのです。
その物に付属している感情が理由のこともあれば、その物に誰かや自分をを映し出している場合もあります。
また、孤独や寂しさから、物を手元い置いておくということもあります。

完璧に整理整頓できないから、やらないということもあり、本当に様々ではありますが、きちんと理由はあるものなのです。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです。

ありがとうございました。

(完)


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351.完璧主義を手放そう〜「まぁ適当でいいかっ」の気分ではじめてみる〜
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651.執着からの解放〜信頼しているものを見直そう〜
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