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Lecture.609-4

権威との葛藤(4)〜リーダーの怖れとその癒しの先にあるもの〜

講師:根本裕幸

権威との葛藤の問題はあなたがリーダーのポジションに付いたときには後輩・部下に対して出現することもあります。すなわち、優秀な部下が自分を超えていくことに怖れを感じ、攻撃したり、排除したりしてしまったりするのです。それを癒すのはやはり女性性。優秀な部下を受け入れ、彼が見るあなたの価値を受け取ることで、より円滑な運用が可能となり、チームとしての成功をあなたはもたらすことができるようになるのです。

Keywords
権威との葛藤 リーダーシップ 老い 成熟さ 女性性

○リーダーの怖れとその癒しの先にあるもの

権威との葛藤は、前回見たように従業員時代は上司や経営者との葛藤として現れますが、もう一つの大きなパターンについて今回はご紹介したいと思います。

それは自分がリーダーとなった後に出てくるものです。
リーダーはグループの先頭に立って引っ張ることも大切な役割ですが、もう一つ、後進を育成することも大事な任務ですよね。

ところが、権威との葛藤があると、上司に対してだけでなく、部下に対しても強い怖れや嫌悪感、競争心などが芽生えるようになります。
すなわち、部下が自分を超えていくことを許せなくなるんですね。
才能ある部下や弟子を持つことはリーダーにとって喜ばしく、助かる反面、自分の地位が脅かされるように感じてしまうわけです。
競争心は勝つことで自分の地位を守ろうとするボス猿の心理にも通じるので、優秀で才能ある部下を無意識のうちに潰したり、追い出そうとしたりしてしまいます。

そこでは男性にとっては特に抵抗のある「嫉妬」という感情も絡んできます。

あなたがリーダーで、一つ下の世代に優秀な人材であるA君がいたとしましょう。
そうすると、その存在のおかげもあってあなたのグループは業績もよく、リーダーであるあなたの評価も内外で高まっていきます。
しかし、A君が実力も才能もあることが分かると、その評価や業績も素直に受け取れなくなります。
そして、そのA君の能力にあなたは怖れや嫉妬を覚えるようになり、さらには寂しさを感じるようになります。しかし、その感情を素直に感じることには強い抵抗があります。
あなたの中の競争心(権威との葛藤)が、それを許さないわけです。
その代わりにA君に対し、きつい言葉を使ったり、否定したり、攻撃したりするようになったり、時には、彼の成功を自分のものに付け替えたり、彼を敢えて閑職に追いやったりすることも出てくるのです。
しかし、意識レベルでは嫉妬や怖れから生まれるアクションとは感じられません。
彼の言動にイラッとすることが増えたり、生意気に感じたり、調子に乗っているような、自分を見下しているような態度に見えたりするのです。
だから、あなたは自分がA君に対する態度に正当性すら感じています。

その結果、あなたのグループは士気が下がり、あなたの元を去っていく部下が増えたり、業績が頭打ちして伸びなくなったりするのです。

あなたはリーダーとして、優秀な部下であるA君を信頼し、彼がより成功していくであろうことを応援する姿勢が求められるのです。
これは頭では理解できることであっても、なかなか感情的には難しいところがあります。
時には、感情的に難しいということも、抑圧して気付けないこともあるかもしれません。自立とは感情を抑圧することなので、自立した男性性は、そうした感情を感じることができないのです。

だから、「あいつは優秀だが、まだこの事業を任せるにはふさわしくない。もう少し、苦労を経験した方がいい」という言い方をするのです。
もちろん、その気持ちに嘘はないと思いますが、その裏にほの暗い嫉妬や、自分の地位を脅かされることへの怖れが隠れているとはなかなか気付きにくいのです。

こうした感情を持つには、世代交代に対する抵抗があります。それはある意味「老い」を受け入れることでもあるからです。先ほど寂しさがあると書いたのは、この「老い」を感じることから生まれます。
もちろん、これは実際の年齢とは関係ありませんから、10代でも20代でも感じることがあります(アスリートの世界を想像してみると分かりやすいでしょう)。

でも、それはあなたの成熟さを意味します。
そのためには、今まで以上にあなたはリーダーとして、自分の才能、能力、価値、可能性を受け入れる必要があるんです。
リーダーシップは与えるばかりではありません。受け取ることも大切な要素です。
あなたが部下からどれくらい信頼され、愛され、慕われているのかを受け取る必要があります。

先ほどの例でいえば、A君があなたをリーダーとして、どれくらい尊敬し、感謝し、誇りに思っているかを受け入れる必要があるのです。
しかし、そこで彼を攻撃している潜在的な罪悪感がある限り、その思いを受け取ることができないばかりか、むしろ、見下されているように、馬鹿にされているように感じてしまいます。それを脅威に感じてしまうのです。

しかし、その競争はあなたをハードワークに駆ります。彼らに負けないように頑張らなければいけないわけですから。(物質的な仕事量だけでなく、精神的なハードワークも含みます)

あなたそれを受け取ったとき、彼の成功を自分のことのように喜び、その成功をサポートすることに生きがいを感じるようになります。

そこでのカギは前回も触れた女性性です。

育み、育てる、女性性のエネルギーが大切になります。

多くの自立して生きてきた方には、この女性性を受け入れることに抵抗を感じる方も少なくないでしょう。
男性性で生きてきた人が女性性を受け入れるとき、自分がすごく弱くなったような感じがし、勢いが衰え、ほんとうに年を取ったような感覚に陥ります。
しかし、それは人としての成熟性なのです。
自立の次の、相互依存のプロセスに入っている状態です。

そこでは思考的、理性的な生き方から、感覚的、直観的な生き方にシフトしていきます。
がむしゃらに頑張る姿勢から、必要なところに必要なエネルギーを注ぐ工夫が求められます。(そういう意味では、より効率のいい仕事のスタイルが確立されていきます。)

だから、そこでは肩の力を抜き、そして、与えることだけでなく、受け取ることにも意識を向けて、グループをリードしていきます。

その結果、あなたのためにより部下が成果を上げるようになっていきます。あなたを喜ばせることが、彼らの喜びでもあるからです。
そして、そのとき、あなたは部下の成功を自分のことのように喜び、また、さらなる成功を祈ってやまないでしょう。

そんな上司を持った部下たちはどんな思いを持つか、想像できますか?
そして、そんなリーダーになった自分がどのような気持ちで生きているのか、想像できるでしょうか?

少なくても今よりはるかに広い視野で、自由を感じていることは間違いないと思うのです。
それはより大きな権限を扱うリーダーにふさわしいポジションだと思いませんか?

(完)

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