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Lecture.163 不信感の目的と信頼の力〜役に立たなくなった防衛機能は、もういらない〜
講師:原裕輝
不信感という嫌な感情も、元々は私たちを守ることを目的に生まれた感情だったんです。しかし、この感情はストレスを作り、私たちの気分を奈落の底に落とすこともありますね。そんな不信感という感情と信頼の力についての心理学講座です。
Keywords
不信感
信頼
安心感
自信
ウブ

● 不信感の目的 ●

私たちには、不信感という感情があります。

この感情は、文字どおり、“信じることができない”という感情です。

この感情がでてくると、物事や、人、未来などを、
信じないようにしようという力が心に生まれます。

物事や、人を信じられない時は、疑いの気持ちが生じるので、
恐れという感情が生まれます。

こうして、悪循環のスパイラルにはまっていきます。

もしかりに、あなたのお友達の中に詐欺師が一人いて、
あなたを騙そうと狙っているとしたら、どんな気分でしょう?

いつか騙されるんじゃないかと友人を全員疑うようになるかもしれません。、
常にビクビクしているかもしれません。

そうすると毎日、恐れという感情を抱きながら暮らすことになります。

不信感から、友人を疑ったり、パートナーを疑ったりする時は、
気持ちいいもんではありませんし、恐れを持ちながら友人や、パートナーに
接っするのもしんどいです。

また、不信感が未来を信じられないという出方をすると、
お先真っ暗というような感じがしたり、絶望を感じます。
人生を楽しめなくなりますね。

そして不信感時は、ストレス作ります。

ストレスを作り、私たちを苦しめる不信感という感情も、
もともとは、私たちを苦しめる為に作られた感情ではないのです。

どう考えても、嫌な感じしか感じない感情ですから、
少し、意外かもしれませんね。

不信感という感情の目的は、もともとは、私たちの心が、
“これ以上、傷つかないように”と、防衛の為に作られた感情なんですね。

「そんなの信じないぞ」と思うことで、騙される、裏切られることを
防衛して傷つかないようにしようとするのです。

傷つかないように防衛線をはっていると、知らず知らずのうちに、
人をコントロールしようとする意識が芽生えてきます。

なぜならば、コントロールしていると、想定内の範囲で物事が動いていると、
傷つくできごとが起こらないと思ってしまうからです。

不信感からコントロールする気持ちが強くなってくると、
たいていは対人関係が悪くなります。
コントロールされて気持ち良い人はいないからです。

そうすると対人関係の悩みが生まれます。
これも悪循環のスパイラルですね。

不信感という感情があると、
恐れや、絶望といった感情に苦しめられながら、過ごすことになります。
これは嫌ですね。

穏やかな気持ちですごしたいものです。

当初は、心を守る目的で、作られたはずの不信感という感情なのですが
不信感が強くなると、不信感から副産物である恐れ、絶望といった感情で
自分が苦しむことになります。

心を守るどころか、まったく逆の効果を得ることになってしまいます。
当初予定していた目的の為には、役にたっていないことになります。


● 信頼の力 ●

不信感という感情は、恐れや、絶望や、ストレスの世界を作ります。
この、しんどい世界から抜け出す必要がありますね。

この世界から抜け出すには、信頼という力がいります。

信頼とは、不信感と全く反対の力です。

信頼できる人と接する機会があるなどで、
自然と人を信頼する気持ちが沸きあがってくる場合があります。

しかし、そういう機会が無いときは、意思の力を使うことで、
この力を生み出すことができます。

“信頼してみよう”
“信頼できる自分になってみたい”
そうやって、自分の意志の力を使ってみるんです。

時には、上手く思えずに、何度も何度も念じることがいる時もあるでしょう。
不信感と、信頼してみようと思いを行ったり来たりすることもあるでしょう。

そうやって、意志の力を使っていくと、
信頼の力が身に付いてくるんですね。

信頼の力を持ちやすくする為に、
カウンセリングでは、不信感を生み出す要因を癒す取り組みをします。

不信感をつくる原因である、“もう傷つきたくない”という力を
減らしていく為に、心の傷を癒すサポートさせてもらうこともあります。

信頼の力は安心感を生み出します。
きっと上手くいくという感覚を作り出します。
穏やかな気持ちですごすことができます。

そうするとストレスが減るので、ストレスに心のエネルギーを削られません。
その為、効率的に心のエネルギーを使って、状況を良くしていくことができるのです。

信頼の力を持てると、人をコントロールしようとする心理がなくなるので、
対人関係も良い方向に変化していきます。

信頼の力を使うと、物事が良い方向に進められます。


● ウブと信頼 ●

信頼という力は、恐れや、絶望、ストレスから解放してくれます。

だからといって、なんでもかんでも信頼しようとするのは危険です。
なんでもかんでも、信頼しようとするのは、ウブというものになります。

ウブは、純真という良い一面があります。
しかし世間を知らないが上に、自分が傷つくかもしれない可能性がある
情報を見逃す危険があります。

場合によっては、自分が傷つくかもしれないという情報を見ようとせずに、
相手を信じるという愚直さにつながる場合もあります。

例えば、恋愛詐欺師にひっかかり、
「これは、ちょっと、詐欺っぽいな。大事にされてないよな」
ということを感じとっても、その思いに蓋をして、「好きな人を信じよう」
と思う場合があります。

小さい子供に、「飴をあげるから、おじさんについておいで」という悪い人に
ついて行ってしまう大人バージョンです。

自分を傷つけてしまう情報を見ようとせず目をそらす行為は、
自分を、ただ傷つけることになってしまいます。
これは信頼ではなく、ウブさになります。

信頼とウブさは、紙一重な一面もあると思います。
信頼と愚直さも、紙一重な一面もあると思います。

信頼とは、いろんなことを知り、それらを受け入れた上で、
物事が上手く進むように信頼することかと思います。

上手く信頼の力を使えるといいですね。

● 自分を信頼する ●

「信頼をしてみましょう」と提案があった場合に、
パートナーや、友人などの、誰かを信頼してみようと思い浮かばれる方が
多いかと思います。

それは、とても大切なことと思いますし、
そう発想されたことは、素敵なことだと僕は思います。

それに加えて、“自分を信頼”するということを提案したいと思います。

「私は、この人のことが好きなんだ」と自分の気持ちを信頼したり、
「自分らしくていいんだ」などと自分自身を信頼すれば、
自信を持つことができます。

「今は下手くそでも、練習すれば上手くなれる」とか、
「チャンスを信じて、努力すれば必ず報われる」などと、
自分の未来を信頼することができれば、安心感を持つことができます。

自信や、安心感は、自分を表現する時や、物事にチャレンジする時に
役立ちます。

“自分を信頼してみること”僕のお勧めです。

 

関連する講座へのリンク集
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lec.44. 人を操りたい心理〜コントロールの心理学〜
lec.81. 不信感〜人を信じられない痛み〜
lec.82. あなたの肩にのっている悪魔さんと天使さん
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