無駄なことは何もないかもしれない

私大塚は、今はカウンセラーをさせていただいていますが、それと並行して、カウンセラーになる前から、社会保険労務士業という自営業を15年近く行っています。社会保険労務士はそんなに知名度のない資格ですが、主な顧客は企業の総務人事部門で、会社と従業員との間のトラブルの相談に乗ったりしていますので、カウンセラーに似ている部分があります。

いずれにしても、カウンセラーも社会保険労務士も、人に関わる仕事で、どちらも私にとって大切な、大好きな仕事です。

さて、カウンセリングでは、仕事に関するご相談を受けることがあります。例えば、次のようなご相談があります。

・会社に行くのがしんどいです。
・職場の人間関係で悩んでいます。
・就職活動が上手くいきません。
・自分が何がやりたいのか、わかりません。
・今の仕事がつらいし、面白くありません。
・漠然と、将来のことが不安です。

上記のようなご相談が多いですが、実は、上記の悩みは全て、私大塚自身が、過去に持っていた悩みです。さらに、漠然とした将来不安は、仕事が順調で楽しい今であっても、私もいまだに持っています。

悩みというものは誰しも嫌なものであり、悩んでいる最中は、それにプラスの側面があるとは、とても思えませんよね。私自身も、もちろんそうでした。

しんどい仕事をしているときは、会社に行きたくないですし、上司と仲が悪い時も、毎日会社に行くのが辛かったです。その実際につらい最中に、カウンセラーに、「今の辛さも意味がありますよ」と言われても、ピンときませんよね。

でも、今となっては、私は、過去の仕事に関する悩みについて、「無駄なことは全くなかった」と思えるようになりました。私は、心から本当にそう思っています。言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、上記の悩みの一つ一つについて、私なりのプラスの面を書いてみたいと思います。

・会社に行くのがしんどいです。

しんどくても頑張った自分を評価できるようになった。しんどくて逃げるように辞めてしまったこともあったが、それは、自分の身を守ることであり、自分を大事に扱うことができたともいえる。

・職場の人間関係で悩んでいます。

いつも怒っていた上司は、実は、私のことが嫌いだったのではなく、自信のない上司が自分の自信のなさを隠すために、周りにキツク当たっていただけだった。今では、仲の悪かった上司を理解でき、むしろ、上司も大変だったんだなぁ、とすら思える。

・就職活動が上手くいきません。

何社も落ち続け、悩み続けたけれども、その中で、漠然と、自分がどんな仕事をしていきたいのかが見えるようになってきた。すぐに就職できていたら、もしかしたらいつまでも自分のやりたい仕事は、見つからなかったかもしれない。

・自分が何がやりたいのか、わかりません。

私は30歳ぐらいのときにしばらく無職だったが、その働いていない期間が無かったら、一生自分のやりたいことは見つからなかったかもしれない。

・今の仕事がつらいし、面白くありません。

仕事を辞めてもいい、転職してもいい、経済状況が許すなら、しばらく仕事をしなくたっていい、これらも、自分を大事に扱うことである。また、つらいという気持ちを感じたことにより、同じような悩みを持つ人に対して、やさしく接することができるようになった。自分のやさしさが増えた。

・漠然と、将来のことが不安です。

将来不安は、私大塚も、今でも持っている。でも、以前と違うのは、「将来不安を持つことは悪いことではない、むしろ良いことだ!」と心から思えるようになったこと。将来不安が全くなかったら、本当に餓死してしまうかもしれない。将来のリスクを考えることは、むしろ必要なことだと思う。

なんとなく、分かっていただけるでしょうか。辛かったこと、苦しかったことは、当時はもちろん嫌でしたが、今となっては、どのようなことにもプラスの側面があり、本当に、ひとつも無駄なことはなかったと、心から思えるようになりました。

ひとつも無駄なことはなかったと思えるのは、確かに、今の私の仕事の状況が順調だからといえます。心に余裕がなかったら、また、悩んでいる最中は、こんな辛いことに意味があるなんて、とても思えませんよね。

では、なぜ私は数々の悩みから抜け出すことができたのでしょうか。残念ながら、私が無職だった頃は、カウンセリングサービスもありませんでしたので、カウンセリングを受けることもないまま、私は、仕事に関する悩みから抜け出てきました。

抜け出せた理由は、たった一つ、

「あきらめなかった」

ただこれだけです。

また、仕事から外れますが、私は、恋愛や結婚などのパートナーシップにおいても、たくさん悩みました。振られてしまって辛かったことは、一度や二度ではありません。

私がようやく結婚できたのは、40歳です。でも、夫婦の仲が悪くて、結婚しても全く幸せではありませんでした。2年間しかなかった私の初婚時代ですが、2年間は地獄のような日々でした。

前の妻と離婚し、さらに、今の妻と結婚しても、私はまだまだ自己嫌悪が強かったため、その私の心のクセが原因で、今の妻としばしばケンカをしてしまいました。いまでもゼロではありませんが、でも、だんだんとケンカは減っていきました。いまでは、おかげさまで夫婦仲良く、幸せに暮らしています。

さて、なぜ私は幸せなパートナーシップをつかむことができたのでしょうか。初婚のときの辛い時期にカウンセリングサービスを知り、カウンセリングも使っていましたので、カウンセラーさんにも感謝していますが、でも、私が抜け出せた理由は、たった一つ、

「あきらめなかった」

ただこれだけなんです。

とはいえ、仕事もパートナーシップも、私は、自分自身のことをこれで十分と思っているわけではありません。もっともっと成長したいと私は思っています。

どんな悩みでも、必ず抜けられると私は思います。それには、

「あきらめずに抜けるという意思の力」

が絶対に必要です。逆にいえば、これだけで抜けられると私は思っています。私は、ある程度の安心感をつかむまで、仕事については20年近く、恋愛や結婚については30年近くかかりました。

そして、今では、全てのことに意味があった、無駄なものはなかったと思えるようになりました。みなさんのなかに
も、既にそう思っていらっしゃる方もいるでしょう。もし今思えていないとしても、あきらめずに抜けるという意思の力があれば、そう思える日が必ず来ると思いますよ。

読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いたカウンセラー