探し物は何ですか? 〜これからの人生に向けて〜

子供が成長して手を離れたり、同期が転職したり起業するのをみて、
ふと、「自分の人生って?」と思うことはないですか。
今を生きるのに精一杯で、振り返る余地がなかったけど、よくよく考え
てみたら、「真実のパートナー」ってこのひとで本当にいいの?
あるいは、これからの人生、このままでいいの?
本当にこの会社、この仕事でいいの?


その一方でこう思います。
新しいパートナーをみつけて、イチからやり直すのもなあ。
今まで、家庭にこもってた、あるいは仕事優先だった、あるいは転職を
繰りかえしてきたのに、「いまさら」。
10代や20代のように希望が大きくもなく、30代のようにあきらめきれ
ずにがむしゃらに頑張るような泥くささもなく。
でも、どこかでさみしさを感じるような、満たされたものを感じるよう
な。
40代からというのは、新しい人生のスタート地点かもしれませんね。
そんなときに、ふと、考えるものですよね。
真実のパートナーって?
本当にやりたかったことって?
あなたの探し物は何ですか?
有名すぎる童話に、「青い鳥」というのがあります。
しあわせを探して、旅に出たチルチルとミチルが最後にみつけたのは、
「しあわせ」はすぐに近くにあるものだ、ということ。
私はこの童話を思うとき、優れた言葉や、優れた内容の物語というのは、
幾重にも深い意味を持ち合わせるのだと感じます。
この意味するところは、単に、今がしあわせなんだから、それで満足
しなさい、というふうにもとれますが、それ以上に、未知なる自分とい
う宇宙のパンドラの箱を開くことを示唆する内容でもあるのです。
積極的に、自分の夢ややりたいことを探しているとき、というのは、
見つからないものです。
それよりも、今、自分に置かれている状況をしっかりと自分の中で受け
入れていくことが、探し物を見つけることにつながることが多いようで
す。
例えば、今のパートナー、悪くはないし、好きなんだけど、何か物足り
ない。
日本の40代以上の世代では、相手のことを深く愛しているし、いてくれ
ないと困ると思いながらも、「相手を異性として見ることができない」、
というものが圧倒的に多いように感じます。
このときに、ほとんどのひとが陥るのが、「ほかの人」に目を向けること。
それがヨン様の場合もあるし、職場でやさしくしてくれる若いひとかも
しれません。
ああ、うちの夫にも、うちのヨメにも、こんな細やかな思いやりがあれ
ば……。
確かに、10年20年前には、そう見えていたはずなのに(笑)。
だからこそ、結婚したはずだったのに。
私も若かったわ……ということなのでしょうか。
当時の自分の目がふしあなだったのでしょうか。
いいえ、違います。
そんなケースもありますが、たいていの場合は、今のパートナーと出会
う以前から、長年積み重ねてきたあなたのパターンを見直すときなので
す。
こんな風に思ったことはないですか。
このひとなら、○○することはないと思っていたのに。
なんだか、裏切られたような気分!!
でも、この概念ができたのはいつだったのでしょうか。
少なくとも、今のパートナーと出会う前からありましたよね。
この○○によって自身が傷ついたり、誰かが傷つくのを見てきたのです
よね。
○○をしてしまったパートナーと向かい合う、ということは、この○○で
傷ついた部分を癒すことにもつながります。
ほかの例にたとえるなら、パートナーシップ、仕事、何でもそうですが、
楽しいんだけど、マンネリ化していてつまらないというときは、あなたが
「勝ち」なことが多いです。
つまり、相手があなたの好みにはなったり、いうとおりに振舞ってくれる
のですが刺激がないのです。
けれども、この場合の「勝ち」はみせかけです。
なぜなら、相手はずっと抑えつけられていて、うっぷんをためています
から、この状態が続けば、必ず相手は逆襲に出ます。
長期戦で見た場合、双方が負けなのです。
今ある現状を受け入れるということは、おかれた状況や自分の立場で
何ができるか、ということでもあります。
パートナーシップも仕事も、複数の人が集まって何かを織り成すとき。
「あなたの意見」だけではなく、「相手の意見」だけでもなく、そこにい
るすべてのひとの意見や気持ちを織り交ぜた「新しいやり方」というも
のが求められます。
それは、どちらか一方の独裁的なものではなく、相互的な関係から生まれ
るものです。
これがうまくいくとき、というのは、本当に関係者全員がエキサイティ
ングで楽しくて、ワクワクするのです。
この関係性そのものや、関係性がもたらすものが、「真実のパートナー」
であったり、「自分がしたいこと」かもしれませんよね。
複数の人と書きましたが、それ以前に、自分自身とのコミュニケーショ
ンは大切です。
自分の中でも相反する二つの意見が出てくることがありますし、矛盾し
たものを望んで頭を抱えているケースは、カウンセリングでは非常に多
いものです。
自分の中でのコミュニケーションが上手にとれていないとき、自分のや
りたいことがわからなかったり、パートナーともうまくいかないことが
あるようです。
現状と向き合う、本当の意味で積極的にこれをとらえていこうと思う
とき、成熟さが求められます。
自分としっかりと向き合うだけの潔さが必要になります。
あなたの探し物は、探しに行く必要はないのです。
あなたの中にこそあります。
けれども、それを映し出すには映写機が必要です。
誰かを通して、生活や日常で自分に与えられているものを通して、自分
を見つめなおしていく……。
それは、当たり前すぎて希薄な存在だったり、すごく嫌なひとだったり
することが多いようです。
でも、パンドラの箱をあける鍵は彼らが持っているのだ、そうやって考
えたとき、周りにいるひとたちはみんな援助者になるんですね。
パンドラの箱を開けたとき、恐ろしいものが出てくるにちがいない。
たいていのひとはそう思っています。
そうでなければ、いまごろ、開いていますよね。
でも、それは誤解です。
パンドラの箱に大切にしまわれているものは、新しいあなた自身であり、
あなたの探し物なのです。
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