遠慮しすぎのパターンを手放す~「いい人」すぎる私が、自分の人生を生き始めるために~

「わがままかも」の不安を越えて、自分の気持ちに素直になる

「いい人でいなきゃ」と自分を抑えて生きてきて遠慮が当たり前になり、自分の本音がわからなくなっていませんか?。
遠慮の根底にある幼少期の体験や思い込みに気づき、「見えない怒り」や「自己否定」から解放するための視点を持つことで、遠慮=思いやりという誤解を手放し、本音で生きるための一歩を踏み出していきましょう。

遠慮しすぎがクセになっていませんか?

「本当はこうしたい」と思っても、相手の都合や気持ちを先に考えてしまって言えない。

「嫌だな」と感じても、「我慢したほうが円満にいく」と思って飲み込んでしまう。

カウンセリングの中で、こんなふうに遠慮をすることが癖のようになっている人のお話をよく伺います。

遠慮は思いやりの一つでもありますが、度を越えると、自分の感情や欲求にフタをし続けることになり、次第にストレスや無力感、孤独感に変わっていくことも多いのです。

なぜ、遠慮してしまうのでしょうか?

遠慮しすぎる方は、幼少期から「いい子」でいることで周囲と関係を築いてきた経験を持っていることが多いようです。

たとえば、

・家の中で我慢することが多かった

・親の機嫌を察して動くことが多かった

・「わがままはダメ」と言われて育った

こういった体験があると、「自分の気持ちは抑えて、相手を優先するのが正解」と無意識に思い込むようになったりします。

そして、大人になってからも、その習慣が人間関係のパターンとして再現されやすくなることも多いのです。

もちろん、周囲に気を配れること自体は素晴らしいことです。

ですが「私は本当はどうしたいのか?」という問いを見失ってしまうと、気がつけば「いつも誰かに合わせてばかりの人生」になってしまうのです。

遠慮が引き起こす「見えない怒り」と「自己否定」

遠慮が行き過ぎると、やがて心の中に見えない怒りが蓄積されていきます。

「なんで私ばかり我慢しないといけないの?」

「どうして私の気持ちに気づいてくれないの?」

「私だって大事にされたいのに

こうした怒りが表現されないまま溜まり続けると、次第に「自分が悪いのかもしれない」という自己否定へと向かいます。

「私がもっと上手く伝えられればよかった」

「私がこんなに感じるなんて、心が狭いのかも」

こんな感じです。

本来、自然な感情である怒りや不満について、感じてはいけないものとして押し込められてしまうのですね。

でも、どんな感情にも理由があります。

怒りも悲しみも、「本当はこうしてほしかった」「私は大切にされたい」という心のサインなのです。

「遠慮しない=わがまま」ではない

カウンセリングで遠慮しすぎるタイプの方とお話ししている時、ご相談者さんがよく言われる言葉の一つに

「遠慮をやめたら、わがままになってしまうのが怖い」

というものがあります。

ここでいうわがままとは、自己中心的になる、だから人に迷惑をかけるのでは、という意味合いです。

このような心配をすること自体、愛情と優しさがある証拠だから、そんな方が自己中心的になるとは考えにくいと私は思うのですが、言われている本人はそうは感じられません。

実際に遠慮をやめることができたら、それは、自分の気持ちを大切にすることになります。

これは「他人を押しのけて自分の欲を通すこと」とは違うのです。

むしろ、自分の本音と向き合い、それを素直に表現できるようになることで、人との関係もより深く、温かいものへと変わっていきやすくなります。

なぜなら、あなたの周りの人達は「本当のあなた」を知りたいと思っているから。

いい人でいようと無理をしているあなたより、感情を持ち、失敗もしながらも「素直なあなた」の方が、ずっと魅力的なのです。

遠慮を手放す3つのステップ

では実際に、どうすれば「遠慮しすぎる自分」を手放していけるのでしょうか?

ここでは、日常でできる3つのステップをご紹介します。

①小さな「NO」を言う練習をする

いきなり大きな本音を伝えるのは難しいもの。

まずは小さな断る練習をしていきましょう。

例えば、

・仕事の中で支障がないような小さなことを断ってみる。

・友達に遊びに行こうと誘われた時、ちょっと気が乗らないなあ、と思ったら、「今日は予定があるから行けないんだ、ごめんね」と断ってみる。

大きな決断はきちんと考えて判断した方がいいですが、ちょっとしたことで断る練習をしていくと「意外と相手は受け入れてくれた」と感じられるようになり、そんな経験の積み重ねが、遠慮を減らす土台になります。

②自分の感情を「内側でOK」してあげる

たとえ口に出せなくても、自分の気持ちを「そう思って当然だよね」「それ、悔しかったよね」と心の中で認めてあげるだけでも、心は癒されていきます。

自分の気持ちに寄り添ってあげることが、遠慮しすぎるパターンから抜け出す第一歩になります。

③「本音を言える人」との関係を増やす

遠慮しない自分を育てるには、「どんな自分でも受け入れてくれる人」の存在が不可欠です。

信頼できる友人やカウンセラー、趣味等のコミュニティーの仲間など、安心して話せる人に少しずつ本音を出していくことが、遠慮しすぎを手放していく力になります。

遠慮しない私が、人生の舵を取る

遠慮していると、一見、うまくいっているような関係が築けるかもしれません。

でも、その代わりに、自分の人生のハンドルを「他人」に渡してしまうことになります。

本当の意味で豊かな人生を生きるためには、他人に気を遣いすぎるのではなく、「私はこうしたい」「私はこう感じている」と、自分の内側の声に耳を澄ませることが大切です。

「いい人」を卒業して、「本音で生きる私」へ。

遠慮しすぎるパターンを手放していくと、本当のあなたの魅力が真っ直ぐ表に出やすくなり、人生を豊かに輝かせはじめるきっかけになっていきます。

(完)

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。