女性性や男性性を受け容れる

異性との距離が接近すると苦手意識を感じる場合には、女性性や男性性など自分の“性”を抑圧している事がよくあります。

この女性性や男性性の抑圧は、他の原因からくる対人関係の問題とは異なり、気持ち悪いなどの感覚的な違和感を持つ事が特徴的です。

抑圧している原因は人により様々ですが、抑圧を解放する方法は、認知的な側面では女性性や男性性に対する誤解を解く事、行動的な側面では言動を変化させてみて“慣れていく”事です。

リクエストを頂いた方は、問題は相手ではなく自分にあるとよくお気づきになられましたね。
とてもいい気づきをされたなぁと思います。

私たちは、何らかの問題は自分以外の外側からやってくると思いがちなのですが、そうではありません。

問題と感じるキッカケは、自分以外の外側からやってくることも多いのですが、問題の本質は自分の内部にあり、何らかの形でそれが刺激されて問題と化してしまうのです。

例えば、辛いカレーライスを「美味しい」と感じる人もいれば、辛いカレーライスは「苦手」と感じる人もいますね。外からやってくる“カレーの辛味”という刺激は同じなのですが、それをどう感じるかはその人の感じ方によるのです。

これと同じなのですね。

さて、同性は何ともないのに、異性との距離が近づいてくると吐き気がするぐらい苦手を感じる人の心の中では一体何が生じているのでしょうか?

実は、自分の性(男性であれば男であること、女性であれば女であること)を感じているのです。

それは、磁石のN極とS極のようなもので、N極同士が近づいても影響は受けませんが、N極とS極が近づくことによって影響を受け、“自分はS極だった”と自覚してしまうようなものです。

しかし、何らかの原因で、自分の性を感じたくないと心のどこか(顕在意識的な場合もあれば、潜在意識的な場合もあります)で思っていたとしたら、それを感じなければならない状況には抵抗が生じますね。
それが、吐き気を催すぐらいの嫌悪感として現れるのです。

つまり、異性が近づいてくると警戒警報が発令され、「そんなに近い関係になったら、私は女を(男を)感じてしまうじゃない」という訳なのです。

では、そのような人たちはどうして自分の性を受け容れる事に抵抗を感じているのでしょうか。
それは、人により様々な理由があります。

その一部をご紹介すると、
・大人になって親から離れる事に罪悪感を抱く場合。
・例えば、女性性=穢れている、男性性=暴力やなどの誤った理解によりその性を禁止している場合。
・“女は損”など、社会的な状況や育った家庭環境などからその性を否定している場合。
・女性の場合、エレクトラコンプレックスからくる男性への競争意識が強い場合。

などです。

この女性性や男性性の抑圧には、気持ち悪いなどの感覚的な違和感を持つ場合がとても多くなります。
一方、例えば、自己嫌悪であれば、同性に対しても、異性に対してでも同じように感じる場合がとても多く、空しさや無力感を伴うケースが多くなります。

また、例えば、過去に異性に傷つけられた事が原因である場合は、また傷つけられるのではないかという怖れの感覚が先に立ちます。
この点が女性性や男性性の抑圧とは異なる点です。

さて、ではどのようにすれば、男性性や女性性の抑圧を解放できるのでしょうか?

1つは、認知的な側面からのアプローチで、自分の中にある男性性や女性性に対する誤った理解を訂正する事です。

世の中には様々な人がいます。
その中から同性で、素敵だなと魅力を感じる人がどのように自分の男性性や女性性を扱っているか、嫌悪の目ではなく、憧れの目を持って見てみるのも方法の一つでしょう。
また、自分をそのまま受け容れられるように、自身の良い部分を認めていく事も役立つと思います。

もう一つは、行動的な側面からのアプローチです。
こちらの一つの方法は、自分で何かを変えてみようと思ってそれを実行し、慣れる事です。

例えば、服装を変えてみるとか、行動や言葉遣いを変えてみるといった事です。
いきなり大きく変化をする事は難しいかもしれませんから、徐々に変化をしてみる事です。

そうすると、女性性の素晴らしさや男性性の素晴らしさに気がつき、内面的にも変化が現れて、自分の男性性や女性性を受け容れやすくなります。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。