何かを「育てる」ということ

みなさんは、吉本ばななさんの「キッチン」を読んだことありますでしょうか。
私は何回読んだかわからないくらい、大好きで読んだものでした。

その中には、素敵な言葉がたくさん出てくるのですが、その中のひとつが、

「本当にひとり立ちしたい人は、なにかを育てるといいのよね。」

と、お父さんなんだけど、えり子さんていうお母さんが、主人公のみかげちゃんに話した言葉です。

その後、こう続きます。

「子どもとかさ、鉢植えとかね。」

「キッチン」をむさぼり読んでいた頃には、私は、独身で、子どももいませんでしたが、「なにかを育てる」っていうところに、なにやら興味が沸いた覚えがあります。

本当の「ひとり立ち」をしたかった頃だったような気もします。

今日は、「育てる」ということについて、ちょっとちがう視点で書いてみようと思います。

 

育てることで、ひとり立ち?

子育てしていて思うのは、せめて子どもよりは、大人でないとな!ってこと。
いや、大人なんですけれどもね。

子どもに対して、常に成熟した態度でいられるかというと、なかなか難しいところもあるものです。優しいお母さんでいよう、お父さんでいようとしても、カチン!とくることなんて、山盛りあります。

おおらかでいようとしても、小さいことを言っている自分に出会うと、後から、激しくガッカリしたりするのも、親なんですよね。

そう考えると、何かしら、自分よりも幼いとか、弱くて小さいとか、未熟といったものを、こちらが育てる立場になったら、大人になり、強く大きくなり、成熟させられる、といっても過言ではありません。

日々、そういったものと向き合うことになり、修行させられるわけです。
それが、子どもだったり、ちゃんと管理しないと枯れてしまう鉢植えの植物だったりするんですね。

なんでもやってもらっていた依存の場所から、何かを育てることで、立ち位置は、大きく変化し、こちらから、働きかけ、与えていく場所に移っていきます。全然ちがうところに行ける、まさに「ひとり立ち」ともいえますね。

 

育てることは、伝えること

子育てをしている時、子どもたちに言う言葉って、私たち親の口から出てきますよね。

教えることも、諭すことも、叱ることも、私たちを通って出てくるということは、どこかで聞いたことや、体験したことだったりするかもしれません。もしくは、そういった体験を踏まえて、こうしようと決めたこともあるかもしれませんね。

例えば、自分が子どもの頃、残さず食べるように、厳しく言われてイヤだったとしましょう。
大人になり、親になったあなたは、子どもが、ご飯を残してしまった時、どうするでしょう。

そうだ、食べ物は大切だし、健康のためにも、残さず食べて欲しいと、あなたのご両親が思ったように考え、食べなさいって言うかもしれません。
または、食ベ切れるように、少し少なめにしてあげるかもしれません。
「残してもいいんだよ」って言ってあげるかもしれません。

あなたを通った方針や、教えが、子どもに伝わっていきます。
子どもを育てるということは、伝えていくことでもあるんですね。

 

子育て以外の「育てる」

育てるものは、キッチンのえり子さんもおっしゃっているように、子育てだけでなく、いろいろあります。

ペットとしてお迎えした子たちを、大切に育てるというのも、ありますよね。
育成という名の「育てる」もあります。職場の後輩の教育係になったり、新しく入ってきた人に、仕事を教えるなんて形もあると思います。

仕事そのものが、誰かに何かを教えるもの、ということもありますよね。

世の中には、そういったことがたくさんあって、みなさんも、いろいろな場所で、誰かや何かを育てていらっしゃるんじゃないかなと思います。

そういえば、20代頃、まだ私も入社して2年目くらいの時に、全国からの新入社員の教育担当を仰せつかって、右往左往した覚えがあります。広い視野も、まだ持ち合わせておらず、新入社員たちに振り回されていましたっけ。

それでも、あの必死だった熱い日々は、忘れられません。
私も、少しは育てたかもしれませんが、大いに育てられた日々でした。

何を育てるにも、責任を負う必要が出てきます。だから、大変なんです。
それでも、自分の持つものを使って、または、必要に迫られて助けてもらったり、学んだりしながら、一生懸命育てた体験は、私たちを、大きくし成熟させます。

そして、その体験をもって、人生をさらに豊かに生きることができるともいえるでしょう。

それだけ、偉業ということです。尊い体験なんです。

うちの子どもは、高校生と中学生になりましたので、どちらかというと、どう手を放して、見守るかというところにおりますが、2年前にお迎えした、2匹の猫ちゃんを育て中のような気がします。

朝眠くても、エサをあげるし、水も替えるし、ひっかかれても怒らないし、ゆるしてあげるお母さんをしております。可愛いからOK!無条件に愛するという体験をさせてもらっておりますよ。

今回は、「育てる」という体験について、いろいろと書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お役に立つことがあれば、嬉しいです。

 

来週金曜日は、いしだちさカウンセラーがお送りします。
どうぞお楽しみに。

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この記事を書いたカウンセラー

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「自分らしく自分の人生を生きることに、もっとこだわってもいい。好きなことをもっとたくさんして、もっと幸せになっていい。」 そんな想いから恋愛・夫婦関係などのパートナーシッップを始め、職場、ママ友などの人間関係、子育てに関する問題など、経験に基づいたカウンセリングを提供している。