子供を怒りすぎた後悔を手放す方法

「完璧な子育てはない」
それは知っているけれど、自分の子育てに後悔してばかり。

そうお話しくださるお母さんは少なくありません。
「子育てに後悔はつきもの」
そういっていいくらい、親は子育てに悩み、自問自答し、手探りしながらのものになるかと思います。
それくらい私たち親は、子供を大切に思っているのです。
どうでもよければ、悩んだり後悔したりしませんものね。

後悔とは、自分のしてしまったことや言ってしまったこと、出来なかったこと言えなかったことを
「あのときなぜ、あんなことをしてしまった(出来なかった)んだろう」
「あのときなぜ、あんなことを言ってしまった(言えなかった)んだろう」
と悔やんで自分を責めている状態です。

自分で自分を責め続けるのはツラいですよね。
自分とは離れられないので距離を置くことも出来ません。

「子育ての後悔が止まらない」
そのようなとき、どうしたら後悔を手放すことが出来るでしょう。

 

■消えない後悔

「今日も感情が爆発して、子供を怒り過ぎてしまった」
「子供が小さいころ、私は怒ってばかりだったな」

ほとんどのお母さんは、子供を強く叱ったあとは後悔の念にさいなまれます。
なぜあんなにも激しく怒ってしまったんだろう、と。

「もう少し落ち着いて言って聞かせればよかっただけなのに、と思うと自分が情けない」
「あの頃は余裕がなくて怒ってばかりで、思い出すと子供に申し訳なくて涙が出てくる」

それくらい酷く自分を責めてしまうお母さんもいらっしゃいます。

私にももちろん身に覚えがあります。

子供だから上手く出来なかっただけなのに。
子供だから我慢できなくて当たり前なのに。
子供なりの事情があったかもしれないのに。
もっと信頼して黙って見守ってあげればよかった。

私には息子と娘がひとりずついて、もうすでに2人とも社会人ですが、子供が小さかった頃を思うと、母としての至らなさに本当に未熟だったな、と思うことはたくさんあります。

 

■怒りは二次感情

子育てにイライラはつきものですが、では、怒りってどういう感情なのでしょう。
怒りは二次感情と呼ばれるもので、本当の感情ではないといわれます。
では、なぜわざわざ私たちは“本当の感情ではない”怒りを感じるのでしょうか。

それは本当の感情を感じたくないため、本当の感情を隠すためといわれます。
では子供に怒りを覚えたときにある、本当の感情ってどういうものか考えてみましょう。

たとえば、子供が危ないことをしたときって強く怒ってしまうことがあると思います。
一緒に自転車で走っていて道を渡るときに、子供が一旦停止せず飛び出し危うく車にはねられそうになったとき、激しく怒ってしまうことがあると思うのですね。

「あれだけ道路に飛び出しちゃダメって何回も言ってるでしょ!」
そう怒っているときに感じている本当の感情って、どんなものだと思いますか?

また、出掛けた先で子供とはぐれてしまって、事故にでも遭ったんじゃないだろうか. 誰かに連れ去られていたらどうしよう…。
そんなときにひょっこり子供が帰ってきたときも同じく「どこに行ってたの!」と怒ってしまうことがありますが、その怒りの奥にはどんな感情があると思いますか?

どちらの場合も怒りの奥に不安や心配、子供になにかあったらどうしよう、という恐れがあるのではないでしょうか。

子供が危険な目に遭うことに強い不安と恐れを感じて、それを感じないように瞬時に怒りが出て、しばらくしてから子供が無事だったことに安堵する。
そんな経験をされたお母さんは少なくないと思います。

私たち親が子供を怒るとき、その奥には子供の身を案じるがゆえの不安や恐れを抱えているようです。

 

■罪悪感を感謝に変えて

いかがですか?怒りのメカニズムをご理解いただけたでしょうか?

怒りの奥には、子供の身を案じるがゆえの不安や恐れがあるとしたら、怒りは愛情の裏返しといえそうです。

日常生活でもついつい口うるさくなってしまったり、厳しく怒りの感情をぶつけてしまうのは子供への愛情があるからなのですね。

親といえども人間なわけですから、感情に任せて子供を怒ってしまうことはあります。
けれどその怒りの奥には不安や恐れがあって、そのまた奥には愛情や祈るような気持ちがあるのです。
どれだけ子供に怒ってしまってもそれは、子供への愛情が深いからだと認めましょう。

それに、感情的に怒るよりも落ち着いて教え諭すことが出来るに越したことはないですけれど、感情的に怒られることで子供が学んでいることもあります。
親にも余裕がないこともあるのだということがわかれば、そういうときはどう対応すればいいかという子供にとっての学びになりますよね。

そして子供は、どれだけ親が厳しく怒っても親のことが大好きです。
大好きなお母さんが、過去の子育てを悔やんで自分を責めているのだと知ったら、子供は悲しいのではないでしょうか。

子供は親の感情に敏感です。そして無意識に親をコピーをするといわれます。
あなたが過去に囚われて罪悪感に飲み込まれていると、子供も罪悪感を感じやすい子になるのです。
それは不本意ですよね。

また、あなたが持つ罪悪感はすべて感謝に変えることができます。
子供に「ごめんなさい」ではなく「怒ってばかりだけど慕ってくれてありがとう」「ここまで大きく育ってくれてありがとう」そう思うことだってできますよね?

これは意識して感謝を重ねてゆくことで、後悔や罪悪感を手放してゆくことが出来ます。
感謝は、自分は必要とされている、私はここにいていいというメッセージが含まれていて、子供の存在自体を肯定し安心感をもたらします。
安心感があると自分をオープンにすることがしやすくなるので、お互いの気持ちや状況を理解しやすくなるのです。

私も何度も何度も練習しました。
3歩進んで2歩さがる、みたいなことが何回あったかわかりません。
そのたびに先輩ママさんに相談したりし心理学を勉強しながら、後悔や罪悪感を手放してゆきました。

ひとりでしんどいときは、お話しをお聴かせくださいね。
あなたのお役に立てると嬉しいです。

 

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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。