パートナーを理想の人扱いしすぎて関係を壊してしまう心理

パートナーを理想の人扱いしすぎる?でもそうじゃない困っちゃう?

あまりにパートナーのことを見ずに理想の人扱いしすぎてしまうと、関係が悪化したり壊れることがあります。今回はそんな「理想人扱いしすぎる人の心理」について解説します。

「相手の良い部分を見て接する」

これは対人関係をうまくいかせる方法の一つですね。

人の良い部分を見て付き合うことにはメリットがありますし、決して悪いことではありません。

ただ、中には

「相手の良いところを見て接する」を

「自分にとって都合のいい理想の人にしてしまう」と解釈してしまう人もいるようです。

いわば「自分にとって都合のいい理想の人扱い」になっているわけですね。

それで関係性が良い方向に転がってくれればいいのですが、多くの場合はそうではない方向に転がることも少なくないようです。

パートナーを理想の人扱いする心理

「パートナーを理想の人扱いする」とは

いわば「自分のニーズだけで相手のあり方を決めること」だと表現できます。

言い換えるなら、自分自身に「パートナーが理想の人でないと困る事情がある」ということなんですね。

「パートナーはこうであってもらわないと私が困るし、嫌だ」といった風に。

若干耳が痛い話のように聞こえるかもしれませんね。

しかし、多くの人が「自分のニーズで他人の印象を決めたことがある」のではないでしょうか。

例えば

仕事ができる人を見るだけで「プライベートもかなりデキる人だ」と思い込んだり。

他にも、自分の子供が良い成績を収めているだけで、「子供には問題がなく悩みもきっとなく、いわば理想の子供だ」と思い込んだり。

全く違うレベルの例であれば

「見た目が外国人さんのような彼、というだけで英語がペラペラ話せると思い込む(そうであってくれないと自分の価値観が狂う)」というケースもあります。

(この場合は代表性ヒューリスティックだとも言えると思いますが)

・パートナーを理想の人扱いしすぎる理由

もし『パートナーを自分にとっての理想の人として扱いたがる」としたら、それはなぜなのでしょうか?

どうして自分の事情だけで人の印象を決め、相手に当てはめてしまうのでしょうか。

その事情の一つが、「自信のなさ」であったり、「今まで満たされてこなかったニーズ」だと考えることができます。

要は、「自分にないと感じている何かを、パートナーを理想の人扱いすることで満たしたい」と感じている可能性があるわけです。

例えば

自分がイケてないと思うからこそ、パートナーはイケてる人がいい、とか。
今までなかなか人に甘えられなかったから、パートナーは私のすべてを受け入れてくれる人がいい、とか。
お金を稼ぐことに自信がないから、パートナーはいつも稼げる人であってほしい、とか。

そう思うことで、相手に理想の姿を当てはめてしまう。

もちろん、二人の関係がそれでもうまく言っているなら問題ないのでしょう。

ただ、ここに潜む問題があるとしたら

「パートナーを理想の人扱いしている最中、こちらは相手の本当の姿を見ていない可能性があること」

です。

パートナーを理想の人に仕立て上げているとき

相手の気持ち、ニーズ、考えなどを尊重しているかというと、関係を維持するためには大切にするでしょうが

相手のありのままの姿を見て、関わってはいないのかもしれません。

パートナーを理想の人扱いしすぎて関係を壊してしまう前にできること

最後に、「パートナーを理想の人扱いしすぎて関係を壊してしまう前にできること」についてまとめます。

・最も重要なことは「気づくこと」

今、自分がパートナーを理想の人扱いしていることに「気づくこと」が重要なことです。

相手に自分にとっての都合のいい役割を(無意識的にであっても)当てはめて接していることに気づくことです。

例えば、良い彼、文句を言わず何でも受け容れてくれる彼女、稼ぎ続けてくれる夫、自分のわがままに付き合い続けてくれる妻、など。

そもそも「パートナーを自分のニーズから理想の人扱いしている」と

それが絶対的に正しいし、そこに問題なんてない、と考えてしまうことが多いんです。

「自分にとっての当たり前は他人にとっての当たり前じゃない」と気づいていないから

関係を壊してしまうまで相手に要求を続けてしまうわけです。

ただ、このテキストを読んで「あっ、私のことかも」「私もやらかしてないかな」と不安を感じた人は、まぁ大丈夫かな、と思います。

なぜなら、この時点で気づく視点を持てているからですね。

・自分の気持ちや考え方を見つめ直すこと

パートナーを理想の人扱いしてしまうパターンを変えるならば

自分の気持ちや考え方を丁寧に、批判せず、どこか客観的に見つめ直すことです。

特に

自分自身が「理想の人でなければ愛されない・必要とされない」と感じていないか、
誰にも言えない不安やニーズを抱えながら生きていないか
自分をどこかで否定的に見ていないか

このあたりを丁寧に見つめ直してみてもいいかもしれません。

特に、いわゆるいい人、いい子の役割を担っているという場合が要注意ですね。

自分自身が「理想の人でなければ愛されない・必要とされない」と感じているからこそ

「(悪意はなくとも)相手に自分と同じようになるように要求してしまうこと」

はよく起こることなので。

これは自分自身も苦しいことだと思うので、自分自身を整える意味でも取り組んでみてもいいことかもしれません。

具体的には

「〇〇な自分でなければ愛されない」という思い込みに気づいて

「〇〇な自分になっていなくても愛してくれた人はいなかっただろうか」と考えてみる

などの方法がありますね。

・相手を一人の人間として尊重すること

これは、パートナーを一人の人間として尊重する視点を持つことです。

僕たちは自分と人とは違うと理解しているようで、その理解どおりに行動できないことが多々あります。

例えば、

自分にできることは他人にもできるだろう、と根拠なく考えたり。
私にとって平気なことなら、他人にしても平気だろうと考えたり。
自分で自分を良くないと感じているから、相手もきっと嫌っているんだろうと強く思い込んだり。

確かにパートナーって今、自分にとって一番身近な人かもしれません。

が、誤解を恐れず書くならば「パートナーは自分とは違う他人」です。

相手にだって意志があるし、今までに抱えたハートブレイクや、逆に成功体験などがあるはずなのです。

その相手の様々な要素を見て尊重することも(完ぺきにできなくとも)大切なことですよね。

最後に

恋愛相手やパートナーに「理想を求めること」は、誰にだってあり得ることです。

その理想があるからより良い関係を求めるようになる、とも言えるのかもしれません。

ただ、だからといって、パートナーに理想を押し付けて苦しめたいと考えている人も少ないものでしょう。

また、パートナーを理想の人扱いしすぎてしまうとしても、きっとそこには事情があるもの。

そんな事情を手放してより良い関係性を作るために、この記事が何か皆さんの参考になればと願うばかりです。

この記事を書いたカウンセラー

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年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。