親の視点が子供の力を伸ばす

「人は、扱ったように振る舞う」
心理学にはそんな言葉があります。

あなたが我が子をどう扱うか、どう接するかによって
その子の振る舞い、人格が形成されてゆくというのです。

 

■信頼したように育つ子供たち

子供は親が信頼したように育ちます。

・この子は内気だけれど、優しい子に育つわ
・この子はヤンチャだけれど、リーダーシップがあるな
・勉強は苦手だけど、絵の才能があるのよね

大人でも子供でも完璧な人っていませんよね。
子供なら、なおさらです。

子供たちは、まだまだ成長の過渡期でその才能は未知数。

親がどんな視点で子供を見るのか?によって、我が子がどんな大人に成長するか決まるといっても過言ではありません。

それくらい親の影響って大きいのですね。

 

■子供に託す親の願い

子供をお腹に宿して産まれるまでのあいだ、あなたはどんなことを我が子に願いましたか?

「とにかく健康に産まれてきてほしい」
「明るく優しい子に育ってほしい」

そんなに多くを望まなかったのではないでしょうか?

けれど、いざ子供が産まれて一生懸命お世話して、子供が成長するにつれ

「なんでこんなことも出来ないの?」
「言わないとしないんだから」
「言ってもしないんだから」

とイライラすることもあります。

健康であればそれでいい。
明るく優しい子に育ってくれれば。

とても素朴でシンプルな願いだったはずなのに、その望みはより高度さを増してゆきます。

でも、それは自然なことだと思うのですね。

「この子が、ゆくゆく社会に出たときに困らないように」
「しっかりと生きてゆける力を持たせるために」

その願いが叶うには、躾や教育は大切ですものね。

その思いは親として当然なのですが、心配のあまり口や手を出し過ぎると、かえって子供に

「あなた、将来そんなことでは困ることになるわよ」
「あなた、そんなことでは生きてゆけないわよ」

というメッセージだけが、子供に届くようになります。

子供が失敗したり挫折するようなことがあったとき、親としては心配になって当然です。

傷ついているだろうな。
ちゃんと立ち直れるだろうか?
自暴自棄になったりしたらどうしよう。

我が事のように心が痛むかと思います。

しかし、ここで親が意気消沈したり、不安に飲まれてオロオロしてしまうと、その親の姿を見て子供はもっと辛くなります。

「あぁ、私が失敗したせいで親まで落ち込ませてしまった」
「僕が、上手く出来なかったせいで親を不安にさせてしまった」

失敗や挫折によって自分を恥じたり責めてしまっているうえに、さらに自己攻撃を強めてしまうのです。

なので、そんなときこそ子供を信頼する目を持ってあげてほしいなと思うのです。

「今回は失敗したけど、次は大丈夫よ」
「まぁ、今はゆっくり休んでもいいんじゃない?」

励ましや労わりの言葉をかける、または黙って見守ることが最善の場合もあります。

その信頼の目が子供を勇気づけ、また立ち上がらせることが出来るのです。

 

■不良少年だった成功者

とあるアメリカの成功者は、とても悪ガキだったそうです。
悪ガキから不良少年へと成長し、中学校にあがるころには学校にピストルを携帯するほどのならず者に。

けれど、ある日父親が再婚します。
その再婚相手に出会ってから、不良少年の人生は変わったのです。

父親の再婚相手である継母は彼に初めて会ったとき、その目をじっと目を見つめて

「この子はとても賢い子だわ」

そうひと言だけ告げ、その後あらゆる場面でも彼を信頼したそうです。

結果彼は、時代を超えて読まれる大ベストセラーを書きあげました。
その不良少年とは、成功哲学のバイブル【思考は現実化する】の著者、ナポレオンヒルです。

私たちの人生を豊かに充実したものにするには、自分を理解し信頼してくれる人が必要だといいます。
人は、誰かからの承認やあたたかい言葉、優しい信頼の目を受けながら、意識的にも無意識的にも実りある幸せな人生をつくってゆくのです。

誰かから信頼されるということは自分への信頼、即ち自信を作る土台となるのですね。

 

■だから親も自分を信じる

子供を育てるって本当に大変です。

信頼が大事だとわかっていても、心配や不安に飲み込まれることも一度や二度ではないかと思います。
なにげないひと言で、子供の自信を削いでしまうこともあるかもしれません。

「あぁ、また怒ってしまった」
「ちゃんと寄り添ってあげられなかった」
「私の言い方が悪かったのだろうか?」

そう自問自答したり自責の念に駆られて、気持ちが沈むこともあるかと思います。

けど、やはり、それも子供を思うがゆえのこと。
そのあなたの思いに、嘘はないはずです。

怒り過ぎても、キツイ言葉を掛けてしまっても、上手く寄り添えなかったとしても、子供のことを思っているその気持ちには自信を持ってほしいのです。

たとえ上手く愛せないと感じたとしても、子を思うあなたのその思いは本物なのですから。

失敗したり間違えてしまったとき、自分を責めて落ち込んでしまっても、そんな自分を許して、また前に進む姿をお子さんに見せてあげてください。

また、そんな自分は許せない、なかなか前に進めない、そんなときは一人でがんばらず、どうぞカウンセリングもご利用になってみてくださいね。

この記事が少しでもお役に立てれば、幸いです。

来週は、那賀まきカウンセラー がお届けします。
どうぞ、お楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。