働き方が変わる時 〜怖れを超えて「助け」を求める勇気〜

先日、赤ちゃんの育児をしながら働いている友人と話す機会がありました。
彼女はとてもまじめで、仕事もバリバリやっている女性なのですが、その彼女には珍しくちょっと落ち込んで、こんなことを言っていました。
 

子どもがいるからって甘えちゃいけない。
自分の仕事は今までどおりちゃんとしなくちゃ・・。
と思っていたのに、
子どもが熱を出したからお迎えに来て欲しいと保育園からの突然の電話がかかってくるたび、仕事を抜けたり、休んだり・・。
ただでさえ人手が足りない職場なのに、迷惑かけちゃって・・。
そのたびに申し訳ない気持ちになる。

職場の同僚は何も言わないけれど、きっと迷惑だって思ってると思う。
子どもを言い訳にしていると思われているかもしれないと思うと落ち込んでしまうの。
 

この話を聞いて
「あ〜、わたしもそんなふうに悩んでいた時期があったなぁ」と十数年前の自分を思い起こしました。
当時の私は、ちゃんと働かないと周りの人から「甘えてる」って思われるんじゃないか?って思っていたので、自分の悩みや弱音を誰かに話すことができませんでした。
そんなこと話しても助けてもらえるわけではないし、甘えたことを考えている自分に嫌悪感を持っていたのです。

カウンセリングでも、そんな昔のわたしと同じような思いを抱えていらっしゃる方のお話を聞くことがあります。
とてもがんばりやさんで、弱音を吐かず、悩みを抱え、踏ん張って、がんばって・・。
そんな人がそれでも抱えきれずにぽろっと吐いた「弱音」。

けれど、その「弱音」を聞いた人に「なに甘えたこと言ってるの!」「泣き言言わないの!」と非難されたとしたら・・・、傷つきますよね。
そして、もう「弱音なんか吐かない!」と心に誓うかもしれません。

このような経験をすると、自分に対して「弱音を吐く」ことを禁止してしまいます。
自分に対して「弱音を吐く」ことを禁止すると、他人の弱音も許せなくなります。
「なに弱音はいてるのよ!」「それくらい、耐えなさいよ!」というように・・・です。

すると、自分がもし弱音を吐いたら、自分が弱音を吐く人を嫌うみたいにきっとみんなも弱音を吐くわたしを嫌うだろう、と思うようになりますます弱音が吐きにくくなるのです。

赤ちゃんを抱えたわたしの友人もそんな気持ちなんですね。

弱音を吐いたら、非難される、嫌われる、と感じている時に「子どもがいるのでいままでのように動けません。」と言い出すのは怖いものです。

でも、言わなければ無理しすぎて、もっと困った状況になるかもしれません。

そうならないようにするには、嫌でも、怖くても、助けを求めることが必要です。

助けを求めても、それを受け入れるか、受け入れないかは、相手が決めることです。
もしかしたら、甘えるなと言われるかもしれません。
でも、もしかしたら、わかったよ、と微笑んで助けてくれるかもしれませんよね。

だから、できるだけ助けてくれそうな人に助けを求めてみることをオススメします。

受け入れてもらえない怖れが強い時、なぜだか人は、一番受け入れてくれなさそうな人に助けを求めてしまうことが多いようです
まるで、「この人が受け入れてくれたら他の人は全員受け入れてくれるはず!」と思いたいみたいに…、「ハードルは高い方が越えがいがある」というように…
でも、このやり方はまるで人の愛を試すようなものだとも言えます。

そうではなくて
自分を助けたいと思っている人はいないかな?
助けたいけどどう手を貸したらいいかわからなくて困っている人はいないかな?
という目で自分の周りを見回してみてほしいのです。

大切なのは、ハードルをできるだけ低くすること。

育児や介護などで、今までと同じように働け鳴きなった時にこそ、怖れをこえて、助けを求める勇気を持ってみませんか?

この記事を書いたカウンセラー

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夫婦関係や子育て、対人関係、仕事、障害児の家族の問題など幅広いジャンルを扱う。特に「ずっと一人で頑張ってきた人が『より楽によりよい人生を選択できるようになるサポート』が好評である。 お客様から「無理のない提案で確実に変化できた」「会うと元気になる」等の感想が多く寄せられている。2024/1/1より休会中