“不満”の伝染のリスク

会社は、そしてその中の組織(部署)を一つのチームとして見ると大事にしなくてはいけないものの一つにチームワークがあります。

チームの管理者、経営者の方が考えるのは手元にある資源、財産である人員とお金、設備などを使っていかにチームのパフォーマンスを上げるか、効率良く物事を進めるかです。

設備や物、そしてお金に関してはこの効率ということに関して言うと見通しが付きやすいものです。
どれくらいのお金と物を投じればこれくらいの期間でどれくらいのものを得られると予想がつきやすいものです。

しかし、人が絡んでくるとなかなか上手く行かないことも多いです。
個人各々の能力、パフォーマンスはこれくらいだから、このレベルの人がこれだけ居るのなら、これくらいの期間でこれくらいの実績を上げられるだろうと予想します。
しかし、これがなかなか思ったようには事が進まない、予想していたものが手に入らないことは少なくありません。

こういった時、こういった場合はチームのパフォーマンスが低下している状態なのですが、このような時はチームワークが乱れている、チームの各メンバーの足並みが揃っていない事がとても多いものです。
すると気にしなければいけないのは「何がチームワークを乱しているか?」、「何が原因でチームの足並みが乱れているか?」なのですが、これがとても見えにくいものだったりします。

その要因の代表的なものの一つが個人が抱える“不満”だったりします。
不満はそれを抱いている人のパフォーマンスを大きく低下させます。
それを抱いている人の“やる気”を大きくそぎ落とします。
そして不満の性質の一つに周りの人に“伝染しやすい”という点があります。
ちょうどチームを蝕んでいく病魔と言えるかもしれません。

もともとは良いチームだったのに、各々の能力、ポテンシャルは高いのに、一人のメンバーが不満を言い始め、その状態が継続すると最初は一人のメンバーのパフォーマンスの低下だけだったのがその周りの人のパフォーマンスも低下し、結果的にチームのパフォーマンスが思いのほか低下していくというケースは本当に多いものです

不満が出やすい、不満を言ってしまう時というのは心理学的に見るとその時に嫌な感情、ネガティブな感情を抱いている状態と見ることが出来ます。
そして不満を言うにはそれを言う目的があり、それは自分が抱いているネガティブな感情を誰かに知って欲しい、理解して欲しいという欲求を満たすものであったり、不満を言うことによりその際に誰かを否定し悪者にすることにより、その間だけは自分の正当性が証明できていると錯覚し、ネガティブな感情を抱かなくてもいい、感じずらい状況を作ったりするということだったりします。

ただこの“不満”は“不満”を持っている当の本人のみならず周りの方も少なからず影響を受けてしましまいます。
感情は人を介して伝わります。
感情的になっている人が隣にいると自分の感情も少なからず影響を受けます。(そんな人の隣に居るとイライラしたり、怖いと感じたりすることがありますよね)

なので、思ったほどチームのパフォーマンスが発揮できない時はチームに“不満”が発生しやすい環境、状況でないか注意する必要があります。

ネガティブな感情が“不満”の引き金になってしまうことが多いということは、ネガティブな感情が生まれにくい状況、環境が大事と言えます。

会社や部署というチームであることを考えると、生まれやすいネガティブな感情の一つは孤独感、孤立感や無力感だったりします。
人は「誰かの役に立ちたい」という想いがとても強い生き物です。
職場においてもそれは同様で自分が孤立している、独りであるという感覚が強い孤独感、孤立感などのネガティブな感情を引き寄せてしまいます。
また、それらを感じやすい状況だと「自分は役に立っていない感」つまり無力感も出て来やすいものです。

それらが発生しにくい環境、気配り、コミュニケーションを意識、構築するのもとても効果が期待できます。
ましてや最近は自宅勤務、テレワークなども盛んですから孤独感、孤立感を感じやすい環境になりやすい面もあるので今まで以上に気にする必要があると言えるでしょう。
チームを管理、構成する上でネガティブな感情が生じにくくすることは大事です。
また、自分のパフォーマンスがちょっと落ちているなと思ったら自分の心の中にネガティブな感情が以前より増えてないかな?と気にして見るのもセルフマネージメントの一環としておすすめします。

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ありがとうございました

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、夫婦問題(不倫、浮気、セックスレス、離婚)、人間関係の問題を扱うのを得意とする。 どんな事でも受け入れてもらえる、話して楽になった、理論的な視点がわかりやすいと定評である。 自信の経験をもとに、過去の傷を癒し、本来の自分、魅力を取り戻すカウンセリングを軸としている。