嫌な上司とつきあう方法

会社勤めを長くしていると、様々な上司と出会います。
仕事もできて、人間的にも尊敬できる人、仕事はイマイチだけど人間的には尊敬できる人、
文句ばかり言って圧迫する人、指示の変更が多い人etc・・・
「部下は上司を選べない」とはよく言ったもので、定期異動のたびに次にどんな上司が来るのか、期待や不安でドキドキする人も多いのではないでしょうか。自分と相性が合う上司の場合は、特に大きな問題になることは無いと思いますが、相性が合わない嫌なタイプの人が上司となってしまった場合には、果たしてどのように対処すればいいのでしょうか。
ひとつの考え方は、自分が進化するチャンスと捉えてみる事です。
私たちが自分の外の世界、人や状況や環境などを見るときには自分の心の中にあるフィルターを通して見ます。捉え方に自分の心の癖が出るのですね。
例えば、お父さんとの関係で自分の事をしっかりと受け止めてくれなかったと感じていると、「どうせ僕のことなど分かってくれない」という気持ちが働き、社内で父親と同じような権威者的な立場にある上司に対しても「どうせ僕のことなどわかってくれない」という心の偏りがあるので、事実かどうかはさておき、上司の態度にそれを感じてしまう出来事が起こると、「ほらやっぱり」と上司が嫌いになってしまう事があります。
例えて言えば上司の後ろに父親の影を見ている訳ですね。
また例えば、心のどこかで「自分には価値が無い」と感じていると、その事を感じて感情が乱れるのが怖いので、自己価値の証明をするために上司の駄目な部分に着目して「これぐらいの事できなければ。それでもあなた課長?」というような競争的な上から目線で対抗しようと嫌ってしまう事があります。
その上司がなぜ嫌いなのか、相性が合わないのかと自分の心の中を紐解いていくと、そこには自分自身の持っている問題や過去の人間関係により傷ついた事が原因として浮かび上がってきます。
そこを乗り越えられれば、あなたはバージョンアップする事ができ、その上司も相性が悪い上司から普通の上司、あるいはそれ以上の上司と捉え直すことができます。
では、具体的にどのように乗り越えればいいかというと、“許すこと”です。
私たちの心の中は何層にもなっていて、例えば「愛してくれなかった父」という他者攻撃の下側には「愛されない私」という自己攻撃が潜んでいます。
従って、「愛されない私」を許すと、それは「愛してくれなかった父」にまでその効果は波及し、逆に「愛してくれなかった父」を許すと、それは「愛されない私」にまでその効果は波及して同時に許すことができます。
では、許すという事はどういう事でしょうか。
それは、ありのままの自分を認め、人を認める事です。
心の中に期待と「こうあるべき」という観念がると、それに当てはまらない場合私たちは自分も人も裁いてしまいます。
私たちは人間ですから、そんな期待や観念にピタッと当てはまる事はありません。
この期待や観念を手放す事で、人間を人間として認める事ができるようになり、許す事ができるのです。二番目の考え方は、上司の良いところ、できているところを捉えて、それを伝えるコミュニケーションをする事です。
上司の悪いところ、できていないところばかりが気になるとすると、それは、あなた自身も自分の悪いところ、できていないところに注目している事を意味しています。
なぜならば、そのような見方をする心の癖を持っているという事だからです。
私たちは、自分の事を認めてくれる人に対しては、悪い気持ちがしないものです。自分の事をわかってくれている、自分の味方になってくれているという、つながりの気持ちを感じます。
そうなると、上司はあなたに対して優しく接してくれるようになるかもしれません。

三番目の考え方は、「いつでも会社を辞めていい」という気持ちを持つという方法です。
これは、会社を辞めるかどうかは関係ありません。
この気持ちがあるだけで、会社に対する執着が消え、選択肢が広がった感じがして、会社内のある意味小さな空間で繰り広げられる上司との人間関係を客観的に見る事ができるようになります。
私たちは、問題の渦中にいるときには、今目の前にある現実に囚われ、そればかりに着目してしまいます。
だから、辛かったり、苦しかったりするのです。

四番目の考え方は、時間が過ぎて上司が代わるのを待つという方法です。
その待つ期間は、ストレスが溜まるとは思いますが、一番目、二番目、三番目の対応が難しいのであれば、あるいは効果が無いのであればこの方法も致し方ないと思います。
ただ、気を付けなければならないのは、人は雰囲気を察知するという事です。
あなたが上司に対していい感じを持っていない事が伝わると、上司も人間ですから当然あなたに対していい感じは抱かない可能性があります。
そこは、戦うのではなく、台風をやり過ごす感覚で対応されるのがいいかと思います。
ただ、この方法は上司が代わる前提ですから、小さい会社や定期的に異動の無い会社では使えない方法ですね。

以上、いくつかの考え方や方法をお話ししましたが、最も大切なことは、会社を辞める事も含めて、どんな状況であれ選択肢があり、それを選べるのはあなた自身だという事です。

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この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。