誰かに振り回されてしまうとき〜被害者ではなく無害者になる〜

誰かに振り回されてしまうときは、自分に力を与えてあげるとき

急な予定変更や約束のドタキャンなどで、誰かに振り回されてしまって疲れ果ててしまうということがあります。
相手都合の予定変更やドタキャンであっても、なぜか「私が無力だから」「私に魅力がないからだ」「私が悪いからだ」と自分のせいでこうなったのだから相手に合わせるしかないと思ってしまうことが少なくありません。
相手に合わせるしか選択肢がないのでれば、自分をあまりに小さく扱い過ぎているのかもしれません。

今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

仕事だけに限らず、プライベートでも相手都合で予定が変更になってしまうことってあります。

予定していた案件が延期になったり、約束していた時間が急に変更になったりなんてことは、お仕事をしているともしかしたらよくある事なのかもしれません。
また、友達との約束も「ごめん!行けなくなっちゃった!」と言う突然の電話で、キャンセルになってしまうこともあるし、デートの時間に現れない彼に連絡したら「忘れてた。今日はもうなしで!」なんて言われて、「私の時間を返して!」と叫びたくなってしまうなんてこともあったりします。

自分都合ではなく、相手都合です。
ですから、一瞬で被害者ポジションに入ることもできます。
被害者ポジションに入ると、振り回されることになってしまいます。

●被害者ポジションとは?

自分が被害者になるわけですから、加害者がいます。
加害者から何らかの被害を受ける立場ということですので、立場的には弱い立場になります。
加害者が謝罪してくれるなり、言動を改めてくれるなり、何らかの補償をしてくれるなりしないと、自分ではどうすることもできない立場ということになります。

自分ではどうすることもできない立場というのが、被害者ポジションに入ってしまったときに、相手に振り回されてしまう原因となります。

もちろん、予定変更やドタキャンなんていうのは、相手の都合なので、それを伝えられた側に落ち度はありません。
ですから、予定変更やドタキャンを害とするならば、害を加えたのは、それをした側ですね。
害を加えられたのだから、被害者ポジションになるのは当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、これを当たり前にしてしまうと、振り回されてしまうことになるのです。

では、被害者ポジションに入らずに振り回されないためにはどうすればいいのか?

自分自身が無害者になるのです。
被害者ではなく、害を受けていない無害者になるわけですから当然ですが、加害者は存在しなくなります。
加害者も被害者もいない状態が無害者の状態。

「いやいやでも、相手の予定変更によって、私が被害を受けたのだよ」と言いたくなります。
でも、振り回されないためには、あえて無害者を選択する必要があるのです。

被害を受けるのは、相手に依存していたからでもあります。
仕事では特に、仕事を依頼する側に主導権があり、依頼を受ける側はどうしても依存の立場になってしまうものです。
だからどうしても、主導権を握る側に依存してしまって、「予定変更です」なんて言われて何度も振り回されてしまうなんてことが起こってしまいます。
でも、仕事では依存しているかもしれませんが、予定変更になったことをどう捉えるかまで依存する必要はないのです。
どう捉えるかは、自分で決めていいのです。

「仕事をもらっている立場だからな・・・従うしか仕方ない」と捉えれば、被害者になりますが、「予定変更か・・・その間に自分に出来ることは何かな?」とか、「自分の予定で仕事ができるように転職しよう」とか、「予定変更ですか。もうこれ以上は無理なので、今回のお仕事はなかったということにしましょう」とか、捉え方を変えれば、今からのあなた自身の行動を相手に依存する必要がなくなります。
もちろん、取引先にそんなこと言ったら、大変なことになるかもしれないわけですから、対応は大人の対応でいいのですが、自分自身の心の方向性として、相手に従うしか道がなければ、振り回され、自分で道が選べるのであれば、振り回されないのです。

デートのドタキャンだって、楽しみにしていたことは確かでしょうし、そのためのに早起きしたり準備したりしたかもしれません。
だから、ドタキャンされると、とても悲しいですし、「私の時間を返せ!」と言いたくなるかもしれません。
でもこれも、少々意地悪な言い方をすると、その日のあなたの幸せを相手に任せきっていたと言えるわけで、自分の楽しい時間や幸せな時間を相手に依存しているわけです。
もちろん私たちは、お互いがお互いに依存している部分があるわけですから、当たり前と言えば当たり前の事なのかもしれません。

でも、このままだと被害者ポジションになってしまいますから、被害を受けない無害者になる選択が必要です。
「デートがドタキャンになって残念だけれど、せっかく早起きしたし、行きたかった場所へ出かけてみよう」というのもありですし、「度々のドタキャンで私の時間を大切にしてくれないことが悲しいから、もっと私の時間を大切に扱ってくれる人を探そう。今日はその決断をするのに良いチャンスだったな」というのもありです。
自分の幸せは、自分に主導権があるのです。

予定変更やドタキャンは、相手都合ですが、それによって被害を受けないことは可能なのです。
その事象に対して、「私が未熟だからだ」「私に魅力がないからだ」「私が悪いからだ」「私のことが大切ではないからだ」と、自分に力や魅力がないからそうなったのだと捉えれば、被害者ポジションになります。
あくまでも相手都合であり、自分は自分でどうとでも対応できると捉えれれば、無害者になります。

振り回されない人というのは、自分の意見を強く主張できる人ではなく、自分の幸せを自分で選択できる人なのです。
そして、自分の幸せを選択することは、私たち誰もができることです。

今、自分の幸せのために何ができるのか?
今、自分にできることは何か?
今に意識を持ってくると、しっかりと地に足をつけて今の自分に力を与え、選択できるようになっていきます。

そうは言っても、こう言ったことは、何度も何度も練習する必要があるのですが、自分は無力だとか、自分に出来ることはないとか、自分には魅力がないと思ってしまっていると、相手に全面依存してしまって振り回されてしまいます。
予定変更やドタキャンは、相手都合です。
あなたのせいではないのです。
そのことを、思い出してもらえると、振り回されない捉え方ができやすくなるかもしれませんね。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです!
ありがとうございました。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。