「先延ばし」してしまう人の心理~もっとNOを大切にしよう~

やるべきことを「先延ばし」にしてストレスを増やしていませんか?

「先延ばし」にする時は、心に何らかの「葛藤」を抱えているものですが、「イヤだと思ってはいけない」とNOを否認すると、自分の気持ちがわからなくなります。最近「先延ばし」案件が増えたとすれば、無視しているNOが多いのかもしれません。「イヤだ」と思う気持ちを自分に許して、心の痛みを労わりながら、「やるべき」ことの断捨離に取り掛かりましょう。

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こんにちは。カウンセリングサービスのみずがきひろみです。

やるべきことを「先延ばし」して、「覚えておかなければならない」とか、遅れた言い訳が必要になったり、相手の心象を悪くしてしまい、心身ともに余計なエネルギーを使うことはありませんか?

今日は、つい「先延ばし」してしまう、そのココロについて考えてみましょう。

友人から結婚式の二次会のご案内メールが届きました。お祝いはしたいのですが、スンナリ「出席します!」のお返事ができません。目につくように、「重要」マークをつけて、毎日のように「今日こそお返事をしよう」と思うのですが、いつも、より緊急な用件があって、「そちらを片付けたら、ちゃんとお祝いの言葉と彼女のイメージにぴったりのお花の写真でも探して、差しこんでお返事を送ろう」と思い、後回しにします。

仕事仲間から「ちょっといいアイディアが浮かんだんだ。君の顧客層にぴったりのサービスだと思うから、今度、説明させてもらえないだろうか?」とメールが入ります。この人が言うのですから、悪い話ではないはずなのに、ちょうど仕事が立て込んでいて、その「ちょっと」の時間を割くまでに至りません。「いい話になるかどうかネットで下調べをしてから返事をしよう」などと思い、先延ばししてしまいます。

大好きなアーティストのコンサートに、いつも「行きたいなぁ」と思いながら、「まだ先のことだから」と「先延ばし」しているうちに気がついたら満席だった、なんてことを繰り返している方もいらっしゃるでしょう。

さっさと行動に移せたなら、どれほど時間も労力も節約できて、気分もいいことか。なのに、どうして私たちは、このように自分を不利な状況に追い込んでしまうのでしょう?

私たちが、行動を「先延ばし」してしまうときというのは、心に何らかの「葛藤」を抱えている時です。

「結婚式の二次会に行きたい」。でも、「行きたくない」。
「新しいサービス」を導入したい。でも、「導入したくない」。
「コンサートに行きたい」。でも、「行きたくない」、と思っているのです。

「結婚式の二次会に行って、お祝いしたい」気持ちがあっても、そこで「他の誰か」と「会いたくない」のかもしれません。

あるいは、「お友達のことは好き」だけれど、失恋から立ち直っていなくて幸せそうなお友達を見ると悲しみが上がってきそうで「行きたくない」のかもしれません。

あるいは、お友達と仲良くしていたけれど、彼女に言われた一言に傷ついていて、本当は「素直にお祝いしたくない」のかもしれません。

「アイディアは聞きたい」けれど、もうこれ以上「忙しくしたくない」のかもしれません。でも、「忙しいと言ってはいけない」と思っているのかもしれません。

「コンサートには行きたい」けれど、それ以上に優先したい、例えば、「密かに想いを寄せている彼との偶然のデート」とかがあって、そのために「スケジュールを入れたくない」と思っているのかもしれません。絶対にNOと言いたくないことのために予定を空けておきたいのかもしれませんね。

「先延ばし」をしてしまう人は、このNOが苦手な人です。「イヤだ」という気持ちを「思ってはいけない」と否認すればするほど、「葛藤」は心の奥底に潜り、当人にすら気持ちがわからなくなります。そして、

「結婚式の二次会に行くべきだ」、
「新しいサービスを導入すべきだ」、
「コンサートに行くべきだ」、

と心の中で、「べき」が幅をきかせるようになるのです。「べき」だから「やらなくっちゃ」と気持ちをねじふせるように行動しようとします。

「先延ばし」は、そんな無意識に追いやられた「イヤだ」という気持ちのささやかな抵抗なのです。

「先延ばし案件が増えてきたな」、「わけがわからないけれど、心が窮屈で疲れるな」と思ったら、それは「イヤだ」と思う気持ちを自分に禁止しているからかもしれません。

そんなときは、まず自分の口癖をチェックしてみましょう。

「早くお返事をするべきでしょう」。
「もっと丁寧にご挨拶するべきでしょう」。
「ちゃんとおつきあいするべきでしょう」。
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「ちゃんと家事はしなくっちゃ」。
「子どもはもっと愛さなくっちゃ」。
「彼にもっと優しくしなくっちゃ」。

はぁ。「べき」だらけではありませんか?

「もう、イヤだー」。
「やりたくなーい」。

そんなあなたのNOにも、耳を傾けてみませんか?「やりたい」のに「やりたくない」のには、必ず理由があります。

「疲れちゃった」のかもしれませんし、「やきもちをやいている」のかもしれませんし、「自分は失敗しちゃったから、もうダメ」と思っているのかもしれません。いずれにしても、ハートに「痛み」があるのです。

怪我をしたときは、傷口が乾くまでガーゼや絆創膏で労わりますよね?心に「痛み」があるときも一緒です。必要なのは、「あなた」ご本人の、「痛み」への思いやりです。
NOが答えかどうかはわからないけれど、「やるべき」なのに「やりたい」と思えないのだとしたら、それは「痛いよ!」というハートからのサイン。

そんなときのお返事は、YESでもNOでもなくて、「行きたい気持ちはあるのですが、都合がつくかわかりません。ギリギリまで待っていただいてもいいですか?」。

この「先延ばしのお願い」ができる勇気を見つけられると、NOはぐっと言いやすくなります。相手から時間の猶予をいただいて、落ち着いて自分の気持ちに耳を傾けましょう。そして、「やるべき」ことを整理しませんか?

それは、「やるべき」だし、本当は「やりたい」ことですか?
それとも、「やるべき」かもしれないけれど、「やりたくない」ことですか?
ひょっとして、「やるといい」かもしれないけれど、「やらなくてもいい」ことではありませんか?

ここまでくると、心の自由を手に入れるまで、あと一歩です。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

みずがき ひろみ

感情や感覚といった女性性をフルに使い、心のブロックを外すカウンセリングが得意。「目からウロコが何枚も落ちる」と見方が変わることに定評がある。 深層心理に眠る「願い」を掘り起こす「癒し」を通して、人生の豊かさを受け取りたい人の、恋愛、ビジネスでの自己実現をパワフルにサポートしている。