男女関係が教えてくれるもの

男女関係は隠しようもない対人関係のパターンそのもの

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

私が心理学を学びはじめたころ、なににいちばんびっくりしたかというと、うちの先生が、男女関係の心理について、徹底的にわれわれに教えてくれたことでした。

私の中では、心理学と男女関係はあまり結びついていなかったのです。

ですから、実践的でおもしろく、興味深いとは思いましたが、「なぜ、ここまで男女関係のことを深く掘り下げて見ていく必要があるのか?」という疑問をもっていたものでした。

男女関係とは、血のつながった親子関係とは違い、赤の他人でいちばん近い人間関係です。その他人とは、あなたのことを基本的にいちばんわかってくれていて、愛そうとしてくれている他人です。この、『いちばん自分と近しい他人』との関係(男女関係)を見ることによって、あなたの隠しようもない対人関係のパターンが見えてくるのです。

私は仕事上、経営コンサルティングのようなことをすることもありますが、とくに、起業がうまくいき、短期間で大成功した若手実業家の相談を受けるときは、奥さまとのパートナーシップや家族関係のパターンを見ていきます。

経営と家族関係は、一見、なんの関係性もないように思えますが、じつはとても重要なのです。

たとえば、あなたが六本木ヒルズにオフィスを構えるような、大成功した会社の経営者だったとします。この場合、あなたがあまりにも短期間で大成功したカリスマなので、あなたのまわりにいる従業員は、みんながみんな、あなたを疑うことなく支持します。

その結果、あなたの悪いところを注意したり、意見を言ってくれる人はすごく少なくなるはずです。さらに、従業員ですらそうなのですから、あなたの取引先の人たちはもっとあなたに気をつかうし、全面的にあなたに合わせようとしますので、だれもあなたに注意することはないでしょう。

ところが、そんなあなたに、唯一、文句が言え、ケンカできる人がいます。

それは、あなたの奥さまと子どもです。従業員や取引先の人たちが飲み込んでしまったあなたへの不満を、奥さまはけっして飲み込みません。

言い換えれば、あなたの対人関係のパターンで、いま、直しておいたほうがよいことがある場合、それを提案できる人は、唯一、奥さまと子どもだけというわけです。

たとえば、奥さまが、「あなたは、私のことをコントロールしてばかり。いつも上から私を押さえつけようとしているわ」という不満をもっているとすると、同じ不満を従業員ももっていることが多いものです。従業員に対しては、奥さまとの関係以上に気をつかいませんから、もう少し露骨な形で、必ず同じパターンが出てくるものなのです。

ビジネスを起業し、成功させている経営者というものは、たいがい、とても自立的でリーダーシップの才能にあふれています。

すると、どうしても、奥さまや従業員の多くは依存タイプになりがちです。そして、そうした依存タイプの人に接するパターンとして、相手が奥さまか従業員かということには関係なく、同じ法則を当てはめて使っているのです。

また、実業家の人は、毎日、忙しく過ごしているものですが、そんなご主人をもつ奥さまが私どものワークショップに参加されることもしばしばあります。

ご主人が一人であまりにもなにもかもできてしまう人だと、奥さまは深層心理で、「主人が自分に与えてくれているほど、私は主人に返せていない」と思っていることが多いものです。

すると、そのぶん、だれかや、なにかを、助けたり、救ったりすることで、心のバランスをとろうとしたりします。経営者の人たちからよく受けるご相談に、「妻が宗教にひどくハマッている。どうしたものか・・・」というものがあるのですが、「奥さまは、ほんとうは、あなたをもっともっと愛して、与えたいのですよ」と言うと、びっくりされることがとても多いのです。

男女関係は、イコールパートナーという表現を使いますが、あくまでも対等でないとうまくいかないものなのです。われわれは、男女関係における親密感を、昔々、子ども時代に、親との間でもった親密感とついつい比べてしまいます。すると、どうしても、そこに不満が出てきてしまうのですが、親子関係とその他の人間関係は違います。

あなたの面倒を見るために、人は存在するわけではないのです。親のように、だれかを自分の面倒を見る役に当てはめようとしてしまうと、その対人関係はたちまちうまくいかなくなってしまうものなのです。

男女関係がうまくいっているということは、すべての対人関係の成功を意味します。だから、男女関係のパターンを学ぶことは、とても役に立つのです。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平 準司

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。