癒しのツボ

あなたも、あなたの心にしっくりとくる癒しの方法を探してみるといいかもしれませんね

こんにちは 平です。

私の知り合いに芸術家が一人いるのですが、彼はとても手のかかるたいへんな人です。

感受性が豊かすぎるというか、彼はものすごく直感的な人で、独自の世界観をもっています。

たとえば、梅雨の合間に雲一つない素晴らしいお天気の日があったとしたら、彼はその日を「天使たちがコーラスを歌っているような晴天だ!」と言い、実際に天使たちが大空を舞い、歌を歌っているような絵を描いたりするわけです。

反対に気分がすぐれない日は「地面の底から亡者が出てきて、僕を引きずり込もうとする」と言い、そのような不気味な絵を描いたりします。

彼の奥さまは彼の才能をだれよりも認めており、彼のいちばんの理解者でもあるのですが、彼が落ち込んだときなどはなにをやっても浮かび上がってきてくれないので、かつてはとても苦労されたようです。
彼独自の世界観が奥さまにはなかなか理解できなかったわけです。

しかしながら、最近では、彼が闇の中にハマッてしまったときなども、彼の感性を刺激するようなことが上手に言えるようになったようです。

「人間であるこの私すら、あなたを救いたいと思っているのよ。天使や神様があなたを見捨てることなどないわ。私の目を見てちょうだい。きっとその目の中に、天使や神様の目もあるわ」というように。

そして、彼は奥さまの目の中に、奥さまの愛をはじめいろいろな愛があることを感じると、一転、創作意欲が湧き、ものすごい大作を書いたりするそうなのです。

最近では奥さまは、「夜にしか星が見えないように、闇の中でしか光は見えないのよ。フフフ」などと、哲学者のようなことを言ったりしているようです。

芸術家や音楽家、役者さんなど感覚的なものを仕事にしている人たちの多くは自分独自の世界をもっています。が、その世界があまりに独自であるがゆえに、孤立したり、ひとりぼっちで苦しんだりするようなこともしばしばあるです。

そのだれもが、先ほどご紹介したようなパートナーに恵まれているわけではありませんが、それぞれの癒しのスタイルをもっているようです。

それで思い出したのですが、昔、ある受講生に、自分の感情を使いながら絵を描いてもらったことがありました。

彼は自分と父親との関係を言うならば、ものすごく恐い顔で怒るおとうさんの絵を壁にピンで貼っているようなものだと表現してくれました。どうしても、その怒った顔のおとうさんのイメージを崩せなかったのです。

そこで、彼に4歳ぐらいのときのマインドになってもらい、おとうさんの絵を描いてもらったところ、ようやく彼は笑顔のおとうさんを描くことができたのです。

それはまるで幼稚園児が書くような、とても下手な絵でした。彼にとっては、それぐらい無邪気なマインドを使わないかぎり、屈託なく笑うおとうさんの顔を思い出すことができなかったのでしょう。

その笑顔のおとうさんの顔は彼を癒すシンボルとなり、それ以降、彼はだれかと対立したり、だれかに怒りを感じたりすると、その人の笑顔の絵を描いてみることで、自分の中で心の折り合いをつけていくようになりました。

その後、私は彼にこんなことを言ってみました。「4歳のときの無邪気なきみが笑顔のおとうさんを思い出したんだよね。こんどは4歳だったときの自分の笑顔の顔を描いてみて」。彼はそこからスタートし、1歳ずつ年齢を進めながら、笑顔の自分の絵を描いていきました。

彼曰く、13歳から17歳の間が、笑顔の自分がいちばん描きにくかったとのこと。
しかし、自分のすべての年齢の笑顔を描き終えたとき、彼は自分で自分の心をなだめたように感じることができ、彼にとっての大きな癒しは完了を迎えたのです。

人それぞれ、いろいろな癒し方があるようです。あなたも、あなたの心にしっくりとくる癒しの方法を探してみるといいかもしれませんね。

 

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平 準司

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。