気にしすぎる人の心理 〜対人関係の緊張を解くには〜

気にしすぎてしまうのはなぜ? 心理的な理由と対処法

気にしなければいいのはわかっているけれど、それでも気になってしまうと悩んでいませんか。今回は、人がどう思うかが気になる、正解が気になる、うまくいかないことが気になる、自分のダメなところが気になるといった4つの観点から、対人関係で気になりやすい心理とその対処法をお伝えします。

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いろいろなことが気になって仕方がないという人がいます。人に相談すると「気にしすぎ」と言われるし、自分でも「気にしなければいい」とわかっているけれど、それでも考えるのをやめられないのは悩ましいでしょう。

今回は、4つの観点から対人関係で気にしやすい心理と、その対処法をお伝えします。

●人がどう思うかが気になる

気にしすぎる人は、人と接するのに緊張して気を遣い、他人の顔色をうかがって疲れやすいです。人のちょっとした言動から、不快に思ったのではないか、怒ったのではないか、機嫌を損ねたのではないか、期待に応えられなかったのではないかなどと不安を感じやすく、他人のネガティブな感情に過敏に反応する傾向があります。

そして、他人の不機嫌の原因を「自分のせいかも?」と自分と結びつけ、「自分の何がいけなかったのだろう?」「どこが間違っていたのだろう?」と考え過ぎてしまうようです。「自分のせいかも?」と過剰に心配するあまり、現実的ではない想像をすることもよくあります。

この場合、心には安心感が不足しています。ホッとする・くつろぐ感覚のスイッチがオフになっている状態です。そこで、自分に優しく接してくれる人や、自分に笑顔を向けてくれる人のことを思い出してみましょう。また、これまで自分がしたことを喜んでくれた人や、感謝してくれた人を思い出してみましょう。

安心が感じられると、「大丈夫」「なんとかなる」「まあいいか」などと思いやすくなるでしょう。すべてを自分のせいと決めつけずに、「相手の事情を理解しよう」とする心の余裕も持ちやすくなります。

 

●正解が気になる

気にしすぎる人の中には、「普通になりたい」と望む人が少なくありません。「自分は変わっている」「自分はみんなと違う」などと思っていると、自分の外に正しい答えを見つけようとします。「普通は」「常識的には」「正しくは」と必要以上に正解を探そうとして、周囲の人の反応が気になってしまうのです。

また、自分の感覚や選択・決断に自信が持ちにくいと、「これで良かった」と納得して気持ちに区切りをつけにくいでしょう。迷いや落ち込みを長く引きずってしまいます。

この場合、「自分は間違っている」という誤解があるようです。本来、感じること・思うことは自由です。しかし、何らかのきっかけで自分の感じ方や考え方を否定して、抑圧するようになったのでしょう。

もう一度、「私は○○と思う」「私は○○と感じる」と自分の気持ちを大切にしてみる必要があります。そして、自分の軸を取り戻していきましょう。自分と人は同じ部分もあるし、違う部分もあると認められるようになると、周囲の反応に振り回されにくくなります。無理して他人に合わせなくてもいいと思えるようになりますし、「自分から断る」という選択肢も持てるようになるでしょう。

 

●うまくいかないことが気になる

気にしすぎる人は、ネガティブな想定が得意です。これは最悪の事態が起きた時のショックから心を守るための準備でしていることです。問題になりやすいのは、最悪ばかりを気にして、最高にうまくいった時のポジティブな想像を忘れがちなことです。両方を想像できれば、極端にネガティブに傾くことはありません。

また、何事も完璧にしなければならないという完璧主義があると、うまくいかないことや不完全さが許せなくなります。例えば、100点満点のテストで95点を取っても自分を評価できず、残り5点の失敗を後悔します。また、些細なミスを取り返しのつかない失敗のように感じることもあります。

この完璧主義は、責任感が強い、向上心があるといった面では長所になります。しかし、完璧にするために考える時間が長くかかる、完璧にできる自信がないと行動にうつせないといった面では、気にしすぎの原因にもなるものです。

対人関係では、自分の不完全さが気になるのと同様に、他人の不完全さも気になりやすいでしょう。そして、人の欠点に厳しくなると、同じ厳しさで自分も見られると思うので、ますます完璧主義に自分を追い込んでいきます。

完璧主義ゆえに気にしすぎるのなら、要求水準をゆるめるとか、評価する方法を減点法ではなく加点法に変えてみましょう。自分にも他人にも寛容になれるでしょう。

 

●自分のダメなところが気になる

気にしすぎる人は、自分のダメなところやできていないところに注目しがちです。そして、自分が自分に否定的な分、人からも否定されると思うので、「何とか改善しなければいけない」と考えます。しかし、自分のダメさと向き合うと、自信をなくしやすいのです。

自分のダメさを気にならなくするには、むしろ自分のいいところを自覚するのが効果的です。気がついていないだけで、いいところやできているところはたくさんあるはずです。ダメなところもあるけれど、いいところもあると思えると、自分は自分でいいと認めやすくなるでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。