過去の嘘から逃げたい

相談者名
さみ
過去にほんの遊びのつもりの行為で他人を傷つけてしまったこと、本当は薄っぺらでしょうもない人間なのに、構われたい、虚栄心を満たしたい一心で安易に嘘を重ねたことを思い出すたび、後悔して消えたくなります。

小学生の時、知らない先生と話をするのが恥ずかしく、病欠する近所の上級生の連絡帳を先生に渡さず花壇に放置しました。

一番仲が良かった子の靴を隠したまま帰宅しました。
靴隠しは近所で普通にやっていた遊びで、私の靴も隠されて見つからないこともあったので、ひどい悪意はなかったと思います。
が、苦情のたびに母が謝っていたようで、随分恥をかかせたと今思うと心苦しいです。

中学では無視されたり聞こえるように悪口を言われたり、電話で「死ね」と言われたこともありました。
班分けで「あの子は要らない」と言われるほど嫌われていました。

高校では訳のわからない嘘つきになりました。
二人姉弟なのに三人姉弟だと言ってみたり、子供の頃に少しだけ通った剣道で段を取ったと言ってみたり。
それを聞いた子の「嘘はつかないで、真剣に取り組んでいる者はムカつくし、絶対すぐにばれるから」という言葉にも真剣に向き合わず、その後も虚言を重ねました。

趣味のサークルである女性と親しくなり、私はなんとか彼女に注目して欲しくて(彼女は世話役でサークル内に友人が多かった)、彼女が興味ありそうな話を嘘レベルまで盛ったり、居もしないすごい友人をでっち上げたり、経歴を偽ったり。

こんな人間だったので小学校〜大学で友人と呼べる人は残っていません。
数人、年賀状をやりとりしているだけです。
サークルの彼女とは二十年以上付き合いが続いていますが、ルームシェアをするなど仲良くなればなるほど親しくなるのに嘘をついたことが後ろめたく、激しく後悔しています。

今は発言するときは嘘をつかないように気をつけていますし、連絡をくれる人には季節のご挨拶だけでも丁寧に接するように心がけています。
仕事は幸い人間関係も良好で、評価もいただいています。

ただ思い出に萎縮したまま陰鬱に生きていくのがつらいです。
「人を傷つけた分、私も友人を失ったのだ」と折り合いをつけて過去を見ないようにするのは自分勝手でしょうか?
私は今後どのような心持ちで生きていけばいいのでしょうか。
何かヒントをいただければ嬉しいです。

カウンセラー
大谷常緑
さみさん
こんにちは。はじめまして。
ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

今では、“仕事は幸い人間関係も良好で、評価もいただいています”とのこと、何よりだなぁと思いました。
しかし、過去の、心に刺さった棘が抜けずに苦しんでおられるのはとても辛いことですね。
この心の棘が癒えるお手伝いができればと思い、回答させていただきます。

さて、さみさんは、子供の頃から随分と自分は駄目な人間だと思って生きてこられた方なのだろうと思いました。
だから、恥ずかしがり=自信がない,ありのままの自分では駄目だと思うので大きく見せたいなど、頭ではなくほとんど感情レベルの反応としての言動をされてきたのだと思います。
その原因は、多分親に認めてほしいけれども認めてもらっていないというようなところから出てきているのではないかと思います。
そして、駄目な自分を確認するように、昔の思い出を反芻しておられるのではないでしょうか。

私たち人間が、良い悪いは関係なく、そうするには訳があります。
従って、さみさんが嘘をつかれるには、そうせざるを得なかった理由があるはずです。
正しいかどうかはひとまず横に置いて、自分がなぜそんなことをしなければならなかったかということと、まずは向き合ってみられてはいかがでしょうか。
“過去の嘘から逃げたい”とのご依頼ですが、実は逃げようとすればするほど、それに対する意識が高まりいつまでも追いかけられるものです。
むしろここは、過去の嘘と向き合う方が心の傷が癒えます。
たとえて言えば、盲腸炎を見て見ぬふりをして放置して痛みに耐えるよりも、バッサリと手術をしてしまった方が後が楽というのと同じです。

その具体的なやり方の一つとして、その頃の私を受け容れるという方法があります。
一例として、“小学生の時、知らない先生と話をするのが恥ずかしく、病欠する近所の上級生の連絡帳を先生に渡さず花壇に放置しました”ということを例に考えてみましょう。
そうした頃のあなたと、今の私が向かい合ってお話しすることをイメージしてみてください。ここで重要なことは、“いい”“悪い”という判断はしないことです。
そして、今のあなたから子供の頃のあなたに「どうしてそんなことをしたの?」と優しく問いかけてみてください。
そして、その頃の自分が話す事柄に受け容れる気持ちを持って十分に話を聞いてあげて下さい。
きっとそうしなければならなかった理由がそこにはあり、そして今のさみさんであれば、それが十分に理解できるはずです。そうすると、自分を責める必要がなくなります。

ところで、さみさんはとてもまじめな人で、常に自分が抱いている理想と現実の自分の間にギャップを感じられ、そこをご自身で攻める癖をお持ちのようです。
今後の人生をより楽しく生きられるためには、そして自由に生きられるためには、この癖も薄めていかれるといいのではないかと思います。
そのためには、お気楽になる癖をつけてください。
それには、何があっても「まっ、いいか」「これでいいのだ!」「なるようになるさ」を口癖にしてください。
そのうち、本当にそんな気分になることができるようになります。
そうすると、過去の事柄が、いつか笑い話にできるようになります。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大谷 常緑

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。