「自分嫌い」からの卒業(2)〜自分嫌いでいる理由(わけ)を考える〜

自分嫌いにも事情や理由がある

心理学では、起きてることには意味があり、今の状態を自分自身が選んでいる、と考えます。つまり、自分嫌いという状態も誰かにお願いされて、命令されて選んだものではない、と考えるわけですね。だから、自分嫌いからの卒業を考えるとき、「自分嫌いでいることの理由と、その意味」が避けて通れないテーマになります。

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心理学では、起きてることには意味があり、今の状態を自分自身が選んでいる、と考えます。

つまり、自分嫌いという状態も誰かにお願いされたり命令されて選んだものではない、と考えるわけですね。

だから、自分嫌いからの卒業を考えるとき、どうしても避けて通れないテーマがあります。

それこそが「自分嫌いでいることの理由と、その意味」です。

不思議に思われるかもしれませんが、自分嫌いでいることに、ある一定のメリットを感じていることが多いのです。

もちろんこれは誤解であることが多くて、実際に自分嫌いから卒業すると「メリットだと思っていたけれど、実は多大な代償を払っていたのだな」と理解できることが多いです。

しかし、自分嫌いでいるうちは、自分を嫌っていたほうがなんだか自分に馴染むし、嫌うことで得られる効果(メリット)を手放せずにいることが多いのですね。

これも一つの「感じ方」や「今抱えている感情の影響」と見ることができるのですけれども。

では、自分嫌いでいる理由とはどんなものがあるでしょうか。

いくつか代表的なものを列挙していきたいと思います。

 

○自分嫌いである理由

1.自分嫌いの状態に馴染んでいて、それが当たり前だと感じている

そもそも自分の生育環境などで、「自分を嫌っている人」と当たり前のように接していると、それが自然で当然のことなのだと学ぶんですね。だから、感覚的にも「自分を好き」ではなく「自分が嫌い」という感覚のまま過ごしていることが多いんです。

特に家族やご両親が自分嫌いだった場合、子供はその感覚をお手本にしたり、そのまま受け容れてしまうこともあります。例えば母親が自分に厳しい人(自分を責めている)としたら、子供は「大人になるってそういうことなんだよな」と学び取るわけです。

ここでのメリットは調和です。自分が周囲から浮いた存在にならないということですね。

だから、子供が家以外の場所、例えば学校や会社などで「自分のことが好き」と感じている人と触れ合うことで「え、そんなに自分のことが好きなんだ」と驚いちゃうことも少なくないようです。

そういった他の人との出会いによって、もう一度「自分を好きになる、認める」ということを学ぶこともできるわけですね。

 

2.辛い感情を我慢するため

これが最も分かりやすい理由かもしれません。自分自身になにか辛いこと、苦しいこと、受け入れがたい事が起きたとき、「自分がダメだからこういう目に合うのだ」と、受け入れがたく辛い感情、状況受け止めようとするわけですね。

本当は「自分がダメだから、ひどい人間だから」辛い目に会うとは限らないのですが、つい自分を嫌ってしまうものです。

だから、辛いときに辛いって言っていい、と思えない人が多いですし、「自分は頑張り続けなきゃいけないんです」と思っている人が多いですね。

そもそも「辛い」と感じること自体が、惨めさ、恥だと感じていることも多く、その生育過程でも誰にも頼れなかった、頼ることを許されなかった、などの経験をした人に多いパターンといえます。

 

3.自分に罰を与えるため

これはいわば罪悪感の効果なのですが、今までの自分が「愛する人を傷つけてしまった」「大切な人を助けられなかった」「大切な人を喜ばせることができなかった」「むしろみんなの邪魔で足を引っ張っている」と感じていて、その自分を嫌っている、という状態です。これも比較的理解しやすいものかもしれませんね。

実は自分が誰かを愛していた、助けようとしていたのですが、それがうまくいかなかった現実を使って「自分はそれだけひどく残酷なことをした」と自分を責め続けているわけです。

だから、自分を認めたり、好きになること自体がタブーになるんですね。

この手の罪悪感はかなり手強いので、じっくり時間をかけて「自分を理解し、許す」ということに取り組むことが自分嫌いを卒業するための方法となります。

 

4.自分を愛する人への復讐

「自分を嫌い、幸せにしないことで、自分のそばにいる人達を困らせ、罪悪感を感じさせよう」とする(無意識的な)パターンです。意識的に行っている人もいますけどね。

自分を嫌い、傷つくことで、自分の親、家族に幸せ感を与えないようにするという、なかなか分かりにくい話ですが、これは意外と多いパターンとも言えます。

 

5.親や彼・彼女などを理想化しているため

これは更に分かりにくい話ですが、僕たちは親、彼、彼女、先輩、上司などを、どこか理想化して見ていることがあるのです。

たとえば「自分の親には問題がないのに、自分には問題がある」というケースが典型例で、親は立派で優秀なのに自分はそうでもない、と思ったとして、その理由を考えたとき「親だって問題があるじゃん」と親の価値を引き下げるケースもありますが、「あぁ、自分がダメなんだ」と自分の価値を下げちゃう場合があるんですね。

すると、ダメな自分が愛されるとは思えないので、親を理想化するようになるのです。

心理学でいうところの「理想化」とは、自分の周りに尊敬できる人がいることで、幸せや充足感を感じたり、また大変なときに気持ちの拠り所として心の安定を得たり、取り戻したりすることを意味します。

つまり、自分を嫌い、親を理想化していれば、自分がダメだと感じなくてすむ、というわけです。だから、自分嫌いはやめられない、ということになる。

これは親だけでなく、彼・彼女・先輩・上司など、いろいろな人に対して起こりえることです。

ここに上げた理由以外にも、例えば「自分を嫌っているとこれ以上責められないような気がする」などの理由はあろうかと思います。

このような理由を見つめていくことで、また一つ心のブロックが外れ、自分のことが好きになりやすくなるでしょう。そのための参考にしていただければ幸いです。

>>>『「自分嫌い」からの卒業(3) ~自分が嫌いでもいい気分を感じるときもある~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。