誰かとの関係性が重いという問題(3)~罪悪感という切り口で考えてみる~

わざわざ選んでいるつもりはないのに、なぜか付き合う男性は、ダメンズばかりというパターンにはまっている女性は多く存在します。

これは無意識的にダメンズに魅力を感じてしまっていることが原因であることが多いのです。意識的には、素晴らしい男性を望みつつ、無意識的にダメンズに魅力を感じてしまうのには、ちゃんと理由があるのです。ダメンズとお付き合いすることで、感じなくていいものがあるのです。

母親が子供に関わりすぎてしまい、子供がうっとおしく感じるとか、彼が彼女と常に一緒に居たがるので、彼女が彼のことをうっとおしく感じてしまうなどのように、誰かとの関係がうまくいかないということはよく起こるようです。

実際にカウンセリングでも、ご相談が多いジャンルのひとつになります。今回の心理学講座では、このような問題を、違った角度からシリーズで解説していこうと思います。

今回は、「罪悪感」という目線でこの問題を解説していきます。

罪悪感とうのは、この心理学講座でもお馴染みの感情ですね。
私達誰もが、多かれ少なかれもっている感情でもあり、様々なことに影響を及ぼす感情の一つです。

罪悪感について詳しくは、他の心理学講座を参考にしていただけるといいのですが、簡単に説明すると、「自分は悪い人間である。だから罪を償わなければならない」というものです。もちろん悪いことをしてしまったら、その行動を真摯に受け止め反省し、謝罪することは大切です。

ですが私達は、「そんなことで」というようなことでも、罪悪感をもってしまいます。

例えば、子供が小さい頃に、お母さんが病弱であまり子供の面倒をみられなかったとしましょう。
それは、病気があったからであり、仕方ないことです。
子供自身もそのことで、母親を恨んでいるということもありません。

でも、お母さんは、子供に対して申し訳なかったと罪の意識をもっていたりするのです。

その結果、大人になった子供に対して、罪滅ぼしのように面倒を見つづけるということが起こったりします。
大人になった子供と一緒に出掛ける機会を、たくさん設けたり、恋人に渡すプレゼントを代わりに買ってきたりすることもあります。
家事一切を引き受け、子供がやるべきことも、全部罪滅ぼしに母親が肩代わりしてしまうのです。

子供としてはありがたい反面、今更お母さんとばかり出かけたいわけでもないし、ほとんどのことは自分でできるわけですから、あれこれと世話をやかれると、重く感じてしまうことになります。

また、恋人同士ですと、こんな例があります。

彼は仕事が忙しくて彼女となかなか会えない。
彼女に寂しい思いばかりさせて申し訳ないと罪悪感をもってしまう。

その結果、彼女の誕生日に、無理をして高価なプレゼントをたくさん渡すのです。
彼女としては、嬉しいという気持ちもありますが、それよりも、彼の経済的負担も心配になるし、あれもこれもと多すぎるプレゼントに対して負担に感じてしまいます。

彼に悪気はありませんが、彼女の気持ちはお構いなしで、自分の罪悪感にだけ目が向いてしまっている状態です。

こうなると、彼女は彼のことを、重いと感じてしまうことも少なくないのです。

罪悪感というと、悪いことをしてしまったものだと思われることが多いのですが、私達がもつ罪悪感で一番多いのは、「やらなかったこと」に対する罪悪感です。

「面倒をみられなかった」
「やさしくできなかった」
「愛せなかった」
「頑張れなかった」

などの、「やらなかったこと」に対する罪悪感は、意外に多く持っているものなのです。

罪悪感がもとで、関係性が重いものになってしまっているのであれば、「自分を許す」ということがテーマになってきます。

相手が罪悪感をもっている場合は、相手を許すということです。(ただし、その許しを相手が受け入れるかどうかは別問題ですけどね)

相手を大切に思っているから、相手のことを考えて何かをすることは、悪いことではないのですが、その根っこに罪悪感があると、押しつけがましくなったり、相手に重いと感じさせてしまうことがありますので、自分を許すということにチャレンジする必要があります。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。