自分以上に愛せる人がいても、なぜか報われない恋になる理由

いわゆる自分の居場所の影響は大きなもの

恋愛やご夫婦のご相談の中で「自分以上に愛せる人がいても、なぜか報われない関係になる」というご相談があります。そうおっしゃってくださる方の多くは、愛する力をお持ちで素敵な方が多いのです。
ただ、なぜか愛することに喜びを感じられず、結果的に上手に関係を結べないことも多いようです。
今回はこのような問題に潜む心理について解説していきます。

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自分のこと以上に大切に思える人がいる。

それはとても素敵なことですよね。

本当に愛したいという気持を感じられると、自分自身がとても大きな喜びを感じられますね。

ただ、カウンセリングの現場では

・自分のことよりも大切に思える人がいるけれど、自分自身の気持ちが続かなくなってきた
・本当に心からパートナーを愛しているけれど、自分自身が喜べなくなっている
・いつも大切に思う人が私の前に現れるけれど、思いを遂げることができないまま

そういったご相談を伺うことも少なくありません。

これはあくまで一つの考え方ではありますが、このようなお悩みを抱えている方には、いくつかの特徴があるようです

・実は「ものすごく愛したい(誰かのために頑張りたい)人」である。
・普段は自立的に過ごしている。仕事などでは結果や評価を得やすい。
・実は人には恵まれている。
・同性の親との葛藤を感じやすい(同性の親をかわいそうだと感じている)
・自分と同じタイプである居場所のなさを感じている異性を愛したくなる。
・実は人の長所を見て付き合うことが少し苦手。
・普段から親密感を感じられず、自分が必要とされたり、愛されている実感が薄い。
・自分の努力を認めることが難しい。いつも自分の努力の意味を感じにくい。

特に最後の2項目が特徴的なのですが、この状態が慢性的に続いてきたからこそ、普段から自分が人に何を与えられるかにこだわり、人に求められ必要とされる人になろうと努力されてきた方がとっても多いんです。

ただ、恋愛や対人関係の中では「相手のために頑張って与え、相手の気分を良くしていないと不安だ」といった状態になる場合も少なくないようですね。

◇人に評価され、仲間に恵まれている。けれど・・・

このタイプの方ほど、人から評価される傾向があります。

客観的に見れば、努力家で向上心に溢れ、貢献意識が強いからです。よって、実際に仲間や人には恵まれますし、人からの支援の手も差し伸べられることが少なくないでしょう。

ただ、その本人は、周囲に支援者や仲間がいくら存在していても拭えぬ不安を感じたままである事が多いもの。

ぶっちゃけたことを書けば「社会で必要とされ、認められること」にそれほど大きな意味を見いだせない人も少なくないのです。

自分の努力の結果もその瞬間は喜べますが、その後ですぐに価値を感じられなくなることも多いでしょう。

ただ、人として親密な関係になれる人を求める気持ちは残るので、パートナーを望む気持ちは強く存在するわけですけどね。

◇その「与える力」はどのように磨かれたのか

このタイプの方の与える力、愛する力は「怖れ」によって強化された才能だと見ることもできると僕は考えます。

特に「安心して過ごせる場所を失うような怖れ」です。

僕たちは誰もが「怖れのない、安心できる居場所」を求めるものですよね。手に入らないとなれば怖れを感じます。

僕たちの幼少期の体験としての「居場所がある状態」とは「家族がお互いに助け合い仲良く過ごせている状態」を意味することが多いでしょう。

しかし何かしらの理由で「家族(居場所)がなくなってしまうのではないか」「家族がばらばらになってしまうのではないか」といった怖れを感じたことがある人にとって、居場所がなくなることは不安でたまらないことです。

その結果、自分や愛しい人たちが安心して過ごせる場所を求める気持ちが強まり、その居場所を失わないように必死で努力する、そんな「よい子」になる人がいます。

自分が人に負担をかければ、自分の居場所がなくなるのではないか、といった不安を感じやすくなるからです。

ただ、このような不安が強い人ほど、与えること・愛することに若干の「やりすぎ感」が出てきます。

そこまで相手に尽くさなくてもいいじゃない、相手はそこまで望んでいないかも?もっと自分を大切にしていいよ、と他人に言われちゃうほど自分のことを顧みず尽くしすぎてしまうこともあります。

それぐらい愛も強いが居場所を失う不安も強い、ということ。

そういった気持ちの裏側には

「私の中にある居場所(家族や愛しい人)を失う不安を誰も理解してはくれない」

という悲しみがあって、「相手に自分を投影し、相手の居場所を失わないようにすることが愛だと思っている」ことが多いのです。

この悲しみを大切な人に感じさせたくはない、辛いのは自分ひとりで十分だと思う人ほど、人を理解し愛する人になっていくわけです。

その気持ちは素晴らしいのですが、自分自身の悲しみや不安が癒やされていないと、与えることがその気持ち埋め合わせる補償行為になることも多く、どれだけ与えても自分に充実感・安心感を感じられない部分が辛いわけですね。

つまり、他人から見れば自分がどこか幸せそうに見えないから報われない恋愛になる。そんなケースも意外と多いものだといえます。

◇私の居場所はなくならないという実感

このようなケースでよく扱う癒やしのポイントは「家族との関係性」。

両親、特に同性の親との葛藤を癒やし、家族からの愛を受け取れるようにすると、自分の居場所・安心できる場所を感じられ、不安を手放すことができます。

例えば、同性の親に対する感謝を伝え、親を心配し愛する気持ち以上に、親に愛されていることを認めて受け入れることなどがそれにあたります。

自分の居場所はなくならない。
自分は決してひとりぼっちではなく、家族の一員である。

それは家族も同じ。みんな一人ではないからたとえ辛くとも頑張れる。
たとえ大変そうにしている家族がいても、その人の生き方は立派なものでかわいそうなものではない。

そこまで腑に落とせるほど不安を手放せると、対人関係の中で安心感を感じられるようにもなります。

もし、心から大切にしたいと思う人がいても報われない気持ちになったり、実際に報われない関係になることが多いなら、自分の居場所にまつわる不安について見つめて癒やすことをオススメしたいところです。

以上、なにか参考になりましたら幸いです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。