離婚しようかどうか迷っている~その考えは現実逃避になっていませんか?~

もっと他に良い人がいるはずだから別れちゃえば?

「いつか離婚してやる!」と思いつつ、お互いの状況や態度は一向に変わらないまま、何年も経ってしまっている、そんなお悩みを抱えていらっしゃる方は少なくないはずです。
こんな時、私たちの心の中では一体何が起こっているのでしょうか?どんなところをどんな風に見つめ直し、整理していったらいいのか。そして、自分の本当の答えは何なのかを見極められるよう、今日はそんなお話をお届けしたいと思います。

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「実は離婚しようと思っているんです」

カウンセリングでお会いした時に、こんな風に切り出してご相談いただくことは意外にも良くあることです。

「でも、本当に離婚を決意されているのなら、今日こうしてここにはいらしてないですよね?」とお伝えすると、みなさんゆっくりと頷かれたあとで、「実は、いつか離婚してやる!と思いながら、ずいぶん時間が経ってしまいました」とおっしゃられるようなことも少なくないのです。

そして、一向に変わらぬ状況に一抹の不安を覚えてカウンセリングを受けてみようと決意して来られるようなのです。

●デッドゾーンの関係でおこること

今の状況にうんざり。二人のロマンスは遠い昔のように思えるくらい、一緒にいてもお互いに笑顔を見せ合うことなく、未来にはまるで希望が見えない。

「本当にこのまま、この人と一緒にいてもいいのかしら?」と不安と苛立ちを感じつつ、離婚する勇気も覚悟も実のところ自分でもわからなくなってしまった。

まるで、死んだような関係に成すすべもないといった感じで、友人に相談したら、「もっと他に良い人がいるはずだから別れちゃえば?」と言われてしまった。

「そうはいっても、本当に離婚してしまったら、私、後悔しない?」「こんなことで離婚しちゃって本当にいいの?」ととまどうばかり。

さて私、一体どうしたらいいのでしょうか?(心の声を再現してみました)

●デッドゾーンでの問題

関係性での行き詰まり、つまりデッドゾーンを迎えた関係で大切なのは、実は、離婚をするかしないかの決断ではありません。

多くの人が「離婚するか留まるべきか」で悩まれるんですけど、関係に変化を起こしたり、本当の答えを見つけるために必要なのは『コミットメント』なんです。

でもここでは、もう一度手を取り合うことを逸らすあらゆる思いが、二人の関係のトラップになります。

「愛されていないかもしれない」
「愛していないかもしれない」

親密感のへの怖れや次のステップへの怖れは、相手や自分に対しての疑いになることもありますし、これまでに私たちが経験から学んだ、常識やその考えが、パートナーへのジャッジメントの材料になることもあります。

古くは子供時代に、異性の親に対して抱いていた、満たされなかったニーズが、パートナーに向けて溢れてくることもあります。

ですから、その不満は、現在の夫との間ではじめて感じている体験ではなくて、かなり古くからあなたの中に不満として潜伏していたものなのかもしれません。

しかし、そうしたことから、夫婦関係がいつも間にか親子関係の問題にすり替わってしまっていることもよくあることなんです。

それはある意味、夫や妻を自分の親に見立てた代理戦争のようなもの。
無意識レベルで起こっていたそれに気づいたら、過去の傷を癒し、もう一度、改めてパートナーの位置につくことで、見方や感じ方が変わり、パートナーという存在そのものを心からの感謝で迎え入れ関係に変化がついてくることもよくあります。

それほど、個人の持つ深層心理レベルでの課題が癒しの光を求めて浮上してくるわけですから、本人が自覚していることは少ないですが、カウンセラーの私からしてみると、お二人が深いご縁のある関係なんだと感じます。

関係を清算して、新しい人生を歩みだすという選択もありますが、実際に別々の道を歩むという選択肢があることを知りながらも婚姻関係の解消へ至らないのならば、「いつか離婚してやる!」という思いも、そうしたメンタル的な辛い状況や真の課題から気をそらすトラップのひとつになっているかもしれないのです。

このような「別れ」への誘惑が不倫や浮気の問題に発展しやすいのは、みなさんもよくご存知ですよね。

「いつか離婚してやる!」と思いながら、相手を思いっきり否定したり、拒絶したり遠ざけたなら、その一瞬はスカッとするかもしれません。

でも、結局別れずに一緒にいるならば、むしろその後の重く暗い時間の方が多く辛く感じてしまうのではないでしょうか。

●これまでの自分を総決算

離婚問題に限ったことではありませんが、行き詰った関係や状況を癒すために、まず最初に取り組んでいただきたいのは、自分自身を癒すことです。

変化することへの怖れから立ち往生している部分を解き放つためには、自分の中を整理してみることからはじめるのが一番の近道なのです。

一般的には、自分と似たような状況の人がどんな選択をしているのか知りたいと、ネットで情報を探し求める方が多いかもしれませんが、本当は誰しも、この関係をどうするべきなのか、自分は本当はどうしたいのか、真実の答えを自分の中に見出したいのだと思います。

答えは自分の中にちゃんとある。

そう信じて、自分の人生や自分の記憶や心の癒しのために丁寧に丁寧に見つめ直してみて欲しいと思います。

まず手始めとして、今現在、ご自身が抱えているパートナーに対しての不満や許せないことを箇条書きにして洗い出してみるといいでしょう。

不満や文句をたくさん抱えているときはそのような感情を感じる相手や状況から離れたくなるのは自然なことです。
すでにそのような状況なのですから、自分のために思いっきり時間を割いて取り組んでみてくださいね(笑)

これ自体が、自己愛に通じる部分でもあります。

次に、書き出すことを通じて、自分は何を大切にしたい人なのかを良く思い出してみることです。そのような価値観を持つ、自分の素晴らしさを思い出しましょう。

その上で、心から「そうしたい」と思っていないものも明らかにしていきます。

「~すべき」と思っているところは、多くの場合、自分の本当の価値観ではなく、古い関係や怖れの経験から作られた自分自身をも縛る考えだからです。

誰とのどんなエピソードの中でそのような考えを持つようになったのか、そういったことも丁寧に振り返って見直してみると、すでに古くなっていて今の自分の幸せには貢献しなくなった考えも明らかになり、手放すことができます。

そのように、ゆっくりじっくり丁寧に思いを整理していくと、あら不思議。

これまではお互いの価値観や利害関係が一致していないように感じていたはずのパートナーが、実は、「自分への最大のギフトを与えてくれようとしていたのに、私が受け取ろうとしていなかっただけだったわ!」と気づく場合も実に多いのです。

場合によってはこのようにして出した自分の答えに、気持ちの揺れが生じて、何度もおさらいをし直さなければならないこともありますが、それ自体が自分を癒すための貴重なプロセスであることを忘れないでいてくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

熊谷 佐知恵

恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。