犠牲の心理~努力しているのに報われないには訳がある~

犠牲とは「与えるばかりで、受け取らない」行為

つい無理ばかりしてしまう。人から期待されると断れない。
自分を必要以上によく見せたい気持ちがある。いつもいい人でいなければと思う。
もしあなたの中にこんな気持ちがわき続けるなら、そこに「犠牲の心理」の影響があるかもしれません。
その深層心理には「私のために誰かが犠牲を払っている。自分は迷惑な存在だ」という
ネガティブな自己概念があるために引き起こされることが多いようです。
今回はこの犠牲について自己概念とその心理の影響、対処法について解説します。

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まず「犠牲」とは一体どういうことでしょうか。

まず犠牲とは「与えるばかりで、受け取らない」行為といえます。

自分から愛したり、努力を捧げたりしますが、そのリターンを受け入れようとしないし、受け取ってはいけないような気持ちになるようなイメージです。

その結果つい無理ばかりをしたり、人から期待されると断れない、といった状況を作り上げたりもします。

受け取らないので慢性的にエネルギー不足になるんですね。

人に対しては良いこと、素晴らしいことをしているのだけれども、その本人は息苦しさを感じたり、時には「無意味な感覚」を感じることもあるんですよね。

それもこれも「受け取っていない」ことが理由になっているものです。

どこか受け取ってはいけないだとか、後で自分の気持は満たされるのだろうから、今はいいや、と自分から受け取らない態度を取ってしまうこともありますね。

また、犠牲をしている人は、「より素晴らしい人になれば、受け取れるはず、認められるはず」という思いが強いようです。

だからつい自分を必要以上によく見せたい気持ちが強まったり、いつもいい人でいなければと思うこともありますね。

そういった犠牲のもととなる「潜在意識下」では、自分は不十分な存在であるという考えを持っていることが多いんですね。

言い換えれば「私のために誰かが犠牲を払っている」「自分は迷惑な存在だ」といった思いを持っていることが少なくないわけです。

こういった思いは家族の中で感じた経験がもとになっていることもありますね。

例えば

母親が犠牲的に苦労していた。
父親が大変な思いばかりしていた。
金銭的な苦労が家族にあった。

そういった状況の中で、自分自身が犠牲的な態度を取らない人もいるのですが、つい「誰かが遠慮や犠牲をしないと」「自分がいるのは迷惑なのかもな・・・」といった考えに至る人の場合、これが一つの強い思い込みになってパターン化することがあるんですね。

その結果、大人になってからも「どこか自分は誰かの迷惑になっているのではないだろうか」という思いが消えず、その内面で罪悪感を選択してしまうのです。

自分は迷惑とその内面で感じていれば、人からの愛や思い、がんばった分のリターンを受け取れなくなってしまいます。自分がどれだけ努力し人に与えても、その対価を受け取ってはいけないような気がするし、自ら求めてもいけない気がするというわけです。

その結果、犠牲をし続けると「自分がこうなったのは誰かのせいでこうなった」という被害者意識が募ってくるのです。

この犠牲はとにかく自分らしく生きることを阻む要素になりますから手放していくといいでしょう。

そのためには

・自分自身の価値や魅力を見つめていく(自己価値アップ)
・その内面に隠れた被害者意識に気づいて、手放す
・そもそもの犠牲を始めた動機、そこにある思い込み(観念)を手放す

そういったアプローチが有効でしょう。

自分の価値を見つめ、受け入れることで「受け取る」ことへの許可が出やすくなります。

自分はこんなに素晴らしいんだと感じることは、人との対等さ、親密さを取り戻す鍵になるものです。

被害者意識を手放すことで、犠牲の結果、人や社会に投影される葛藤や恨みつらみを解消することができます。

つい「人との距離を感じやすい」「人に遠慮して気を使いすぎてしまう」なら、こういった部分を解消するといいでしょう。

犠牲を始めた動機に気づくと、自分のものの見方、思い込みを解消することができます。

犠牲して受け取らないことは、かつて必要なことであったけれど、今も本当に必要な人との関わり方なのかを見つめることができるのです。

いかに自分が日々頑張っているけれど受け取ってこなかったのか、に気づくことがポイントですね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。