「埋め合せで手に入れられるもの」 ~補償行為~

同じ行為をするのにも、補償行為からしているのか愛情からしているのかで、あなたの手に入るものが全然違うのです。

補償行為とは文字どおり、なにかを補おうとする、埋め合わそうとする行為です。
ドラマのワンシーンで例えるとこんな感じです。

いつもお仕事で遅く帰ってくるお父ちゃんに、奥さんから、「たまには早く帰ってきてね」と頼まれました。お父ちゃんは今日は頑張って7時に帰ってくる約束をしました。そして、1日のお仕事を終えてお家に帰ろうとしたお父ちゃんに「お~い、ちょっと一杯飲みにいかねぇか~」とのお誘いの声が・・・
『ん~まぁ一杯くらいなら約束の時間に間に合うかな』そう実は、お父ちゃんはお酒が大好きだったんです。ちょいと一杯のつもりが夜の10時「う~い、ただいま~ヒック、取引先の接待が長引いてな~ごめんな」と奥さんに言い訳をするお父ちゃん、そして片手にはお寿司の箱。
「はい、これお土産・・・・」

ドラマやコントでよく見るワンシーンですね。
お父ちゃんは、奥さんに早く帰ってくるよと約束したのにもかかわらず欲望に負けて、約束を破ってしまい罪悪感でいっぱいですね。この奥さんに対して申し訳ない気持ちを埋め合わせる為に、奥さんの喜ぶ行為をしようとしたわけです。

この行為が補償行為になります。
お土産のお寿司も補償行為にあたるわけですね。

さて、この補償行為の特徴って何だと思いますか?

補償行為の特徴は、”あなたにとってメリットが何もないということです。”

お寿司を奥さんに渡した後の、お父ちゃんの気持ちってどんな感じでしょう?
たぶん、奥さんの機嫌がなおったかどうかすごく気になっていると思いませんか?
奥さんの機嫌が悪くなくても、お父ちゃんは機嫌がなおったかどうか気になってしまします。
「ありがとう」って奥さんが言ってくれていても、お父ちゃんにとって奥さんの機嫌がなおったとしか思えませんね。奥さんが喜んでいるという気持ちが受け取れないのです。

同じ、お寿司を買って買えるにしても、約束を守れず申し訳ないという補償行為からではなく、奥さんの喜ぶ顔がみたいと思ってお寿司を買って帰ったら場合だったら、
お寿司を奥さんに渡した後の、お父ちゃんの気持ちってどんな感じでしょう?
たぶん、奥さんが喜んでくれているかどうかすごく気になってワクワクしていると思いませんか?
「ありがとう」って奥さんが言ってくれたら、お父ちゃんは嬉しくて仕方がありません。奥さんの気持ちが受け取れてお父ちゃんも、奥さんも幸せですね。
お寿司を買ったかいもあるというものです。

お寿司を買って帰るという行為は同じなのですが、行動が補償行為からのなのか、愛情からなのかで手に入るものが全然ちがってきます。
補償行為は、埋め合せの行為ですから目的を達成したとしても、あくまでマイナスを埋め合わせただけのことになるので、目的を達成できて当たり前、できなかった私はマイナスが残ったままの駄目な奴に感じてしまいます。

反対に愛情から行った行為はマイナスを埋め合わしていくのではありませんから、もし目的を達成できれば自分にとってプラスになっていきます。自信をもてたり、相手の気持ちを受け取れたりします。成果、達成感が手に入るわけです。

今回紹介した補償行為は罪悪感を埋める為の行為を紹介しましたが、補償行為とは、何かを埋める為の行為ですからいろんな補償行為があります。

・自分は駄目な奴と自分のことを見捨てている補償行為として誰かを助けようとする。
・無価値感を感じている補償行為として地位や名誉、プライドにこだわる
・親孝行できていない補償行為として近所のおじさんおばさんに優しくする。
・奥さんに優しくできていない補償行為として仕事を頑張ってお給料をたくさんいれることで補償する。
・浮気した後ろめたさの補償行為から、パートナーに電話をいっぱいかけたり、お土産を買って帰ったりして補償する。
・ お仕事に全力で取り組めていない補償行為としてやりたくもない残業をする。

などいろんな補償行為がありますが、どれひとつあなたにとってメリットがあることはありません。

なにか頑張っているのに手に入れているものが少ない、相手の気持ちを受け取れていない、上手くいっていないなと思った時は、補償行為をしていないかチェックしてください。
埋め合せの行為をしているなと感じたときは、行動原理を補償行為から、「あの人の為にしてあげたい」という愛情や「俺、この仕事好きやねん」自分がやりたくてやっている、好きでやっているなど行動原理を書き換えてやるといいでしょう。
行動原理が変われば、手に入ってくるものは違ってきます。成果、達成感がついてきます。

“お寿司を買って帰るのも””パートナーに優しくするのも””お仕事がんばるのも”  同じ行動をするんです。同じ労力を使うんです。
同じ労力を使うなら補償行為で配当金がほとんどはいってこないほうを選ぶより
行動原理を愛情や、やる気などに変えて配当金が高いほう選ぶことをお勧めします。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。