孤立無援

僕は、ｍｋさんに楽になって欲しい、言い換えると、ｍｋさんらしく自由になっ
て欲しいと思いました。

さて、人間の気持ちの基本的なお話を少しさせていただきたいと思います。
先ず、人は同じ状態に置かれても、その感じ方が違うということはご理解いただ
けるでしょうか？
例えば、同じようにジェットコースターに乗っても、それを怖がって「嫌」と感
じる人もいれば、「わ～、楽しい」と感じる人もいますね。
外側の状況は、ジェットコースターに乗るという全く同じ状況なのですが、感じ
方が違うのですね。
では、その感じ方は、一体どこから来ているのでしょうか？
それぞれの人の内側、心の中にあるのです。
感じ方は、その人の内側にあって、決して外側からくるものではありません。
例えば、誰かから心を傷つけられたと我々は感じて、傷つけた人が悪いと考えが
ちですね。しかし、先に書きましたように感じ方は心の内側にあるという事を考
えれば、実は誰かから傷つけられたということではなくて、自分で勝手に傷つい
ている、もっと言えば自分で自分を傷つけていることになります。
太っている事を気にしている人が、「太ってるね」とか「太ったんじゃない？」
と言われるとその事に傷つきますね。これは太っていることを気にしているから
なのです。
太っていることを自分で「駄目だ」と自己攻撃しているからなのです。
そんな事を全く気にしていない痩せた人が、「太ってるね」と言われてもその事
については傷つかないですよね。
「太っている」ということについて、自己攻撃していないからなのです。

さて、ではｍｋさんが「自分を理解してくれない」と傷つくのは、どうしてでし
ょうか？
一体どんな自己攻撃をされているのでしょうか？

一生懸命我慢して、頑張っているのに認められないと感じることは、自己攻撃で
はありません。これは、そう感じることなのです。
ｍｋさんの心の内側にある自己攻撃は、
「人から認められないような自分」、「価値がないような自分」、「人に迷惑を
かけてしまうような自分」なのではないかと思います。
この感覚って、とっても辛い感覚だと思います。
そして、これらを感じないようにするために、隠すために、人に迎合したり、我
慢したりというとても辛い事をされてきたのですね。

では、その感覚はいつの頃からあったのでしょうか？
ご相談の内容から、お兄さんとお姉さんがいらっしゃるとのことですので、おそ
らくは物心のついた頃からその感覚をお持ちではないかと思います。

我々は、子供の頃、両親の愛を感じることが一番の望みです（忘れてしまってい
るかも知れませんが、どんな状況においても、ほとんどの場合その感覚を持ちま
す）。
そして、両親に愛されようと頑張ります。
おそらく、ｍｋさんの場合には、お兄さんやお姉さんに負けじと頑張ってご両親
に対して「良い子」になり、自分の本当の気持ちを我慢してこられたのではない
か、と思います。
しかし、お兄さんやお姉さんの持っている力には叶わない・・と自分の力のなさ
を感じられたのではないでしょうか。
子供の頃というのは、少しの年齢差でも随分とできることに差がありますよね。
だからお兄さんやお姉さんができることも、できないのが当たり前なのです。
そこで力の無さを感じることは何もないのです。
しかし、その頃、そう感じてしまったのですから、それは誤解であるにしてもｍ
ｋさんの中では真実と化してしまったのではないでしょうか。
そしてその結果、ｍｋさんの心の中に、「人から認められないような自分」、
「価値がないような自分」、「人に迷惑をかけてしまうような自分」という傷つ
いた感情が残ってしまったのではないかと思います。

先にも書きましたが、この感情は誤解から生まれています。
その誤解が、ｍｋさんの心理パターン、換言すると心の癖となってしまって、今
もｍｋさんを支配している感じがします。
この心の癖は、癖があるから良いとか、悪いというものではありません。
右利きの人、左利きの人がいるように、癖なのですね。
だから、この癖が問題にならないのであればそれは持っていてＯＫなのです。
しかし、ｍｋさんにとっては、今この心の癖が問題となっているようですので、
そろそろこの心の癖を手放して、やり方を変える時期にきているようです。

では、どうすればこの心の癖を手放すことができるかですが、第１には、自分自
身が変わろうと決意することです。
“この歳でこんな状態でどうしたら再出発できるでしょうか。”
との事ですが、人間は、いつでも変わろうと思ったその瞬間から変化を始められ
ます。
先ずは、「変わろう」と本気で決意することです。
そうすると、信じられないかも知れませんが、あとは自然に変わっていくことが
できます。

変わることについては様々な抵抗が出てきます。
変わることは、今までずっと慣れ親しんできた自分から一歩踏み出すことになり
ますから、怖いのですね。これは、誰でもそうです。
だから、決意が一番大切になります。

そうして、先ずは何でも自分を一番大切に扱う様にしてください。
人に迎合することが嫌だと思ったら、それをしないことが自分を大切に扱う事に
なります。
人に迎合することが楽だと思ったら、迎合することが自分を大切に扱うことにな
ります。但し、迎合した自分を責めないことです。今は、それが楽なんだなぁと、
今の自分を認めることです。

今の自分の状態を認めること、そしてそれを責めないこと、そして、自分がどう
するか選択をしていることを認識されると、気持ちが楽になっていくと思います。

ご相談に書いていただいた事から推察していることもあります。
また、変わっていくことをお一人でされるのはとても辛いと思います。
電話カウンセリングをお受けになることをお薦めします。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。