結婚というプレッシャー

んにちは、平です。

読者のみなさまからいただくご相談でときどきあるのが、「つきあってそれなりの年月になるのだけど、彼がなかなか結婚を決めてくれい」というものです。

その彼が浮気性だったり、遊び人だったりするなら納得もいくのですが、そうしたご相談をくださる女性たちの彼のほとんどは、とてもまじめで、ほかの女性がいる気配などないという人ばかりです。なのに、なかなか結婚に踏み切ろうとしないわけです。

それどころか、彼女が「そろそろ結婚かな」と思っていたところに、彼が「やっぱり、別れよう」などと言ってきて、彼女が大ショックを受けるといったケースまであるほどです。

彼女がわからすれば、なぜ別れなければいけないのかわからないわけです。

ほかに好きな人ができたわけでもなし、どうしてもイヤなことがあるわけでもなし。それなりにうまくいっていたし、なかよしだと思っていたのに、あまりに急すぎる展開なんですね。

このタイプの男性に非常に多いのが、まじめで責任感が強いうえに、仕事や社会において、自分はなかなか一人前になれないというコンプレックスをもっているということです。

自分のことでも精一杯なのに、結婚という形に身をおいたら、家族を背負っていかなければならないと生まじめに考えてしまうのです。

愛する彼女の存在が、人生のご褒美というよりも、背負うべき負担のように感じられてしまうわけですね。

こうした男性たちが、「結婚すべき人」、そして、「家族をもつべき男性像」として抱いているイメージは、強く、たくましく、自分に自信がある男性というものであることが多いようです。

そして、そのイメージと自分は大きく乖離しており、そんな自分は結婚すべきじゃないし、したとしても、責任をちゃんと果たしていくことはできないと思い込んでいたりします。

言い換えれば、「責任を果たしたい」とすごく思っているのですね。

ところが、責任の果たせないであろう自分が許せないわけです。ほんとうにまじめですよね。

当然、彼はおつきあいがだいぶ長くなっていることも承知していますし、そろそろ結婚してあげなくちゃとも感じています。

そこまでわかっているし、それに気づくことのできる彼なのですが、一方で、結婚ということがものすごく重いプレッシャーとしてのしかかっています。

それで、あるとき、その重みから解放されようと、「やっぱり、別れよう。きみとは結婚できない」などと言いだしてしまったりするのです。

彼にそう言われ、泣きながら相談にこられた女性に、私はこうアドバイスしました。

「もしも、結婚しなくても、二人でいっしょにいることが楽しいと感じているのなら、彼に“べつに結婚しなくたって、いっしょにいられるだけで幸せだよ”と言ってごらん」

もちろん、彼女の意向も十分聞きました。「結婚がしたいのであれば、違う男性を見つけたほうがいいのかもしれないね。でも、彼といっしょにいたいのなら、いまは結婚を手放したほうがいいと思うよ」

その結果、彼女が彼といっしょにいるということを選択したのです。

彼から「きみとは結婚できない。別れてほしい」と言われたとき、多くの女性は「おまえといっしょにいたくない」、「おまえのことが嫌いになった」と言われたように感じます。

が、じつは彼のその言葉の主旨はこうなのです。

「こんなに頼りにならず、ふがいない俺には、きみを背負って歩く結婚というものなどできそうにないよ。どうか、きみの望む結婚は、僕以外のだれかとしてくれ。申しわけない‥‥」

そう思っている彼から、彼女は「結婚しなくても、いっしょにいられるだけで幸せだよ」という言葉で、結婚という重石をとってあげたいだけです。

彼の反応は、「え、ほんとに? 結婚できないかもしれないけど、それでいいの?」というものだったそうです。

もともと、彼は彼女のことが嫌いであるどころか、大好きな彼女のために結婚しなければ‥‥と思っていたわけです。

彼女のおかげで彼はプレッシャーから解き放たれ、とても自由になり、その結果、二人は結婚する運びとなったのです。

どんなことでも、「やらねばならない」と感じると楽しさが失せます。

たとえば、「せねばならぬ結婚」、「生まなくてはいけない子ども」だと、手に入ってもノルマを達成したような気分になりがちです。ちょっぴり安心はしますが、なかなか喜びとは結びつかなかったりします。

しかし、「したい結婚」、「生みたい子ども」なら、実際の結婚や出産が喜びとして手に入ります。その彼もプレッシャーが消えたことで、まさに「したい結婚」をすることができたのですね。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。