やる気の心理学2(2)~「表の目的」と「隠れた目的」~

夢の実現や目標達成というのは、それ自体が目的であるのですが、夢を実現することや目標を達成することにも目的があります。

そうした目的には「表の目的」と「隠れた目的」の2つの種類の目的があります。そのうちの「隠れた目的」に、やる気が出ない、続かない原因やヒントが隠れています。

●その目的は、何?

実現させたい夢があるけれど、やる気が出ない、やる気が続かない。

そんな時には、その夢を実現させる「目的」についてチェックしてみることで、やる気が出ない原因や、やる気が続かない原因が見えてくることがあります。

何でその夢を実現したいのか?

その夢を実現すると、どんな事が起こるのだろうか?

そんなふうに、その夢を実現する「目的」についての質問を投げかけてみることで、その「目的」が見えてきます。

そして、その目的を感情レベルまで落とし込んでみることで、やる気が出ない原因や、やる気が続かない原因が見えてくることがあります。

例えば、「年収2千万円稼げるようになりたい」という夢を持っていたとしますよね。

2千万円を稼ぐことが夢になっているのは、「欲しいものが自由に買いたい」というのが理由なのかもしれませんし、「お金の心配をしなくて済む」というのが理由かもしれません。

この夢が実現すると、欲しいものが自由に買える生活というのが手に入るかもしれませんし、お金の心配をしないで済む安心感のある日々を過ごすことができるかもしれません。

こんないいことづくめのバラ色の日々が待っているのですから、自ずとやる気も出そうな感じがしますよね。

でも、現実にはやる気になれなかったり、やる気が続かなかったりします。

それは、「バラ色の日々」という「表の目的」の他に、「隠れた目的」というのがあるからです。

●「表の目的」と「隠れた目的」

その「隠れた目的」の一つに、「自分が信じていることが正しいというのを証明したい」というものがあります。

わかりやすく言うと、「やっぱり」と思いたいという目的なのです。

ちょっと想像してみてください。

心の中に「そんなことができるはずがない」「自分には無理だ」「前も頑張ったけどうまくいかなかったんだから、きっと今回もうまくいかないだろう」といった思いがあったとします。

そんな思いを持っている時、あなたの心からやる気は湧いてきそうでしょうか?

やる気のかわりに湧いてくるのは、「どうせ…」といったような諦めやネガティブな感情だと思いませんか?

そんなネガティブな感情のために意欲的になれないため、結果的にうまくいきません。

すると、その結果、手に入るものがあるのです。

「やっぱり、そんなことができるはずはないんだ」
「やっぱり、自分には無理なんだ」
「やっぱり、今回もうまくいかなかった」

この時、「自分が信じていることが正しい」というのが証明され、「隠れた目的」が達成されるのです。

理屈で考えると非常に馬鹿げた話なのですが、「バラ色の日々を手に入れる」という「表の目的」と、「やっぱり」と思いたいという「隠れた目的」を天秤にかけた時、心に選択を任せると「隠れた目的」の方を取ってしまいます。

そして、心は、「隠れた目的」を達成するためなら、「どうせ無理だよ…」「やっても無駄」「しんどい思いをして損するだけだよ」と、できるだけやる気削いだり萎えさせたりしようと、内なる声として囁きます。

それくらい、心は、信じているものを証明する方向に強く作用します。

「隠れた目的」というのは、他にも様々なものがあります。

例えば、年収2千万円稼げるようになりたいという夢を実現しようと思った時、心では何を感じているかというと、「今、年収2千万円稼げていない自分」というのを感じています。

そんな自分を否定し、自己嫌悪していたとすると、その夢の実現のために意欲的になればなるほど、心では「今、稼げていない自分」を強く感じることになり、それに伴い、自己否定や自己嫌悪が強くなります。

そんなネガティブな感情を感じたくないために、やる気になれなかったり続かなかったりすることがあります。

この場合、「自己否定や自己嫌悪といった嫌な感情を感じたくない」というのが、「隠れた目的」になります。

こうした「隠れた目的」に気づくことで、「そりゃ、やる気にならないよなぁ」と、やる気にならない自分に許しを与えることができます。

そうして自分を責めるのを終わりにすることが、「やる気」や「継続」のためには、とても大事になってきます。

>>>『やる気の心理学2(3)~その動機は、何?~』へ続く

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